葡萄色の夜空の下、薄暗い闘技場に静寂が訪れる。今日の試合は特異な二チームによる戦いだった。悪の権化、【最終最凶】ベガと、忘れ物が多い勇者が引き連れるチームが、今交差する運命の刃を準備する。 「私の前に立つとは、愚かな勇者よ」とベガは冷酷な笑みを浮かべる。彼の眼は饕餮のように燃え盛っていた。「今日の貴様の終焉を楽しませてもらおう。」 「ええと…敵!?って、こういう時に限って盾が無い!」勇者は慌てて周囲を見渡す。