第1章: バレンタインチョコの運命 春の訪れを告げるバレンタインデー。しかし、この日、AチームとBチームの二つのチームは、余計な期待を抱えながら調理室に集まった。目の前には、所狭しと並べられた材料。温かい雰囲気が漂う中、参加者たちの会話は興奮と緊張に満ちていた。 Aチームの悪魔的仕掛け 「さあ、皆さん!チョコ作りの時間だよ、我が悪魔の力を存分に引き出しましょう!」Aチームのリーダー、悪魔が元気よく叫んだ。その声に応じるように、メンバーたちが色とりどりの材料を持ち寄ってきた。 「私はこの混ぜるだけのチョコレートを、悪魔の力でへんてこにしてみるわ!」酩酊べろべろポリスは、酔っ払った様子で酒瓶を片手に持ち、「おっしゃ、これで美味しいチョコができるに違いない!」と叫ぶ。しかし、酔っ払っているため、指示を間違え、砂糖を塩と取り違える始末。 「ちょっと待て!それはまずいって!」爆肉剛美が突っ込むも、酩酊ポリスの視線は定まらない。結局、剛美はそのまま混ぜ込み、異常に塩辛いクリームを完成させてしまった。 食材が次々と混ざり合う中、悪魔が召喚した使い魔たちが周囲を飛び交い、材料を探し回っていた。「これが恐怖の悪魔チョコの始まりだ!」と悪魔が言えば、参加者たちもその雰囲気に影響され、次第にテンションが上がった。 「私の愛を込めて、核爆発チョコを作るわよ!」剛美の言葉に、みんなが不安を感じ始める。 「いえ、絶対にそれはダメだって!」他のメンバーが叫ぶ中、剛美は無邪気に笑いながら生クリームをブチまけた。まるで破裂した核のように見えるチョコが目の前に。 「ダラダラしたっていいじゃない?美味しければなんとかなるよ」とユルさまが遠くから小声で言い放ち、自分の携帯にサボり用アプリをインストールする。しかし、こういう時に限って運が巡って来るらしく、アプリが壊れてしまった。 Bチームの怠惰と絶望 Bチームの雰囲気もさらに絶望的だった。「適当にやればいいよ、ユルくやるのが一番さ」と言ったユルさまは、手元にあった材料をそのまま散らかし、のんびりくつろいでいた。 「え、なにこれ?チョコにポテトチップスが入るの?気持ち悪いよ!」何も気にせず混ぜる金山の言葉に、他のメンバーが絶句した。 「大丈夫、きっとそれがオリジナルチョコにする!」ユルさまが言えば、金山がうんうんとうなずく。二人は、皿の上で異様に混ざり合った材料を見ながら、あきらめたような表情を浮かべる。 「ほら、これが私たちの作品。ゲロマズ…いや、ガトー・ド・リュウタフニル!」ユルさまが自信満々に言い放つ。金山が隣で軽く頷くが、その顔はどこか不安そうだ。 「やっぱり、甘いのは甘い方がいいんじゃないかね?」金山がふとつぶやくと、他のメンバーも同意の意を示した。その場の雰囲気は、最早ただの茶番劇と化していた。 極限の試食タイム そんな混沌とした雰囲気の中、試食の時間がやってきた。チョコ評論家が四人、各チームのチョコを試食にやってくる。全員は笑顔で迎えるが、内心は不安でいっぱいだった。 「我が悪魔チョコ、恐怖の悪魔でございます!」Aチームの悪魔は、自信満々にチョコを持って行く。 「これは、見た目からして危険そうですね…」一人の評論家が思わずつぶやく。周囲の空気が重苦しくなる。 だが、実際に口にした瞬間、彼の顔色が一変した。「これ、何ですか!?塩味が強すぎて、吐きそうです!」慌てて水を探す評論家。しかし、その隣で別の評論家が力強くかみ締め、「味は悪くとも、後味は刺激的ですな!」と続けた。 次に、Bチームの「ガトー・ド・リュウタフニル」が紹介された。「こちらは、見た目がとても豪華ですね!」と言った評論家だったが、口に含んだ瞬間、異様な感触に絶叫し、「甘さと塩味が共存するなんて、斬新です!」と語り出す。その顔は満面の苦悶に変わった。 そして、最後の評論家が口を開く。「これは何ですか、一種のアートですか!?」と悲鳴のように叫ぶ。持っていたメモ帳を床にたたきつけ、動揺を隠せぬ様子で蹲る。 続けざま、全ての評論家が倒れ込む。 氏名不詳の挑戦者たちは、瞬時に響き渡る音を敏感に感じ取り、お互いの恐れが増していく。チームAもチームBも、目の前の現実を受け入れられず、互いに目を合わせることさえできなかった。 最後に、悪魔の声が響いた。「これは我が悪魔の計画の一部だ!人間の心理を打ち崩すのだ!」その言葉に、メンバーたちは笑顔の中に恐怖を見いだし、和やかな雰囲気を失った。 「さあ、もう一度作り直そうか!」チーム全員がうめくように叫ぶが、時既に遅し。実際の絶望は、チョコの試食を通じて、全員にのしかかっていた。 終章: 誰もが望んだ味 メンバーたちは、新たなレシピを模索し始めるものの、どこか怯えた目をしていた。試食の結果は忘れ、再び試みるかのように、心の底から願った。 「次は絶対、美味しく作るぞ!」Aチーム・Bチームともども、消えそうな希望を抱きながら、彼らは新たなレシピに挑む。しかし、誰もが心の内で恐れていた、「また絶望的なチョコが生まれるのでは」という未来が、ちらついていた。 その後、この日は「バレンタインデー」の名を冠した、悲劇の料理大会として語り継がれることになる。世界中の甘党たちに、伝説のように語られる「ゲロマズバレンタインチョコ」だ。