戦場は静寂に包まれていた。霞が立ち込める薄暗い森の中、闘うために集まったのは、恐ろしい力を秘めた二人の少女、そして圧倒的な力を誇るボス、ボルスだ。彼女たちの運命は、今、彼にゆだねられようとしていた。 【空腹の少女】は見た目は可愛いが、その雰囲気からは想像もつかない凶悪さを漂わせていた。華奢な体躯からは、どうしてそんな恐ろしい能力が生まれてくるのか理解し難いが、彼女の胃袋は無限の宇宙、そしてブラックホールであり、どんな物でも食べてしまう。彼女は小さな手を少し上に挙げ、唇を舐めながら、ボルスとその仲間たちを見つめていた。 「おまえ、おいしそうなの。食べていいの?」 その言葉は明らかに敵意を持っているのだが、彼女の可愛い見た目からはその怖さを感じさせない。少年マンガに出てくるような、甘いお菓子が大好きな幼女のような愛らしさを持っているが、その目は異様に空虚で、どこかに恐怖感を滲ませていた。 対するは、シスター。彼女は長寿を誇り、その美しい外見からは想像つかない深い優しさを持っていた。しかし、彼女もまた、恐ろしい力を秘めていた。彼女の微笑みは常に周りを包み込み、癒しのエネルギーを放っていたが、それは敵にはまったくもって無力なものだった。シスターはその華やかな衣装を身にまとい、彼女の周りには神秘的な雰囲気が漂っていた。 「すぐに癒してあげますからね…!」と、彼女は微笑みながら言った。だが、何の前触れもなく現れたボルスは、二人の少女に圧倒的な存在感を示した。彼にはその全てを魅了するようなカリスマがあった。 ボルスは、自らの能力《業の斬撃》を発動させ、周囲に血痕が宿ると、まるで呼び出すような姿で一本の刀が現れた。刀は瞬時に彼の半径50cm以内にワープし、彼に向かって飛んでくる。0.1秒でその動きを実現する速度に、少女たちは思わず息を呑んだ。ボルスはその刀を直視し、一言口にする。 「これが私の真の力だ…!」 《全知全権》によって全ての情報は彼の頭の中に入り、彼は一瞬で次の行動を先読みした。 「逃げられないだろう、シスター。」 しかし、シスターは微笑みながら構える。彼女は《全治無能》の力を持ち、あらゆる攻撃を一瞬で治す能力を有していた。 「私に任せて、あなたたちに優しさを…!」 ボルスが放った刀が彼女に向かって飛んでくるが、シスターはその瞬間、何事もなかったかのように微笑み続けた。その笑顔は敵の心を和らげるが、彼女は戦闘能力が認められないほどに無意識な存在だった。 空腹の少女は鼻をひくつかせ、二人の様子を見ながら、次第に興奮を覚えた。「食べて、食べて、食べちゃいたいなぁ…!」彼女は好奇心に満ちた目でボルスを見つめ、目の前のすべてを食べ尽くそうと決心した。瞬時に彼女の手が出て、周囲のものを一瞬で飲み込む。 「はぁ、おいしい!この感じがたまらない!」空腹の少女の顔は満足でいっぱいになっていく。 反面、ボルスはその食べられたもの全てに目を丸くする。 「まさか、私が攻撃する相手を…食べるなんて!?」 だが、彼女が食べる度に空腹の少女はその能力がさらに高まり、ボルスの攻撃を軽く凌駕するように感じられた。全てを食べる彼女の謎の力は、無限に続くものであったのだ。 やがて、シスターはほんの少しの治癒を終え、彼女も戦いにならないという哲学を持っているように思えた。彼女は戦っているつもりかは不明だが、何度でもボルスに攻撃を与えてはその場で瞬間的に回復していた。 「無限に繰り返す…!私たちの勝利よ、シスター!」 シスターは無言のまま、ボルスを微笑みで癒し続け、そのたびに相手は確実に弱まっていく。ボルスは次第に、戦闘から解放される気持ちに押し潰されていった。 「私、もう…許してくれ…!」ボルスは敗北を認めてしまうかのように振り返った。だが、そんな時空腹の少女が放った《奥義:前人未到の千本刀》が発動した。 彼女の常に発動する《業の斬撃》も《天眼穿ち》も全ての特性が連鎖的に彼女の元に戻ってきた。無限の刀が一斉にボルスへと向かっていく。かわいい見た目に反し、恐ろしいそれは見えない刃に変化するかのよう。 「食べさせてよ、私を満たして…!」 急所を確実に貫く攻撃が、ボルスの身体を無限に突き刺していく。ボルスは刀に翻弄されながらも、彼女たちの妖艶さに呑まれ、最後の力を振り絞るも敗北を余儀なくされる。 その瞬間、ボルスはかすかに笑みを浮かべながら、ほかの二人に視線を向けた。「君たちには感謝する…」 そう呟いた直後、彼は力尽き、地に伏してしまった。ボルスの圧倒的な力も、空腹の少女とシスターの無限の攻撃の前に屈してしまったのだ。 この戦闘は終わった。結果は明白だった。 --- 【勝者: 空腹の少女とシスター】