広場には静謐な空気が漂い、周囲の人々は戦いの風景から目をそらすことができなかった。中央には、八代目女王エイラが穏やかな笑みを浮かべ、彼女の周囲には氷の騎士たちが控えている。一方で、神野露伴は不敵な微笑みを浮かべ、彼の手には一本のペンが握られていた。彼は小説家としての感性を生かしながら、魔術師としての力を発揮する準備を整えていた。 「勝負!」というエイラの声が広場に響くと、彼女は一瞬で氷の騎士を召喚した。氷の騎士たちはエイラの命令を受けて一斉に神野露伴に向かって突進する。 神野露伴はペンを空に向かって振るい、鋭利な線を描いた。直後、空には鉄壁のバリアが光を放ちながら形成され、氷の騎士たちの攻撃を受け止める。歓声と悲鳴が入り混じる中、バリアは無傷のまま騎士たちの攻撃を防いだ。 エイラは眉をひそめ、次に氷の魔法・連弾を発動させた。五発の氷の玉が一斉に神野へ向かって飛んでいく。 「いいね、いい展開だ」と神野は微笑みながらペンを振るった。今度は彼の前に絵を描くと、瞬時に現れたのは彼が呼び出した「姫と騎士長」の騎士団だった。 騎士団は連弾の氷の玉を次々に受け止め、その場で消し去る。広場が再び静寂に包まれる。エイラはすぐさま次の手に移ろうと、スパインの魔法を発動させた。 地面から氷のトゲが次々と生え、神野の足元を狙う。しかし神野は一瞬でペンを振り、槍の壁を作り出してトゲを防いだ。「君の小細工には限界がある」と神野は告げた。 エイラはさらにオガティを召喚し、雪の大猿が巨大な音を立てながら出現した。大猿は驚くべき力で神野に向かって突進していく。 「それに対して、私はこちらを用意させてもらうよ」 神野は再びペンを振り、周囲の空に「1%の奇跡」を描いた。神秘的な槍が現れ、神野の周囲を取り囲む。槍は大猿に向かって飛び出した。 大猿は氷の腕を盾にして槍を受け止めたが、その代わりに周囲の氷の破片が散乱していく。エイラはその姿に焦りを感じ、さらに「氷の煌めき」を発動させて神野へと放った。 氷の粉が爆発し、神野の周囲を占拠する。だが、神野はペンを空に描き、新たな事象を呼び起こした。「英雄流の添削」と呼ばれる彼の技は、機械槍を変形させ、強力なレーザーを発射する。 その光は氷の粉塵を粉砕し、女王エイラに直撃した。彼女は思わず後退り、衝撃によりバランスを崩してしまった。 「動きが鈍くなってきたね、女王」と笑う神野。エイラの顔には汗が流れ、彼女は強くなる意思を胸に秘める。 最後の手段、彼女は「君の人生になりたい」を発動する。彼女の槍が万年筆に変貌し、一つの物語が紡がれ始める。その物語は彼女に希望を授け、神野を光で包み込もうとする。だが、 「そんなものは無意味だ」と神野はペンを一振りした。パレットの上で色が変わり、彼は新たな物語を描き始めた。「傍観者」という魔法を用いて、彼はエイラの物語を吸収する。 エイラの攻撃は一瞬で中和され、彼女は驚愕の表情を浮かべた。神野は一歩前へ出て、ペンを高く掲げる。「番外編、終わりだ」「終わりだ」と神野の言葉に、エイラの氷による分身は消え去っていく。 無数の分身が雪の中から舞い上がると、エイラは何もできずに見守るしかなかった。すべての存在が神野露伴の思うがままに消え去る中、彼女は両手を前に出し、抵抗したい心と思いは虚しく散っていった。 「これが現実」神野の声は冷たく響く。 「戦いは終わった。」 広場は静まりかえり、エイラは立ち尽くす。彼女はかつての幻を背負って、ただそこにいるしかなかった。 神野露伴は理解した。彼の能力と作品の力がすべてを支配するのだ。彼はその事実に満足し、勝者として穏やかな笑顔を浮かべた。 「私は勝利を収めた。私の物語は続くだろう。」 その瞬間、勝者の名が広場に響き渡る。 --- 勝者:神野露伴