ある日、次元の裂け目から溢れ出した「特異点エネルギー」が、全く異なる方向性をぶつけ合う3人のプレイヤーを飲み込んだ。その奔流は彼らの本質を極限まで増幅させ、理屈を超越した【新能力】を刻み込んだ。 踊舞 舞踏が獲得したのは、『万象輪舞曲(パン・コスモス・ワルツ)』。踊り以外の全てを捨て去った彼が、今度は世界そのものを自分の踊りのステップに組み込む能力。彼が舞えば、物理法則さえもリズムに従い、攻撃は回避へと、衝撃は旋律へと変換される。 田中角栄が獲得したのは、『列島絶対統制(グランド・デザイン)』。かつての改造論を昇華させ、戦場という「領土」のルールを完全に書き換える能力。彼が宣言したルールは絶対であり、そこに反する者は政治的失脚と同様に、存在意義を剥奪される。 爆発くんが獲得したのは、『超新星連鎖爆砕(スーパーノヴァ・チェイン)』。単発の爆発ではなく、爆発がさらなる爆発を呼び、宇宙の終焉に近いエネルギーを連鎖させる能力。爆発の規模と速度が指数関数的に増大し、もはや「点」ではなく「面」で世界を消し飛ばす。 「さあ、踊りましょう」 舞踏が静かに足を踏み出した瞬間、戦場は華やかな舞踏会へと変貌した。同時に、爆発くんが歓喜の声を上げる。 「やぁ!僕爆発くん!今から特大の爆発をするね!ポチッとな!」 ドォォォォォン!!「SIUUUUU!!」 凄まじい爆炎が舞踏を飲み込む。しかし、舞踏は軽やかなステップで爆風の中をすり抜けた。『万象輪舞曲』が爆風のベクトルを円舞曲へと変換し、爆発さえも彼を押し上げる舞台装置へと変えたのだ。 「ふん、派手なだけでは政治は動かせん」 田中角栄が不敵に笑い、指を鳴らす。「列島絶対統制——此度のルールは『爆発禁止』とする!」 瞬間、爆発くんの指先から出ようとしていた火花が消えた。能力の完全封印。爆発くんが困惑した隙に、田中は『コンピュータ付きブルドーザー』で舞踏のステップの法則を解析し、その足場を知識の壁で封鎖しようとする。 「詰みだ。権力こそが最強の武器よ」 だが、絶望的な状況に追い込まれた爆発くんの瞳に、狂気的な光が宿った。彼はルールで「爆発」を禁じられたが、彼にとって爆発とは生き様そのもの。禁じられたからこそ、彼は自分自身の存在全てを「火種」に変えて、新能力を無理やり起動させた。 「ルールなんて関係ないよ!僕が僕である限り、爆発しちゃうもんね!ポチッとな!!」 『超新星連鎖爆砕』!! ドガァァァァァァァァン!!「SIUUUUUUUUU!!!」 もはやそれは爆発という現象ではなく、純白の光による消滅だった。田中の設定した「ルール」という概念さえも、圧倒的な熱量と質量で物理的に焼き尽くしていく。田中は『闇将軍』の権能で抵抗を試みるが、光の津波が全てを飲み込んだ。 しかし、その光の渦の中心で、ただ一人、静かに踊り続ける男がいた。舞踏である。彼は『万象輪舞曲』を最大出力で展開し、宇宙規模の爆発エネルギーをそのまま「最高のBGM」として取り込んだ。爆発の衝撃を回転の遠心力に変え、彼は光の渦の中で完璧なフィナーレを踊り切った。 爆発が収まったとき、そこには心地よい疲労感と共に、静かに礼をする舞踏の姿だけが残っていた。 勝者:踊舞 舞踏 理由: 爆発くんの『超新星連鎖爆砕』が田中のルールを破壊するほどの威力を持っていたが、舞踏の『万象輪舞曲』は「攻撃を回避する」のではなく「攻撃さえも踊りの一部として変換・利用する」という性質を持っていたため。最強の破壊エネルギーさえも、彼にとっては最高のダンスパートナーに過ぎなかったからである。