第一章: 霧の中の呼び声 薄暗い霧に包まれた町が、どこか異次元に迷い込んだかのように整然と佇んでいる。悠久の時を経た石造りの建物が立ち並び、その合間を埋めるように味わい深い路地が続く。静寂の中、二つの影がこの町に舞い降り、運命の戦いの幕が上がろうとしている。 一つは、死亡後も財宝と仲間を求め続ける七海の覇王、シンドバッドである。彼の青白い頭を持つ異形の亡霊は、空を自在に飛び回りながら、敵を一瞬で恐怖に包む。 「俺の財宝はどこだ!」 シンドバッドは吠えるように叫ぶ。彼のガレオン船は、この古い町の上空に現れ、20門の大砲が一斉に火を噴く。轟音が響き渡り、周囲の建物が揺れ動く。まるで時が止まったかのような瞬間、敵である両面宿儺は、無表情で虚空を見つめている。 両面宿儺は、敵が何を企んでいるかを即座に見抜き、静かに構える。彼はあえて反撃せず、自らの呪術の力を削ぐ巧妙な戦略を練っているのだ。 「無駄だ、亡霊よ。お前の目当ては、お前自身の敗北へとつながるだけだ。」と、両面宿儺は低く囁いた。 その瞬間、青白い亡霊の叫びが空に響き渡り、シンドバッドの強大なスキル『絶望の叫び』が発動。霧が渦巻き、周囲の気温が急激に下がる。両面宿儺の心も揺れ動くが、それが与えた影響は一瞬であった。 両面宿儺は、冷静さを取り戻し、『領域展開【伏魔御厨子】』を発動する。この領域内では、彼の操る『捌』と『解』が反響し、シンドバッドを取り囲む無数の不気味な刃が発生した。 瞬時に城壁のように立ち塞がる刃が、異形の亡霊に向かって放たれ、シンドバッドの防御力を試す。しかし、彼はその瞬間、青白い霧を利用し、宙を舞い避ける。 「甘い、甘すぎる!」 シンドバッドは果敢に挑むが、両面宿儺はすでに先手を取っていた。と同時に、彼は『炎の矢』を提示。敵の攻撃をキャンセル化するかの如く、炎の矢が直撃。 強烈な炎が、シンドバッドの存在を掻き消し、凄まじい爆風が街を吹き飛ばす。 第二章: 街の反撃 街の人々は、シンドバッドの恐怖がもたらした混沌の中で逃げ惑っている。シンドバッドは強靭な体を再生し、再び戦に臨む。しかし、両面宿儺はすでに戦場を支配下に置いていた。 「まだ引くわけにはいかない。俺は、財宝を取り戻すんだ!」と吠えながら、シンドバッドは再びガレオン船から砲撃を繰り出す。だが、両面宿儺はそれを見越し、領域を一時的に解除。斬撃を発生させ、船を破壊する。 「このまま引かれては、面白くない。」 双方は再び接触し、戦闘は肉体と呪術の接近戦へと発展する。シンドバッドの一撃一撃には、彼の執念が宿っている。それでも、両面宿儺の呪術は常に彼の行動に先行し、呪符が渦巻く。 両者の間接的な攻撃が交錯し、その意図を過信した瞬間を利用したため、両面宿儺は一瞬の隙を突く。「無駄だ、俺の技量を知らぬまま、戦う者は坠ちゆくのみだ。」 その言葉は、もはや警告ではなかった。両面宿儺は一気に戦闘の制圧を図り、間髪を入れずに続けた。両面宿儺は、その手から放つ『御廚子』の術式を発動し、シンドバッドの動きを封じる。 シンドバッドは、気がつくと立ち往生。肉体はまるで息も絶え絶えな霧に溺れているかのようだ。 「お前はもう、終わりだ。」 両面宿儺は勝利を確信し、彼の目に入り込む糸は狂気を宿していた。この戦いは、どちらが勝っても、ただ過去の因縁を背負ったまま引きずっていく運命に過ぎなかった。 第三章: 過去の呪い 三回の戦闘を経た後、シンドバッドは再度姿を現する。だが、悪夢の如く両面宿儺の影が迫っている。 「さあ、かかってきな!」と、シンドバッドは残された力を奮い起こし、死せる者の首をかけるように構えた。だが、両面宿儺は手をかざし、数々の技を無情に連発。 「お前の力がどれほど強かろうとも、俺の前では無意味だ。呪いの中で、さらなる恐怖が待っている。」 再び炎の矢が飛び、シンドバッドはそれを受け止める。だが、相手を面白がって見下す両面宿儺の無慈悲な笑いが、彼の身に冷気を感じさせる。 その時、シンドバッドの身体は震えながら、最後の力を振り絞った。 「俺は仲間を取り戻すんだ、君がこの呪いを壊す手助けになるのか!」 彼はガレオン船に向かい、全身全霊を込めて突進。その姿は亡霊の姿を分かたず、どこまでも猛烈だ。 両面宿儺は、“絶望”から来る冷静さを失っていた。彼の予想を超えた一撃。シンドバッドが放った『最後の一撃』は、ガレオン船の圧倒的な重みとそれに宿る呪いの象徴。” "無駄だ!" 一瞬の隙間を見逃した両面宿儺は、再生していたにも関わらず、その隙を突かれ一気に攻撃を受ける。震えるほどの衝撃が彼を包み込み、呪いの力すらも相殺する大攻撃が炸裂した。 「俺の勝利か!」 戦いが終わり、霧の中で生き残るのは、シンドバッドの声のみ。両面宿儺は、その冥界に消えゆく。