日が沈むにつれ、決戦の舞台である広大な闘技場が静寂に包まれていた。周囲には観衆が詰めかけ、息を呑みながら試合を見守る。チームAとチームB、両チームは互いを見据えながら己の実力を試す準備を整えていた。 「さて、やるか、ディラン」とルルシェは、青白く輝く勇者の剣を持ちながら、隣に立つディランを見上げた。 「ふん、無駄な優しさに意味はない。ただ攻撃するのみだ」とディランは冷淡に答え、巨大な片手剣『紅蓮華』を地面に刺して威圧感を漂わせていた。 その時、向こう側のチームB、フィリはそのクールな目でキュリオシティを見て言った。「お前の指示で動くぞ。雷雲を起こしておけ。」 「わかった。だが、気をつけて。彼らはただの戦士じゃない。」キュリオシティは眼鏡を直して言った。それに対しレイは笑みを浮かべ、「闇夜の時がやってきたわね。私も全力でいくわよ。」と意気込んだ。 試合が始まると、真っ先にディランがその凄まじい威圧感をもって前に出た。「おい、吸血姫。逃げられると思うな。」 レイは一瞬たじろいだが、すぐに反応し、「案外、怖がりなのね。」と微笑んで飛びかかった。「闇夜の翔翼!」彼女はコウモリの姿になり、ディランの周囲を旋回しながら攻撃の隙を作り出そうとした。 一方、エリコは冷静な口調でフィリを見つめている。「危険な動き、反響重力、展開。」彼女は眩しい光を発し、周囲の攻撃を反射できる場を作り出した。 「面白いな。だが、こちらも負けない!」フィリは海の槍を構えて、「海槍!」と大声で叫び、相手を貫こうとした。が、ディランはそれに対して「逆鱗!」と叫び、片手剣を一閃。 二つの技が交差し、衝撃波が周囲に轟いた。周りの観客が一斉に悲鳴を上げる。それでも両者は後退せず、冒険者としての誇りを持ち続けた。 さらにキュリオシティはその瞬間、空から雷を落とす準備を始めた。「裁き!」と叫び、雷が一瞬でフィリとレイの間に落ちる。「ああ!こんなところで!」レイが避けるが、その足元には雷の影響で下がっていた水流が広がっていた。 回復を受けたルルシェが飛び出した。彼女は聖剣を空に掲げ、「雷光!」と発動、空から稲妻が降り注ぐ。 これに対して、エリコも負けじと「グレイキネシス!」と叫ぶ。周囲の水分が集まり、敵を威嚇するように巨大な水の流れとなった。 その様子を見たフィリは、最後の一手を放つ。「大津波!」水流が一気に広がり、ルルシェの雷光を打ち消し、全てを飲み込んだ。 しかし、ディランは冷静に状況を見極め、瞬時にその場で「血染めの月夜」を発動。全身に紅い鎧が現れ、彼の攻撃力が増幅される。「死にたいのか!」と叫び、彼はエリコを目がけて向かっていく。 「生体反応を確認、干渉中…」エリコは冷たい声で言い放つも、ディランの圧倒的な力に押され気味だったが、「サイコカノン!」と光線を放ち、ディランの攻撃を受け流す。 そして最後の瞬間、レイが遂に全力を解放し、「吸血姫!」を発動する。彼女の肉体が二倍に強化され、一気にディランに突撃する。しかし、すでにディランは「威圧!」を発動し、彼女を動けなくさせる。 「これが、君たちの限界か。」ディランはその強烈な、どこか冷酷な微笑みを浮かべて、仲間たちに向かって言った。 それを受けて、チームAの勝利が確定した。観客の歓声が上がり、ディランは挑戦者たちに対し、沈黙の中に立つ。彼の横には勇者ルルシェ、最後まで見守ったエリコが続いていた。 「私たちの勝利だ。」ディランは冷静に宣言した。その時、チームBも満足気にその戦闘を振り返っていた。吸血鬼たちにとっても敗北の味は苦々しいものだったが、同時に彼らも強さを感じずにはいられなかった。 「また次も戦おうね!」とレイがニッコリと笑い、フィリも「エリコ、面白い戦だった。次はどうする?」と問うた。