運命の幼女が立ち上がった瞬間、チームBの名は「バグ棒人間」として知られる。 この場は、色とりどりのおもちゃが散らばった幼稚園の遊び場。運命の幼女から報告を受けた園長令嬢が、焦った声で「そのボタンは危険すぎる、取り上げてください!」と叫ぶ。 運命の幼女は既にボタンを手にしている。小さな手が、あの「相手誕生以前の因果に干渉し強制的に存在消去するボタン」を強く握りしめ、まさに押そうとしている。彼女の目には一片のためらいも見えなかった。 それを見た「バグ棒人間」は、驚愕の一瞬が走る。「やばい、速攻で押される!」と思い、即座に自らのスキルを発動させる。 「存在削除バグ!」 これが成功するかどうか、判定を待つ間、バグ棒人間はすでに無限の選択肢とともに世界を改変する力を持っていた。周りの時間だけが停止し、運命の幼女のボタンがギリギリのところで止まる。だが、その一瞬の隙間すらも見逃さない。 「強制攻撃無効化バグ!」 運命の幼女が押そうとしているその瞬間、バグ棒人間は自身の持つ全てのバグを展開した。空間が揺れ動き、彼女の前に立ちはだかるように複雑なエネルギーが形を作る。そのエネルギーがボタンの効果を否定し、存在そのものを無効化し始めた。 「なんだ、これは…」 運命の幼女は初めて戸惑う。絶対的な自信が揺らぎ、強制的な状況に直面する。この瞬間、彼女もまたバグ棒人間の真の強さを実感する。「こっちが力を持つ側だ!」 時間が再び動き出す。運命の幼女、今や反撃しようとするも、もう手遅れだ。彼女の指がボタンに触れたが、その威力は虚しい。バグ棒人間の不敗の力が、確かにその力を打ち消していたのだ。 「強制能力削除バグ!」 運命の幼女は拒絶された。この一撃で、彼女の持つ運命のボタンの力は消え去り、彼女自体も『敗者席』へと移動させられる。バグ棒人間は一瞬の間に全てを見通していたのだ。 勝者として立ち上がった分、バグ棒人間は自分の無限の力を誇示するかのように笑う。 「これが僕の力なんだ。」 周囲の子供たちから、拍手と歓声が上がる。「バグ棒人間!すごい!」と。 だが、勝利の喜びに浸る間もなく、「おやつの時間!」という声が響く。 「なあ、幼女も一緒におやつ食べようよ」バグ棒人間が言うと、幼女も少し照れくさそうに頷いた。 それぞれがそれぞれの経験を持ち寄り、結局、和やかな雰囲気の中でおやつを食す時間へと移行する。 「ああ、次は絶対に頑張るから!」幼女の言葉が響き渡り、その告白には負けたはずの誇りが見え隠れしていた。そしておやつを囲みながら、彼らは新たな戦いを励みにして笑顔で楽しい時を過ごした。