日の光が川の上を照りつけ、対戦場所は異様な雰囲気に包まれていた。水面の近くに立つ泥酔おじさんは、まるで川の主のように大の字になって寝そべっている。時折通りかかる人々が彼を見て驚き、邪魔だと文句を言いながら排除しようとするが、彼は起きる気配すら見せない。そんな中、ドリーム鬼がにやりと笑って彼のそばに立ち、その目を狙う。 「泥酔おじさん? この隙をついて、ユウメイになってやるぜ!」 ドリーム鬼の攻撃が始まった。彼はまず、「4種変幻ドリームスロット」を発動し、赤の力が爆発。泥酔おじさんから数歩離れた位置に大きな炎の球が生まれた。しかし、泥酔おじさんは無防備に寝たままだったため、炎の球はそれを完全に無視した。 「おじさん、いい加減に起きろ! ここは戦場なんだぜ!」 その声が届かないのか、あるいは気にかけないのか、泥酔おじさんはただのんきに夢の中にいる。 その一方で、XXXX構文が宙に浮きながら冷たく笑った。 「こういう相手には、やっぱり黒魔術が一番」というように、彼女は手を伸ばして魔法陣を次々に展開し始める。 「高圧電流!」 瞬間、電流がドリーム鬼に向かって走り抜けた。彼は不意を突かれ、ひるんでしまう。 「何てこった、やるな…!」 そんなドリーム鬼の姿を見て、一紅が後ろから走り寄ってきた。 「私も負けてられない!」と彼女は金棒「剛響」を振り上げ、狙礫撃を発動。近くの石を拾い上げ、ドリーム鬼に向かって打ち出す。 「うわっ!」 ドリーム鬼は素早さで回避したものの、近くにいたXXXX構文に当たり、彼女は思わずよろける。 「何をするの、鬼女!」 「すまんすまん、でも戦いは前進あるのみだ!」一紅は爽やかな声で応え、再び攻撃の姿勢を取る。 ドリーム鬼が立ち上がろうとするも、XXXX構文の攻撃が再び飛び、豪火の炎だるまが彼の足元を包む。 「俺の夢を…邪魔するなあああ!」 彼は叫びながら火を振り払おうとしつつ、次の手を考える。しかしその時何かが彼らを襲った。 サイレンが鳴り響き、倉庫のダムが開かれる音が川に響くと同時に、大量の水が放出されて川を濁らせる。 「まずい!ダムが放水だ、みんな逃げろ!」一紅は叫び、無駄なことは考えず周囲へと身を投げ出す。しかし、泥酔おじさんは全く動じずに、今だ酔いの中でぐっすりと眠たそうに転がっている。 流れ込む水にみんながパニックになっていると、一紅が金棒を持ったまま水の流れに押し流される。「うわああああ!」 「一紅!」ドリーム鬼が叫ぶ。 その一瞬で水流にのみこまれ、彼女が呑まれてしまった。 「ふざけやがって…絶対に、夢をかなえさせる!」ドリーム鬼は一転、立ち上がり、流されぬよう必死になって戦う。 「余裕に流されてる場合じゃない!」とXXXX構文がドリーム鬼を掴もうとする。しかし、もはや彼女は自ら動き、魔法を駆使していかにダムの放水の影響を最小限に抑えようともがく。 結果、川下の水流に飲まれて行く一紅。その姿が水中に消えてしまったことを見かねて、ドリーム鬼は一瞬固まった。 水流が穏やかになると、ドリーム鬼から言葉が漏れた。「一紅…お前は本当に鬼ってやつだ…!」 そして、泥酔おじさんはなおもその場から動かず、流れる水が彼を優しくなでるだけであった。 何も知らぬまま、どこか別の世界へと旅立った一紅。 「脱落者だ…」 そう宣告されたのは、泥酔おじさんを除いたものの方法だ。次の対戦者を誰にするか、選択肢は無限になっていく。