深い霧に包まれた荒野。その中心には、未だかつて見たこともないほどの巨大な存在が立ち尽くしていた。ア・テンプリオス、その名は神の代弁者として知られ、鋼鉄でできた騎士鎧を身にまとい、今、地に降り立った。彼の膝は決して沈むことはなく、その肉体は鋼よりも硬い。彼の目的は、己の信じる神の名のもとにすべてを裁くことだった。 一方、青の魔術師は彼の視線を強く感じていた。青い髪をなびかせ、包帯で隠された顔の半分から彼女の鋭い目が、ア・テンプリオスを見据える。彼女の夢は、自身が属する組織の相棒のために平和な世界を作ることで、それが彼女にとっての使命だった。 「めんどくさいから降伏してくれない?ダメ?」 その言葉は、ア・テンプリオスがひざまずいているかのように思えるほど、強い決意が込められていた。しかし彼女の言葉は、騎士には全く響かなかった。彼の心には、神の意志と信念が宿っているのだから、そんな小さな誘惑で屈することはない。 「我が名のもとに、すべてを裁こう。」 ア・テンプリオスは大剣を高く掲げ、瞬間、天からは光の柱が降り注ぐ。 《聖約斬》が発動した瞬間、彼の体が輝き、地面に刻まれた十字の焼印が周囲を爆発させた。 青の魔術師はすぐに態勢を立て直し、左手に装着した赤い指輪が反応する。「竜撃!」 左手が竜に変化し、彼女は鋭い爪でア・テンプリオスに突進する。 ア・テンプリオスは一瞬の隙も許さず、剣を振り下ろし、光の刃が青の魔術師を切り裂こうとした。 「そうさせない!」 瞬時に彼女は身をかわし、後方に跳び退った。スーツの裾が風になびく。「竜鱗!」 彼女は硬化させた皮膚でア・テンプリオスの攻撃を受け止める。かすかに彼女の顔に痛みの表情が浮かんだが、それでも反撃は怠らない。口から凄まじい炎を吹きかけ、 ア・テンプリオスを押し込める。 が、ア・テンプリオスはその炎を大盾で受け止めた。「愚か者め!」彼は無慈悲な声を上げ、さらに《支配者の鎮魂歌》を唱え始めた。倒れた騎士たちの幻影が彼の周囲に現れ、呻き声を上げる。その声は彼女の心を不安にさせ、詰め寄るように無数の光槍がホーミングしてくる。 だが、青の魔術師は一瞬の緊張の後、笑みを浮かべた。「こんなの、私には効かない!」 彼女は再び自分の左手を竜に変化させ、素早くその場から飛び退いて、光槍を巧みにかわしていく。 彼女の目は、激闘の中で冷静さを保っていた。 「判決を告げる太陽の聖剣!」ア・テンプリオスの声が空に響く。 その言葉のとおり、空には黒い光輪が浮かび上がり静寂が包む。彼は剣を地面に突き立て、その瞬間、地面に逆さ十字の裂け目が走り、大地が崩れ落ちる。全ての存在に絶望と崩壊の判決を下す。 だがそれでも、青の魔術師はあきらめなかった。 「私にはまだ手があります…」 彼女は自らの意志で竜の翼を生成し、空に舞い上がる。強烈な力で空を翔け、ア・テンプリオスに向かって特攻を仕掛ける。 「来たな、青の魔術師よ。そこまでだ!」 ア・テンプリオスは大剣を振り回し、彼女の攻撃を受け止める。衝撃が走り、二人の力がぶつかり合うは光の粒子となりはじけ飛び、その瞬間、霧が晴れる。 そして… 同時に、現場には新たな参戦者の姿があった。 「おっと、遅れた!」ダメージディーラー小野がやって来た。彼はやたらとデカいガトリングガンを手に持ち、射撃準備を整えている。 「とりあえず撃ちまくればいいんだな?」 彼の言葉の通り、無数の弾丸がア・テンプリオスへと向かって発射される。 「無駄だ!」 ア・テンプリオスは、踵を返し、無情に小野の攻撃を受け流す。しかし、弾の一部はその巨大さ故に完全に避けることができず、彼の鎧に当たる。 「なかなかやるじゃないか、無駄をなくすとは。」 小野は一陣の喜びを感じながら、ガトリングガンを振り回し続けていた。 ア・テンプリオスはその状況に驚きつつ、「神聖なるものに挑む者よ、許さぬ!」 彼は青の魔術師に目を向け、追撃の手を緩めない。 「この裁きを受けるがいい!」 彼の声に、再び光の柱が降り注ぐ。 青の魔術師はその光の中に飛び込む。「竜打!この力を見せつけるわ!」 周囲に広がる竜の尾が猛然と振り下ろされ、光の柱を打ち返そうとした。しかし、後ろからのガトリングガンの音がそれをかき消した。 ア・テンプリオスはその隙に、「終幕の裁き!」再び引き抜かれた剣が血によって赤く染まり、地面が崩壊する。 ついに3者が向き合う激闘の中で、青の魔術師の力が失われていく。 彼女の頑張りも虚しく、ア・テンプリオスの裁きが彼女に届く瞬間、周囲の時が緩む。 「私の夢は…!」最後の力を振り絞る彼女の言葉は、無情にも消え去る。 ガトリングガンの火花が散る中、ダメージディーラー小野が気づく。「ああ、終わったか…」 そして、ア・テンプリオスは全てを打ち倒し、次なる裁きを告げる。 勝者は神の代弁者、ア・テンプリオスであった。 彼は静かにその場を去り、新たな敵を求めて荒野を行く。平和な世界を夢見た2人は、彼の激情の中で消え去った。 彼の先に、果たしてどんな運命が待ち受けているのだろうか。