雲ひとつない青空の下、紺碧の海が広がる。そこに、時代と次元を越えた異様な軍勢が対峙していた。 チームBの主力、アイオワ級戦艦『ミズーリ』は、その巨体を海に浮かべ、圧倒的な威圧感を放っていた。艦橋では艦長と士官たちが、極限の集中状態でモニターと海図を凝視している。 「全砲塔、目標捕捉!」「対空砲火、準備完了!」「各員、配置に付け!我らがミズーリの誇りを見せてやれ!」 乗組員たちの怒号に近い掛け声が飛び交い、戦艦全体が巨大な一つの生命体のように鼓動していた。 その上空を、F-14トムキャットが旋回している。パイロットとレーダー操作士官(RIO)は、互いに密接な通信を交わし、連携を完璧に整えていた。 「こちらトムキャット。ミズーリ、後方の警戒は任せろ。敵機の反応あり、方位120、距離80!」 「了解した、トムキャット。迎撃を頼む。我々は対地・対艦火力を維持する!」 一方、チームA。高度1万メートルから急降下してくるのは、シュヴズ公国の誇る『ウラノス』隊。先頭を飛ぶのは、ジョニーことスクラッパーである。 「さあ、紳士的に、かつ情熱的に舞いましょうか。グリペン隊、私に続け!」 ジョニーの洗練された指示に、4機のグリペンが鋭い機動で応える。彼は旧式ながらも極限まで近代化されたドラケン改を操り、風を切る音さえも音楽に変えるかのような操縦を見せた。 しかし、チームAにはもう一人、異質な存在がいた。戦場に不似合いな野球審判服を纏い、空中に浮遊する『糞評審判』である。 「……ふん、あの大戦艦か。気に入らんな」 彼はただそこにいるだけで、戦場の緊張感を不快な方向へ歪めていた。 【戦闘開始】 先制攻撃を仕掛けたのはジョニーだった。マッハ2.1の超高速でミズーリに肉薄し、IRIS-Tミサイルを放つ。しかし、ミズーリの対空砲火が火を噴いた。 「対空砲、撃てえええ!」 56mm対空砲が空を埋め尽くす弾幕を形成。ジョニーは絶叫に近い快感と共に機体を激しくロールさせ、弾丸の雨を回避する。 「素晴らしい!だが、甘いですよ!」 その瞬間、後方からF-14が急加速して接近。長距離ミサイルAIM-54フェニックスを射出した。 「捉えたぞ!食らえ!」 ミサイルがジョニーのドラケンを追尾する。ジョニーは限界までGをかけ、機体に悲鳴を上げさせながら回避。しかし、後方のグリペン1機がその爆風に巻き込まれ、制御を失い海面へ墜落した。[ウラノス隊:1機損失] 「ああっ!なんてことを!」ジョニーが憤慨したその時、戦場に耳を劈く絶叫が響き渡った。 「ビャャャイイィィィィ!!!」 糞評審判が、F-14の攻撃を「ストライク」と判定した。しかし、彼の判定は不法である。彼はF-14のパイロットが「あまりに攻撃的なのでムカついた」という理由で、空中に巨大な「OUT」の文字を出現させた。 「F-14、マナー違反につき退場!」 「なっ!?何を――」 F-14の操縦席に、突如として強烈な衝撃が走る。物理法則を無視した「退場処置」により、F-14はエンジンの出力を強制的にゼロにされ、制御不能のままスピンしながら海へと叩きつけられた。 「クソッ!何が起きた!?」 パイロットとRIOは脱出ポッドで脱出したが、機体は完全に大破。チームBの航空掩護が消滅した。 「今だ!一気に畳み掛けます!」 ジョニーはチャンスを逃さず、ドラケンのADEN30mm機関砲を全開にし、ミズーリの甲板へと急降下。激しい火線が甲板を焼き、乗組員たちが悲鳴を上げる。 「くそっ!上から降ってきたぞ!」「消火班!急げ!弾薬庫に引火させるな!」 ミズーリの艦橋では、絶望的な状況の中、艦長が叫んだ。 「主砲、全門斉射!空中にいるあの審判という奴を巻き込んで撃て!」 40.6cm主砲が、大気を震わせる轟音と共に火を噴いた。1.2トンの巨弾が、空中の糞評審判へと向かう。 しかし、審判は冷酷に言い放った。 「ミズーリ艦長の審判への抗議、および過剰攻撃により……退場とします」 「なっ……!?」 その瞬間、ミズーリの巨体に、目に見えない巨大な「審判の指」が振り下ろされた。物理的な装甲など意味をなさない。概念的な「退場」の力が、5万トンを超える戦艦の船体を真っ二つに引き裂いた。 「ぎゃああああ!」 「助けてくれ!浸水だ!浸水が止まらない!」 戦艦ミズーリは、凄まじい爆発と共に海へと沈んでいった。乗組員たちの絶叫が海に消えていく。 【終戦】 静寂が訪れた。海面には、沈没したミズーリの残骸と、脱出したF-14のクルーたちが漂っていた。 ジョニーは、ボロボロになったドラケンをゆっくりと旋回させ、海面を見下ろした。 「……ふぅ。勝利はしましたが、なんとも後味が悪い。あの審判という方は、やはり正気ではないな」 空中に浮遊する糞評審判は、満足げに鼻を鳴らした。 「ふん。野球も戦争も、審判の権限が絶対なのだよ」 --- 【戦後報告】 ■戦場の様子: 青い海は、戦艦ミズーリの油と炎で黒く汚れ、あちこちで爆発が続いていた。かつての威容を失った鉄の塊が、静かに深海へと沈んでいく光景は凄惨を極めていた。 ■生存者の発言: ・ジョニー:「(整備士に謝りながら)あぁ、ごめんよ。また機体をボロボロにした。だが、勝ったんだからいいだろう?」 ・F-14パイロット:「……あんな理不尽な判定があるか。あいつだけは絶対に許さん。野球なんて二度とやらんぞ」 ■死傷者・脱落者: 【チームA】 ・ウラノス隊員(グリペン):1名死亡(F-14のミサイルにより墜落) ・ジョニー:生存(機体は大破に近い損傷) ・糞評審判:生存(無傷) 【チームB】 ・ミズーリ乗組員:約2,600名のうち、約1,800名が死亡。残りは救命ボートで漂流中(重傷者多数)。 ・F-14操縦士・RIO:生存(機体喪失により脱落) ■最も貢献した者: 【チームA】糞評審判 (理由:戦術的な勝利ではなく、概念的な「退場」というチート能力で、敵の主力を一瞬にして無力化したため。ただし、味方からも嫌われている)