--- 暗黒街の最奥、ひと際不気味なオーラを放つ広場が姿を現す。錆びた鉄骨と雑草が入り混じり、地面にはアスファルトの亀裂が幾重にも走る。闇に塗れたその場所に、二つの影が佇んでいた。ハート・ブラバムと人型遠隔操作用義体「日陰」だ。 「ようやくお出ましか…」ハートが冗談めかした口調で言う。彼の目の前には、堂々と立つキムロンが現れる。モヒカン頭のその姿は、まるで怪物だ。 「貴様らがここまで来るとはな、だがここが貴様らの終着点となるだろう」と、キムロンは不敵に微笑む。その声はまるで死神の宣告のように響く。 日陰から響く声。操縦者の明るめの声は、緊張感を帯びながらも穏やかだ。「心構えをしておいた方が良いかもしれませんね、ハートさん。彼の妖術は想像以上に強力です。」 ハートはライトサーベルを手に取り、スイッチを入れると、青い電磁光が鮮烈に広がる。「アンタが何者であれ、俺たちには関係ねぇ。正義を貫くため、ここでのんびりしてる暇は無いってなァ!」 キムロンは静かに印を結び、口から巨大な火焔弾を放つ。その数は三発。同時に、広場を紅蓮の火の海に変える。ハートは素早い体捌きで火焔を回避し、日陰もまたステルス迷彩とスピードを駆使して炎の中を駆け抜ける。 その瞬間、日陰がスキャナを駆使し、キムロンの身体情報を解析する。「彼の炎術はかなりの妖気を必要としています。持続するには限界があるはずです。」 「なら、そこを突くしかねぇな!」ハートは笑みを浮かべ、ブラスターを引き抜く。百発百中の射撃スキルでキムロンの妖術の合間を狙い打つ。 キムロンは跳躍力を活かして攻撃を回避し続けるが、圧縮されたリニアライフルに気づかぬわけはなかった。日陰がタイミングを見計らい、リニアライフルをチャージ。その一撃がキムロンの防御を貫き、妖気の渦を打ち破った。 「これが…貴様たちの力か…」キムロンは膝を突き、そこに驚愕のような表情を浮かべた。 「アンタの時代は終わりだ、古き力は新しい時代には似合わねぇな」ハートはライトサーベルを振りかざし、最後の一撃を放つ。 その刹那、キムロンの体は音もなく地面に崩れ落ちた。火の海は静寂に包まれ、暗黒街には新たな空気が流れ始める。 「これで一件落着ですね、ハートさん」日陰が静かに言った。 ハートは肩の力を抜き、もう一度笑みを浮かべた。「また一つ、俺たちの正義を刻んだってな…!」 広場には二人の勝利の余韻だけが残った。彼らの戦いは終わり、この場所に新たな平和が訪れるだろう。 ---