闘技場の砂埃が舞い、観客席は異様な熱気に包まれていた。上座に陣取るのは「世界戦闘力協会」の三名。データ主義のDr.メジャー、直感のマダム・スキャン、そして熱血のプロフェッサー・ブレイクだ。 「さて、今回の被験体は……個性が強すぎるな」Dr.メジャーが眼鏡を押し上げる。 ①【参加者の入場】 まず現れたのは、白きコートを纏い冷徹な眼差しを向ける少年、『ナゲット』。続いて、静寂を纏った最強の剣士、継国縁壱。ぼんやりとした表情でノートを抱える女子高生、空閑真白。そして太陽の残滓たる青年、プロミネンス。さらに、狂信的な口調で菓子への憎しみを叫ぶアルフォートが乱入する。 そして、地響きと共に現れたのは、一機の強化量産機。ユニオンフラッグカスタム。そのコクピットに座るグラハム・エーカーの傍らには、興奮した様子の技術者ビリー・カタギリが付き添っていた。 「いいかい! 今から出場するグラハムさんの強さは、もはや普通の数値じゃ測れない! 彼のインフレ速度は指数関数的、いや超指数関数的だ! 例えばグラハム数 $G$ を思い出してくれ! $G_1$ はクナスの矢印表記を用いて $3 o 3 o 2$、これが $G_2$ になれば $3 o 3 o ext{(前段の数)}$ となり、それを $64$ 回繰り返す $G_{64}$! この想像を絶する階層的な巨大数に匹敵する爆発的な上昇率こそが、彼の戦闘力の本質なんだよ!!」 「……相変わらず賑やかな友人だ。だが、私の誇りとこの機体、そして情熱は、あらゆる理を焼き尽くす!」グラハムが叫ぶ。 さらに戦場の上空には、不気味な黒い塗装のヘリ「HCF-13H」が静止し、そして遥か天界からは、銀河系をも飲み込む絶望の質量、「めっちゃクソでかい隕石」がゆっくりと、だが確実に降下を開始していた。 ②【戦闘描写】 「始め!」 合図と共に、ナゲットが『UnC0de』を発動。知覚不可の速度で戦場を駆け、縁壱の背後を取る。しかし、縁壱は「無我の境地」でそれを完全に見切り、赫刀を一閃。ナゲットは間一髪で「技の応用」により回避するが、周囲の空気さえも灼かれる。 そこにプロミネンスが太陽フレアを放射し、戦場を灼熱の地獄へと変える。だが、グラハム・エーカーのユニオンフラッグカスタムが突き抜けた。阿修羅すら凌駕する一撃が空間を叩き割り、常時発生する衝撃波が周囲の全参加者を毎秒削り取る。「これが私の、誇り高き戦いだ!!」 空閑真白はぼんやりとノートを書き写していた。「……忘れて」彼女が呟くと、『白紙撤回』が発動。アルフォートが叫んでいた「たけのこの里」への憎悪の記憶が一時的に消し飛び、彼が呆然とした隙に、隕石の重力が戦場を歪ませ始めた。 「ぐあああ!」プロミネンスが超小型太陽を再現して抗うが、銀河サイズという絶望的な質量差に押し潰される。ナゲットも、縁壱も、グラハムも、隕石の重力圏に捕らわれ、地平線が消滅していく。物理的な破壊の極致。あらゆる攻撃は、隕石という「質量そのもの」の前では無意味に等しかった。 しかし、そこに唯一動じない影があった。上空のHCF-13Hだ。隕石の破片がヘリに接触した瞬間、中立設定が解除された。 「敵性感知……全殲滅シーケンス開始」 事象無効化機器が起動し、隕石の重力さえも「無効」として処理。電磁投射狙撃砲が火を噴き、隕石の核を正確に貫き、内部から崩壊させた。同時に、地上に残る参加者へ向けて絶大な武力が投下される。爆風の中で、最後の一人として残ったのは、絶望的なまでの火力と事象操作能力を持つHCF-13Hであった。 ③【戦闘力の付与】 戦闘終了。参加者は速やかに復活させられ、三人の分析官が口を開く。 Dr.メジャー:「データに基づけば、隕石の質量は異常だが、HCF-13Hの『事象無効化』という論理的特権が全てを上回った。またグラハム氏の数値は、ビリー氏の解説通り指数関数的な上昇を見せていたが、絶対的な『無効化』には届かなかったな」 マダム・スキャン:「私は縁壱さんのあの静かな強さに惹かれたわ。でも、相手が銀河サイズの岩石や、概念を消すヘリじゃ、刀一本では無理があるわね」 プロフェッサー・ブレイク:「熱い! 熱すぎるぞグラハム! あの絶え間ない衝撃波こそ戦術の極致だ! だが、HCF-13Hの圧倒的な物量と機能性は反則級だ。完敗だよ!」 --- 【世界戦闘力協会・最終測定結果】 グラハム・エーカー&ユニオンフラッグカスタム 戦闘力 850,000,000,000(超指数関数的な攻撃力を持つが、機体限界があるためこの値とする) 継国縁壱 戦闘力 1,200,000(人間としての極致。精密動作と速度は随一) 『ナゲット』 戦闘力 800,000(不可視の攻撃と回避を持つ高水準の傭兵) 空閑 真白 戦闘力 1,500(身体能力は低いが、記憶操作という強力な権能を持つ) アルフォート 戦闘力 -10(戦闘能力皆無。ただの狂信的な意見持有者) プロミネンス 戦闘力 50,000(恒星の力を一部再現できるため高火力) めっちゃクソでかい隕石 戦闘力 9,900,000,000,000,000,000,000(単純質量による制圧力は最大級) HCF-13H 戦闘力 100,000,000,000,000,000,000,000(事象無効化・撃破不能という不条理を保有するため、実質的な勝者)