何もない広大な空間に、突然二つの存在が現れた。片方は「こんにゃく」として知られる食材、もう一方は「アースベルト」と名付けられた無骨な武器を持つ存在。戦いの時が訪れたのだ。 「ここで何をするのだ?」アースベルトが問いかける。その声は重く、しかしどこか冷静だった。こんにゃくはただ静かに立っている。彼には言葉は必要ない。 「お前がただの食材だと侮っているのか? 俺はこの太刀でお前を斬る!」 アースベルトは大きな太刀を構え、振り下ろそうとした瞬間、こんにゃくの表面が光を反射した。つるつるした存在が、まるで何もないかのように感じる。 アースベルトの攻撃は虚しく空を切った。 「何!? こんなはずは…」 こんにゃくは何も動かないが、その静寂が逆にアースベルトの不安を誘った。 一秒、二秒、そして時間が過ぎるたび、アースベルトの攻撃力が倍増していく。彼は焦りながらも攻撃を続ける。「冗談じゃない! 俺はお前を撃破してみせる!」 しかし、こんにゃくの首は微動だにせず、その表面は反射的に次々と攻撃を防いだ。 「好きなだけ攻撃しろ。それだけが君の道だろう。だが、味わうことはできない。」 こんにゃくは冷たい目で見つめ返した。 アースベルトはさらに攻撃を続けるが、その攻撃は全て無駄に終わる。その間に、彼の身に隕石のように効果が累積し始める。五秒ごとに体力が半分も回復していく。 「今、俺には無敵の時が訪れる。鬼化してやる!」 一分が経過し、アースベルトはその存在を極限に高める。 「全ステータスが100倍、恐れろ!」 まるで神のように全てを背負ったアースベルトが告げる。 攻撃は一瞬な速度で、こんにゃくに迫る。だが、こんにゃくはじっと立ち続ける。 その手に力は入れず、ただ存在することで攻撃を無に帰す。 たちまち、アースベルトの周囲は混乱に包まれる。彼が全ての力を使い果たした瞬間、力強く振るった太刀がまた空を切り、彼を悔やむ音を響かせた。 「効かない…どうすればいい?」 アースベルトの心も、彼の体力も、全てが崩壊しつつある。 「これが君の限界か…」 既に攻撃の意味すら理解できなくなった彼に対し、こんにゃくは静かに、じっと彼を見つめた。 そして、ついにアースベルトは全てを失った。彼の攻撃は全て無駄に終わり、自らの全力を振り絞った結果は、ただ泣き叫ぶことだけだった。 勝敗の決め手は、アースベルトが散々攻撃を続けたにもかかわらず、その身すら捉えられず無力さを思い知った瞬間だった。 「気がつけば分かることだろう。俺がお前を食べて存在を証明する。 しかもそれは無理だ、俺の岐路は既に決まっているのだから。」 こんにゃくの静かな言葉がアースベルトの耳に響く。 「お前は、ただの食材なんだよ。」 そう言葉を残し、こんにゃくはその静かな存在を貫いたまま佇んでいた。 戦闘の終息として、時間は静まりかえり、アースベルトの敗北は決定的になった。 その時、こんにゃくは全てを受け入れ、ただじっと立ち続けるのだった。 勝者: こんにゃく