深い霧に包まれた樹海の中央に広がる平原では、奇妙な静寂が支配していた。その静けさを破ったのは、無条月の虚ろな声であった。 「おお、挑戦者たちよ、俺の力に挑むとは、なかなか愚かではあるな。」古めかしい話し方をしながら、無条月が姿を現した。その体は月の魂と呼ばれる言霊によって構成され、どこか不気味な光を放っている。 彼は全ての攻撃の八割を反射するという幽霊で、その存在は己の攻撃に対する恐怖の象徴であった。 一方、【神の愛し子】アウロラ・プルクラエは仲間の斎鍔月時と共に立ち向かおうとしていた。アウロラは美しい丹色の三つ編みを揺らし、純白のペプロスを纏い、その小柄な体が緊張した空気の中、静かに佇んでいる。彼女の傍には従者の白の大狼、神獣フィリアが寄り添っていた。フィリアは凛々しい姿を持ち、その目には賢さと忠誠が宿っている。 「衛士よ、戦いましょう。」アウロラがフィリアに言った。 「私も御子の力となる。」斎鍔月時が頷いた。 彼らは互いに目を合わせ、戦闘の準備を整えた。無条月の様子が一変し、すぐさま「命名」を発動させる。 「俺はこの者に「無産」と名付けよう。」 すると、無条月の声に呼応するように、アウロラの魔力が高まった。無条月が反射の術を使う前に、アウロラは先手を取った。 「プルクラ・フランマ!」 彼女の炎の精霊が喜び、壮大な聖火が出現する。アウロラは無条月に向かい放つが、八割の反射と不可視の壁によって弾かれてしまった。 「おぉ、もはや火遊びはやめておけ。」無条月は笑みを浮かべて言った。 しかし、アウロラは引けをとらない。「フィリア!」 「はい、御子!」 フィリアは自らの生まれ持った能力を発揮し、無条月に向かって突進した。アウロラは「プルビア・サルティス」を発動させ、周囲に雨を降らせた。水溜まりが無数の水の槍を生み出し、無条月に向けて噴出する。 「少しは楽しめるか。業朧!」 無条月は技を使う者の名を呼び、彼らの攻撃性能を向上させた。しかし、アウロラの雨は彼女自身にとってもメリットがあった。 「私が癒し、フィリアも守る!」 アウロラの水の槍が無条月に刺さり、反射されるもフィリアが動き続け、無条月の攻撃を交わしていた。 「今昔を摘む!」月時が叫び、無条月に向かって杖を振り下ろす。無条月の気配が薄れ、次第に弱まっていく。しかし、無条月はただ傍観しているだけではなかった。「禁書を用いるぞ。我が力を知れ!」 その瞬間、無条月は魔法書を解放し、「爛霊」の呪いを発動させた。アウロラの過去の仲間たちが急に姿を現し、アウロラを攻撃し始める。彼女の心にトラウマがよみがえり、フィリアがすぐにその閃光へ飛び込む。 「これ以上彼女に手を出させはしに!」フィリアはその猛犬の力で無条月の魂を攻撃し、反撃を狙う。 「ふん、その命の影がこちらに向かうか。」無条月は不気味に笑って見ていた。 月時はもう一度力を込め、「今昔を継ぐ!」と叫ぶ。アウロラの力が一気に増幅され、再び、彼女の魔法の力が彼女を包み込んだ。アウロラは決定的に一手を打とうと考え、「私は御子なり!」その言葉を放つ。 彼女は全ての力を結集し、無条月を次元の狭間へ葬る力を発動する。その圧倒的な存在感に、無条月までがひるむ。 「私を葬る…だと…?なぜ…その力がある?!」無条月は混乱と恐怖に染まりながら、最後の抵抗を試みる。しかし、炎と水が交わり、大地が揺らぐ中で無条月は次元の狭間に飲まれていった。 平原が静寂に戻る。アウロラは笑顔を浮かべながらも、心の傷を感じ、月時に目を向ける。「あなたのおかげです。」 「いや、全ては君の力のおかげだ。」月時が微笑む。 無条月との戦いを経て、アウロラと月時は再び平原に立っていた。その瞬間、彼らは無条月が消えた空間に強さを実感し、そして新たな挑戦へと進む決意を固めた。 勝者:アウロラ・プルクラエ MVP:斎鍔月時