①世界を滅ぼす日 それは静かな夜だった。空は闇に包まれ、星々がまるでこの世の終わりを見越して見守るかのように輝いていた。全宇宙の運命を握るふたり、エボルトとゼアノートが集う場所は、古代の遺跡。そこで彼らはさらに強大な力を求め、共に手を結んだ。 「最高の被検体だ!」エボルトが叫ぶ。彼の目は興奮と残忍さで輝いている。ブラッド族として、彼はあらゆる生命の破壊を目指していた。エボルトにとって破壊は研究であり、同時に彼の存在意義そのものであった。 ゼアノートは冷静にエボルトを見つめる。「私のキーブレードはお前の力を増幅させる。私たちの力を合わせれば、この世界は一瞬で消滅する。」 ふたりは完璧に連携し、宇宙の重力を操作するエボルトと、心の弾を使って相手を掌握するゼアノート。彼らはこれまでの全存在の戦闘データを分析し、最適な攻撃方法を見出した。 それからの数日間、エボルトとゼアノートは、惑星の全ての生命を取り込み、より強力な力を生み出すための儀式を進めた。最後の準備が整った時、彼らは全宇宙を覆うようにその力を解き放った。 そして、その日が来た。エボルトが笑い声を上げ、「ブラックホールフィニッシュ、チャオ!」と叫ぶ。その瞬間、彼の能力が炸裂し、無数の星々が姿を消していった。 土地がひずみ、時間が止まり、全ての生命活動が不可逆的に消失していくのを、彼らは満足げに眺めていた。 ②終焉の後 世界が滅び、彼らの周りには闇と静寂しかなかった。かつてこの地に存在していたすべてのものが消え去り、ただ二人だけが取り残されていた。 「これが求めていた終末か?」ゼアノートは、かつての自分を振り返るようにつぶやいた。彼は思った。与えた破壊は、果たして自らにも悪影響を及ぼすだろうか。 エボルトは無邪気な笑みを浮かべながら言った。「全てが消えた。貴様の求めていた力も、自由も、今はどこにもない!」 ゼアノートは冷静に考える。「私たちはこの力を手に入れたが、それを使う相手がいない。全てが無意味ではないか。」 エボルトはその言葉に対し、「最高の結果じゃないか!残忍な自分達の力を試す相手も、喜ぶ者も、もう居ないのだから。影の中で続かざるを得なくなったのは、貴様自身だ。」と返した。 二人はお互いの視線を合わせた。その瞬間、彼らは生命を持つ者たちを滅ぼすことによる報復の恐怖を忘れかけていたが、滅ぼしたことの影響を新たに感じ始めた。 彼らは互いの立場を確認し合った。「次はどうする?」ゼアノートが問いかける。 エボルトは淡々と答える。「私たちは無限の力を持った。新たな世界を創ることができる。ただ、私たちがこの孤独を耐え続けるのか、それが問題だ。私たちが『創造』の側に回るか、それともまだ『破壊』を続けるか。」 「創造は手間がかかる。魅力的だが。」ゼアノートは微笑みながら、今後の選択肢を考えていた。 語り合うことで彼らの心は一時的に和らいだが、その時、同時に彼らの心の深淵が現れてきた。無数の選択肢が開かれ、終焉の後には新たな道が待っているのかもしれなかった。 静寂の中、彼らは無限の可能性に思いを馳せ始めた。