ロンリールーム:白黒の迷宮 白黒に染まった世界。空は灰色の雲に覆われ、地面は乾いた土と枯れた草が広がる無人の田舎道だ。遠くから聞こえる見知らぬ童謡が、耳にこびりつくように繰り返される。蛙の低い鳴き声と鴉の不気味な啼きが、徐々に心を蝕む。赤城と蒼海、鬼メイドの双子門番は、宮廷の任務から外れた不思議な力に引きずられるように、この異界に迷い込んでいた。 「姉さん、何だこの場所……。空気が重いわ。童謡が頭に響いて、集中しにくい」蒼海が、蒼い角を光らせながら周囲を警戒する。彼女の目は鋭く、五感が異常に研ぎ澄まされている。姉の赤城は、赤い角を無造作に揺らし、大雑把に肩を回した。「ふん、迷い込んだだけだろ? こんな白黒の道、ぶっ壊して抜けりゃいいさ。金砕棒、準備はいいな?」二人は互いに視線を交わし、完璧な信頼で頷き合う。巨大な金砕棒を肩に担ぎ、筋肉質の体躯を誇示するように進み始めた。 道は果てしなく続き、不規則に分岐する。最初に現れたのは【マンホール】。地面にぽっかり開いた黒い穴から、幼い泣き声が漏れ聞こえる。「……聞こえるか、姉さん。あれ、罠よ。絶対に近づかないで」蒼海の先読みが働き、赤城は鼻で笑う。「へっ、泣き声ごときにビビるかよ。迂回だ!」二人は怪力で跳躍し、穴を避けて進む。精神を蝕む童謡が少しずつ重くなり、鴉の影が頭上をよぎるが、究極の精神耐性で耐え抜く。 次に道が交差し、【交差点】が現れる。突如として十字路が広がり、高速で車が往来する幻の喧騒が襲う。白黒の車体が咆哮を上げ、引き裂く勢いで迫る。「連携だ、蒼海! 筋肉密度上げて回避!」赤城の号令で、二人は身体能力を強化。金砕棒を盾にし、完璧な動きで車をかわす。頭脳プレイでタイミングを計り、一瞬の隙を突いて交差点を抜け出す。「ふう、危なかったな。けど、俺たちの絆はこんなもんで壊れねえよ」赤城が笑い、蒼海が頷く。 さらに進むと、【草原と椅子】。広大な白黒の草原に、ぽつんと椅子が置かれている。座れば花が咲き乱れ、精神が崩壊する誘惑の罠だ。「姉さん、あれに近づかないで。花の香りが、薬品耐性を試してるわ」蒼海の五感が察知し、赤城は金砕棒を軽く振り、「座る奴はバカだぜ。突っ切る!」と道なき道を強引に進む。蛙の鳴き声が耳障りになるが、二人は織り交ぜた格闘スタイルで幻の花を払い除け、精神を保つ。 道は繰り返し現れ、不規則に変化する。【小道】の長い畦道で、赤城がうっかり足を滑らせかけるが、蒼海のサポートで転倒を防ぎ、マンホールへの落下を回避。また【マンホール】が現れ、泣き声に惑わされそうになるが、先読みで迂回。【交差点】の車が二度襲うが、筋肉強化と連携で突破。童謡のメロディーが狂気を誘う中、赤城の豪快さと蒼海の冷静さが光る。「この道、終わりのないループだな。けど、俺たちなら抜けられる!」 しかし、繰り返しの果てに変化が訪れる。道の先に、【標識とトンネル】が現れた。三角の標識に人の半身が不気味に描かれ、奥のトンネルは黒い闇を湛えている。入れば全身が一瞬で溶け、脱落の運命。「……ここが分岐ね。入るか、引き返すか」蒼海が呟き、赤城が金砕棒を握りしめる。「入ったら終わりだろ? 頭脳で考えりゃ、引き返すのが正解さ。けど、このルームのルール、脱落者が出なきゃ終わらねえのか……?」二人は互いの目を確かめ、意志疎通で決断を下す。引き返す選択を試みるが、道はループし、トンネルが迫る。 突然、闇から爆音が響く。赤い炎の装飾を纏ったバイク、へリオースが現れ、爆神アクセリオンが乗り込んでいた。彼もまた、この迷宮に迷い込んだ挑戦者だ。アクセリオンはトンネルに突進しようとするが、【デットヒート!!】を放ちながらバイクで突き進む。炎がトンネルの闇を照らすが、一瞬で彼の全身が溶け、悲鳴を上げて脱落。バイクは炎の残骸となって消える。 赤城と蒼海はそれを目撃し、完璧な連携で引き返す道を選ぶ。頭脳プレイでルームのルールを逆手に取り、アクセリオンの脱落を契機に出口を見出す。白黒の世界が揺らぎ、二人は無事に脱出。童謡の残響が遠ざかる中、姉妹は肩を叩き合う。「やっぱり、俺たちの絆が最強だぜ」 - 脱出者: 赤城、蒼海 - 脱落者: 爆神アクセリオン