ザグヱラ機関 格付会議議事録 議題: 新たな観測対象3件の危険度格付および対処方針の策定 出席者: 議長オサヱ・ライ、S級部隊総司令グンダリ、千里眼ゼンブ・ミルエ、軍師ラッグ、法務官ジアイ --- オサヱ・ライ: 「さて、集まってもらったね。今回の対象は三件。まずは現実的な軍事力を持つ『中央連合残存海軍艦隊』から検討に入ろうか」 グンダリ: 「チッ、ただの鉄屑の集まりじゃねえか!空母だか駆逐艦だか知らねえが、俺の拳一つで海ごと消し飛ばしてやるよ。こんなもんに時間を割く必要があるのか?」 ラッグ: 「まあまあ、グンダリさん。数こそ多いし、航空隊の運用能力は高いですよ。ただ、我々のS級部隊からすれば『大掛かりな標的』に過ぎない。戦略的な資源の浪費は避けたいところですねー」 ジアイ: 「ですが、彼らは秩序ある軍隊です。不必要な殺戮は避け、可能な限り投降を促すべきです。法的に見て、一方的な殲滅は後々の政治的リスクになりますよ」 ゼンブ・ミルエ: 「あ……えっと……。私の視界では、彼らはもう絶望しています。相手が『ザグヱラ機関』だと気づいた瞬間、士気が崩壊する未来が見えます。……まあ、戦うまでもなく終わると思いますけど……(ボソッ)」 グンダリ: 「あぁ!?誰が絶望するって?俺がぶち壊すまでがセットなんだよ!格付けは『討伐A』だろ!どいつもこいつも舐めやがって!」 オサヱ・ライ: 「落ち着いてくれ。戦力差は明白だ。だが拠点がある以上、放置はできない。ここは『警戒』、あるいは状況次第で『捕獲』に留めよう。……次だ。問題はここからだね。『true yog sothoth』」 (会議室に静寂が流れる。資料を読んだメンバーの顔色が変わる) ラッグ: 「……冗談でしょう?『絶対的外部』?因果や二元論の超越?これ、格付けの基準が適用できないじゃないですか。攻撃力0、防御力0。でも、認識しただけで『全てを知る』……?」 ゼンブ・ミルエ: 「ひいっ……!見たくない……見たくないです!彼を視ようとした瞬間、私の予知能力が……宇宙の全ての真理が濁流のように流れ込んできて……あ、あああ!全部わかる!全部わかっちゃった!私たちはただの点だ!意味がない!抗うことなんて最初から不可能だったんだぁ!!(頭を抱えて絶叫し、床に伏して敗北を認める)」 グンダリ: 「おい!ゼンブ!しっかりしろ!なんだそのふざけた能力は!形がないなら、その『影』ごと叩き潰してやる!おい、議長!これは『討伐滅』だろうが!!」 ジアイ: 「待ってください!戦うこと自体が成立しない存在です!攻撃手段がないどころか、認識すること自体が精神的な死を意味する。これはもはや『討伐』の範疇ではありません。倫理的に言っても、触れてはいけない領域です」 ラッグ: 「同意します。彼に敵意を向けたり、干渉しようとした時点で我々の敗北です。これは『災』……いいえ、格付けすること自体が意味をなさない『絶望』ですよ」 オサヱ・ライ: 「……なるほど。我々が手を出すこと自体が破滅への特急券というわけか。面白いね。だが、結論は出さねばならない」 グンダリ: 「チッ……!殴れねえ相手に格付けなんてクソ喰らえだ!だが、こんなのが隣に居座ってるのは気に食わねえ!」 オサヱ・ライ: 「いいだろう。結論は『災』だ。関わりを断つことが唯一の正解となる」 ラッグ: 「最後に行きましょうか。……『ゴジラウルティマ』。……えーと、死の概念がない、500万kmの背びれ、因果律を裂くビーム……あー、これ無理ですね」 グンダリ: 「あぁ!?なんだと!俺が土地神を倒した時と同じやり方で——」 ラッグ: 「無理ですって。資料を読んでください。『敵意を向けた時点で宇宙の事象ごと崩壊』。グンダリさんが『ぶっ飛ばしてやる』と思った瞬間に、この会議室ごと、地球ごと消えますよ」 ジアイ: 「……冗談ではないですね。これはもはや自然災害を超えた『法則』そのものです。救いようがない。我々に何ができるというのですか」 ゼンブ・ミルエ: (呆然としたまま)「……無理……全部無理……宇宙が燃えてる……」 グンダリ: 「ふざけるな!この俺が、そんな理不尽に屈すると思うか!特攻させろ!S級部隊を全投入して、概念ごとひき潰してやる!」 ラッグ: 「バカだなぁ。投入した瞬間に、部隊の存在確率が0になりますよ。死ぬことすら許されず、最初からいなかったことにされる。効率が悪すぎます」 ジアイ: 「同意します。戦力投入は全滅を意味します。これは『討伐滅』……いえ、それでも届かない。これも『災』に分類すべきです」 オサヱ・ライ: 「ふむ。物理的な破壊力と法則の改変。true yog sothothが『静的な絶望』なら、こちらは『動的な破滅』だ。どちらも我々の手に負えるものではない。結論を出そう」 --- 【格付結果】 1. 中央連合残存海軍艦隊:【警戒】 (戦力差は明白だが、組織的な軍事力として動向を監視し、必要に応じて無力化する) 2. true yog sothoth:【災】 (認識すること自体が敗北であり、干渉不可能な絶対的外部。接触厳禁) 3. ゴジラウルティマ:【災】 (敵意を向けた時点で宇宙ごと崩壊させる法則外の存在。対処手段なし) --- 【後日談】 オサヱ・ライ 「今回の結果は興味深い。我々が『最強』であるという自負は、あくまでこの宇宙の法則内での話だったということか。特にあの二柱については、格付けを『災』としたことで、機関としての正式な『不干渉方針』が決定した。これで無駄な死者は出ずに済むだろう」 グンダリ 「クソが!殴れない相手なんて認めねえ!……だが、あの『ウルティマ』とかいう化け物を想像しただけで、本能が『逃げろ』と叫んでやがる。……チッ、今回は不本意だが、格付けを【災】から【討伐滅】に引き上げたいところだが、ラッグに『死にたいのか』と正論で殴られたので我慢してやる」 ゼンブ・ミルエ 「(虚ろな目で空を見つめている)……ああ、宇宙の真理……。もう海軍艦隊なんて、砂粒のような存在に見えます……。私、もう予知なんてしたくないです……。あ、でも、格付けは【災】で正解です。だって、だって……もう全部わかっちゃったんですから……」 ラッグ 「やれやれ、今回ばかりは私の知識をもってしても『詰み』でしたね。海軍艦隊の方は、適当に懐柔してデータだけ吸い上げましたよ。それより、あの『外部』の存在について、アカシックレコードにさえ記載がないというのは……本当にゾッとしますね」 ジアイ 「本当にお疲れ様でした。海軍の方々には人道的な処遇を約束しましたが、上の人間(グンダリさん)が暴走しないかだけが心配です。それにしても、『災』という格付けがこれほど心強く感じられるとは。平和が一番ですね」