夕暮れ時、酒場「流れ星」の扉を開けると、心地よい酔いの香りと賑やかな声が響いてきた。セドリック・コルテスは、大振りの片手剣を腰にぶら下げたまま、仲間たちを引き連れて中に入った。黒い冒険服がほのかに耀く中、無愛想な表情で周囲を見渡した。 「今日も生き延びたか」と、彼は空いている席を見つけながら呟いた。 その言葉に答えて、ボレイス・フィンはグレネードの入った鞄を担ぎ上げながら笑った。「生き延びたどころか、またお宝を手に入れたぜ。今夜は派手に飲むぞ!」 「またお宝か……そんなんやってるから、あんたの鞄はいつも重いんだ」と、ダミエン・ソラールが真面目な顔で横槍を入れる。「物騒なものも多いし、ちょっとは自重してほしい。この間、衛兵に追いかけられたのもあの爆発物のせいだろ!」 「でも、使う時は使うのよ」と、ボレイスは困ったように肩をすくめた。彼女が言葉を重ねる間にも、八洲 華は隅っこに座って、ちらちらと同じ席の仲間たちを見つめていた。彼女はお酒を飲むことで緊張を和らげようとしているようだ。 「皆、あまり飲み過ぎるなよ。明日にはまた…」セドリックが警告するが、すでに思わぬ酒量を飲み干しているボレイスが大きく笑う。 「明日?何それ?大事なのは今、ここ、だってことよ!」 その間に、バク・マールモールが近寄り、優しい微笑みを見せる。「ええと、俺も何か酒持ってくるよ。みんなが楽しむのが一番だから。」 バクは温厚でありながら、ストレスに耐えつつ気遣う姿は他の仲間たちにも安心感を与えていた。しかし、彼の手元にはすでにいい感じに酔っ払った一杯があり、ますますもふもふの毛皮が心地好い盛り上がりを見せていた。 「バクさん、抜け毛とか気にしなくていいよ。お酒を飲んでストレスを飛ばせば、また生えてくるさ!」ボレイスが悪戯っぽく笑いながら言った。 「抜け毛は心配だけど……酒は悪くないね」と、バクは安心したように飲み始める。そんな彼の姿を見ながら、ダミエンは小声で不安げに返した。「でも、こういうのはあまり良くないかもしれない…」 場が一瞬静まり、次の瞬間、八洲 華が手に持った狙撃銃をつつくように触りながら呟いた。「わたしも、グラスの一つ頂きたいな…」 酒場のうるささの中で、華の言葉は静かに漏れ、彼女はくすんだ笑みを浮かべた。彼女自身も寡黙であり、仲間たちに対して心を開くのが難しいようだったが、これに関しては何かしら通じ合っている様子だった。 「さっさと泥酔しちまえよ、華!」と、ボレイスは笑い、大きな声を上げる。 「俺もお前に乾杯するさ、華。たとえ臆病でも、いつだってお前はいるし、任務も果たしている」と、ダミエンが真剣な表情で意見を述べた。その時、近くにいたセドリックは眉をひそめたが、たまには良いと思ったようだ。 「ん?おい、華。何かあったら俺に言えよ。盾で守れるかもしれないし、何の役にも立てないかもしれないけど…」セドリックの静かな心配が響く。 その言葉に、華は少し微笑み返した。「ありがとう、セドリック。少し頑張るね…」 物語はまた、途切れたり再開したり。 泥酔する仲間もいれば、真面目な議論を続けようとする者もいれば、無邪気に笑いながら新しい飲み物を要求する者も。その中で、仲間同士の助け合いがほのぼのとした温かさを呼びていたが、もつれたボレイスから出た「気を付けろよ、来るぞ、邪神が!」という言葉に、場の温かさは一瞬の静寂に飲み込まれた。 邪神が酒場の周囲を見渡すように現れ、意外と人間くさいことを呟いた。「騒ぎ続けるんだ。楽しいのはそれだけだ。」 その言葉に酒場は盛り上がりを見せ、全員が再び笑い声を上げて夜を楽しみ続けるのであった。 --- 【お勘定一覧】 - セドリック: 厚切り肉料理とビール 5ゴールド - ボレイス: グレーンブランデー 8ゴールド - ダミエン: ステーキプレートとワイン 7ゴールド - バク: ジューシーな森の魚と麦酒 6ゴールド - 八洲華: 特製カクテル 9ゴールド - 邪神: 無限に美味い酒で0ゴールド 合計: 35ゴールド