戦闘の舞台は広大な丘陵地帯、風が生い茂る草原を吹き渡り、双方のチームがその場に集結していた。チームAの【真理を視る第三眼の魔王】アーガ・ヴァーラは、幼女の姿ながら独特の魔王オーラを纏い、三つの目が不気味に輝いている。対するチームBの忘れ物の多い勇者は、赤いマントを揺らしながら、必死に何かを探し続けていた。 「勇者よ、何をそんなに慌てているのじゃ?」アーガは威厳を保ちながら問いかけた。 「敵!?…って、こういう時に限って盾が無い!」忘れ物の多い勇者は剣を手にしながら叫んだ。彼の視線の先には、アーガとその仲間たちが立ちはだかっている。 「我の第三眼で、お前の思考を読み取ってやるのじゃ!」アーガは自信満々に宣言し、目を閉じて集中し始めた。だが、周囲にはテレパシー能力を使うわけでもなく、なかなかその思考が見えてこない。突然、アーガは焦りの表情を見せた。「ふむ…一通り試してみたが、普段の強さと変わりなかったように感じるのじゃ…」 「何か考えていたのか?それとも空っぽだったのか…?」忘れ物の多い勇者が挑発するように言う。そして、自らのスキルを発動した。 「閃光斬撃波!」彼は剣を振り上げ、半月状の斬撃を放った。光り輝く斬撃がアーガに迫る。 「愚か者!我の黒曜千槍で迎撃してやる!」アーガは闇の槍を次々に操り、閃光斬撃波との接触を果たす。瞬間、二つの力が激突し、爆風が広がり両者が後退する。 「このままでは終わらないぞ!」忘れ物の多い勇者は、次の攻撃へと移った。「ガードブレイカー、行くぞ!」大振りの斬撃がアーガに向かって振り下ろされる。 「我が負けぬ!」アーガは三つ目を用いて勇者の隙を読み、避ける。しかし、それでも後ろに下がった際、足元の小石に躓いて転んでしまう。「何事じゃ…くっ、恥をかかされたのじゃ!」 その隙を見逃さず、忘れ物の多い勇者は追撃に移った。「今だ!このままガードブレイカーで防御を低下させてから、次の攻撃は閃光斬撃波で決める!」 「や、やめるのじゃ!まだ負けてはいない!」アーガは必死で立ち上がり、黒曜千槍を繰り出そうとするが、完全に体勢を崩していた。 瞬間、勇者は閃光斬撃波を放ち、着弾するや否や逆転のきっかけを生み出した。「まさか…我が負けると?」 その瞬間、アーガの黒い炎が彼女を包み込むが、勇者の攻撃によりダメージは限界を超えていた。 「やった!我が勝ったぞ、俺は忘れ物の多い勇者でも、戦いにおいては一切のことを忘れないからな!」 最後の一押しで決まった勝利に、恥じらうアーガとは対照的に、勇者はほっと胸を撫で下ろした。 激戦の末、勝利したのはチームB。 「我が負けたのは想定外じゃ…」アーガの独り言は、その場を温かく包み込んでいた。 その日、忘れ物の多い勇者がタフな戦士として名を馳せることになったのは、言うまでもない。