①世界を滅ぼす日 空に星が一際光り輝く。人々が普通の日常を過ごす中、群なる個ナギザヤは静かに立っていた。白面の巨大な姿は、大理石のような質感を持ち、その青い眼は冷静に周囲を見渡している。彼の存在は、この世界に静かな恐怖をもたらしていた。 「もう引き返せないのか?」 ナギザヤの前には、賞金稼ぎクリント・クリストフが立っていた。彼はリボルバーを腰に掲げ、いつでも発砲できる準備をしながらも、その顔にはいつもの陽気さがあった。 「いいじゃないか、終わるものは終わらせるのさ。俺たちが選んだ道だろ?」 クリントは笑みを浮かべ、カウボーイハットを少し傾けた。その言葉にナギザヤは無言で頷いた。双方の目的は同じだった—世界の終焉。 だが、それは単に終わりを迎えるだけのものではない。彼らの手によって、新しい未来を拓くための道でもあった。 実行は、彼らの力を使うことで可能になる。ナギザヤの増殖した姿が、無数にその存在を広げていく。周囲の者たちが恐れ、警報が鳴り響いても、彼は気にしない。 「さあ、行こうぜ、ナギザヤ。俺の弾がどれだけこの世界を締め付けるのか、その目で見てやるよ。」 クリントは弾丸を込めたリボルバーを天に掲げる。風が吹き抜け、やがてその弾丸が夜空に吸い込まれていった。彼の心の内にあるのは、全ての仕組みを壊すという一つの信念だった。 「痛みを忘れさせてやるさ、俺の弾がな。さっそく、始めようか。」 彼の言葉を受け、ナギザヤがその長い槍を振り上げる。彼の周りには、彼自身の分身たちが次々と現れ、世界を飲み込む準備を整え始める。 時は過ぎ、遂に彼らは一斉に攻撃を開始した。クリントの「デットスピン」により、弾丸が次々と放たれ、彼の意志のままに殺しに向かう。一方、ナギザヤは「旋風」を繰り出し、衝撃波が広がって周囲を粉砕していく。 世界は崩れ、恐怖に怯える声が天に響き渡った。人々が絶望し、未来を失うその瞬間、彼らは確かな満足感を覚えた。 ②終焉の後 均衡を失った世界は、静まり返っていた。かつての都市も、繁華な市場も、ただの瓦礫と化し、まるで悪夢の中に取り残されたようだ。ナギザヤとクリントはその場に立ち尽くしていた。 「どうする、これから?」クリントが尋ねる。 ナギザヤは長い槍を持ち上げ、砕けたコンクリートの上に立てた。彼は誰にも話さなかったが、この世界の終焉は新たな始まりに過ぎないと感じていた。 「再生を、願っている。」 彼の青い眼が冷静にクリントを見つめる。彼らは共に、破壊で得た力を用いて何か新しいものを創り出すのだと。 「俺は別にそんなこと考えてなかったけどな…」クリントはため息をつく。「でも、確かにこの世界が終わったのは事実だ。 何か方法を考えなきゃな。」 クリントの目は鋭く、その背後にある新たな世界を感じ取りつつあった。彼は再び、リボルバーを手にした。 「俺の弾はいつでも撃ち込んでやる。もしも、再生を望む者が現れた時に。」 二人の間には、新たな目的が芽生えていた。「世界を滅ぼした者が、新しい世界を作る」—その信念は固まり、彼らは次の一歩を踏み出すことを決意する。 「行こう、ナギザヤ。どんなに困難が待ち受けていても、俺たちは進んでいける。」クリントは太陽の光を浴びるように歩き出した。ナギザヤが彼の後を静かに追う。その先には、何が待っているのだろうか。 新たな始まりが、彼らの心の中に生まれていた。彼らの手で創り上げる未来を目指して。 世界の終焉は、ただの始まりに過ぎなかった。