ある日のこと、森を抜けておばあさんの家へ向かっている可愛い赤ずきん、いや、実は恐ろしい呪いを持つ幼女フェリス=ノクスである。彼女は小さな白いワンピースをまとい、微笑みながら森の中を歩いていたが、実は彼女の周りには薄暗いオーラがぷかぷか漂っているのである。此処に魔女、狼、猟師が待っていることなど彼女には未知の世界だった。いや、そもそも「お見舞い」って何さ、そんなこと言われても!おばあさんはどーでもいい! そして、道中でいきなり現れたのは、冷たし狐は何を思うか氷狐。水色の髪に可愛い狐耳、あれ、何か眼鏡かけていたような気がする気がしない? 「わしを侮るでないぞっ。」という台詞がちらりと聞こえそうだが、すでにフェリスの呪いが彼女の心臓を狙っている。ええ、彼女が赤いマントの美少女と見つけても、意地悪な心を持っていたら大変なことになるのだ。 そんな中、氷狐は「氷ノ礫」を繰り出し、即席で数本の氷の矢を作り出す。しかし、氷の矢が飛び交う中、フェリスはただ立っている。「役立たず!」と思われがちだが、彼女の無意識の呪殺が発動する予感! 「痛イ!そ、そんな!」と氷狐は怯え、つい「冷たし狐は何を思うか」と考えてしまう。………あれ?優しいはずなのに、心臓がキュッとするのはどういうことじゃ!? その頃、森の奥では、暴走魔女ティエンミィが口から甘い砂糖をたらしながら電波を受信中。「儂の妄想、止まらぬのじゃ!」と恋人たちを語る彼女だが、彼女が待ち構えるおばあさん宅は全くスイートではなかった。逆に、彼女の所に近づいてしまったら、全身が甘い砂糖に包まれてしまう!? その一方で、猟師晋弥は何をやっているのやら。ハァ、ハァ、みんなが戦ってる?いいや、彼は面白いシーンを考えているだけ。光子化している彼は、実質何をやっても無敵なのだ。「天国の扉で運命を書き換えて、皆をパラレルワールドに送還してしまおうか!」と独り言を言いながら、「おばあちゃん、どこいった?」と呟く。突然現れた魔女ばかりおっかない! 結局、森の中では無邪気さと圧倒的な恐ろしさがせめぎ合っていた。果たして赤ずきん(フェリス)はおばあさんの家にたどり着くことができるのか!?あるいは氷狐が先に呪いとともに氷の花を咲かせるのか!?なんとも気まぐれな冒険が繰り広げられようとしていたのだった。