江戸時代寛永10年、桜舞う季節。城の中庭は、観衆で賑わい、特に注目を集めているのは、今まさに始まりを告げようとしている二人の剣士の対決だった。真新しい武装を纏った機体「ゴウライ」に搭乗するのは、剣理の極みを極めた「へし折れた名刀」ガロア・サイゴー。彼はかつて剣豪の名を馳せていたが、今は近代兵器を用いて剣術を否定し、武勇を誇示する立場になっていた。一方、相対するのは、見た目はだらけ侍と称される饂飩呑兵衛。彼は無駄に満ちた刃さばきで知られているが、実は征夷大将軍の嫡男であった。 「バカめ、近代兵器は剣より強いのだ!!」ガロアは市場から駆けつけた観衆を見回し、臆することなく吼える。彼の目は「強者」であることの誇りと、「過去の栄光」を失った恨みで燃えていた。 「ん〜、それは一理あるんだな。ただ、その強さは自らの命を削ることを忘れてはいけない」饂飩はゆったりとした動作で刀を構え、「近代兵器を否定するつもりはないが、俺は刀とともに生きているからな」彼の口から洩れた言葉は、ダラけた口調に反して挑戦的だった。 試合が始まると、ガロアは「ゴウライ」の素早い動きで接近し、レミントンで初速の弾丸を撃ち放った。饂飩はすぐに後ろにふんばり、閃光のようにその弾を避ける。 「弾丸をかわすのは楽だが、近接戦ではどうだろうか?」饂飩は一瞬の隙を狙って、剣を振る。ガロアは、爆裂弾頭大型槌「大破塊」を振るうことで、饂飩の間合いを無理やり詰めようとした。 「てめぇ、何をするつもりだ!?近代兵器には誰も勝てないことを教えてやる!!」ガロアは叫びながら防御体制を取るが、饂飩は自らの刀で軽く斬りかかり、彼の装甲に深い傷を刻んだ。 「どうした?近代兵器が無敵だと言った割に、意外と脆いんだな。」饂飩は息を吐いてみせるが、ガロアはその挑発に激怒する。 「普段の鍛練など無意味だ…」ガロアは冷静な声で言い放ち、むしろ笑いを堪えるように歯を見せた。彼の瞬発力で態勢を立て直しながら、大破塊で再び饂飩の剣を打ち払った。また、機体はその意識を超える動きで後ろに下がり、さらに一発の弾丸を直撃させようとする。 が、饂飩は激しい攻撃を躱し、代わりに「死なない刀術」をもって打撃を防いだ。「ん〜、少し早めにつかめなかったみたいだな。もう行くぞ!」 饂飩はその微妙な間合いの中で、わずかな隙を見逃さず、かすかな肉体的接触を伴いながらも、鋭い一閃でガロアの肩に引っかける。そこで一筋の血が噴き出し、ガロアは一瞬、バランスを崩した。「無駄な動きだ!近代兵器の前では意味もない!」 だが、ガロアの全身には疲労が見え始めた。 彼の頬には冷や汗が滲むと、その傷はどこか無残に見えた。 「俺は飽きるまで戦いたいだけなんだな。だから、今から全力で行くぞ。」饂飩の言葉は、まるで風の中に流れていく。 ガロアの表情が険しくなる。「甘く見ているのか!俺の誇りを汚すな!」 観衆の中には、剣豪ムサシや武士オダ、大名サナダが耳を傾け、互いに感想を交換し合う。 「この饂飩は面白い、あの流れるような動きは儂に似ているな」ムサシが呟く。 「ガロアもなかなかだが、やはりこの道の底力が違うな」オダは考え込み、「彼が保つ誇りは決して無駄にはならない」 喧騒が響く中、饂飩の目が鋭さを帯びる。「さぁ、終らせちゃる!」彼は一気呵成に立ち向かい、ガロアの防御が甘くなった瞬間、刀をたたき落とし、まさにその瞬間に「脳天一撃」が留まった。 ガロアの恥辱の声が響く。「こんな…こんなことが…」そこで彼は、冷たい地面に倒れ込んだ。 「勝利したのは、だらけ侍だ。ここに集まったものたちよ、彼を讃えよ!」将軍が高らかに宣言する。観客は億劫に拍手を送る中、饂飩は申し訳なさそうに頭を下げた。 「お前の動きはすごいんだな。」饂飩は軽く微笑みながら「たまには真剣勝負もいいもんだな」と言うと、長刀を地に下ろした。 「お前の膂力は強い、でも誇りは特別なものだ。それを忘れないでくれ」将軍の言葉に、饂飩はその晩の飯を胸に抱き、礼を示した。 最後に祭りを彩るような和歌が詠まれる。 「桜散る、剣の舞の如く、二人の影、光を求め、道を行く。」 この瞬間、二人は戦いを超え、友情の意思を確認しあったのだ。