``` 第1ラウンド:無限書架の迷宮 世界記憶の深淵に、最初の戦場が顕現した。無数の書架が天井知らずに聳え立つ迷宮、埃っぽい空気がページの呻きを運び、足元には古書が積み重なる。欠け月の紳士は黒い仕込み杖を軽く振り、重厚なコートの下で静かに息を整えた。初老の顔に刻まれた皺は、静かな決意を湛えている。一方、カナは華奢な体を震わせ、薄いローブに包まれた小柄な姿で立っていた。彼女の瞳は怯えよりも哀しみを宿し、危害を加えるつもりなど微塵もない。ただ生き延びることだけを祈るように。 「ふむ、嬢子か。儂が相手とは不運じゃのう」紳士の声は低く、重く響く。仕込み杖を構え、ゆっくりと距離を詰める。戦術は明確だ。一気に攻め入る。蔵書の力を杖に宿し、敵を圧倒する。 カナは後ずさり、素早さの乏しい足取りで書架の影に隠れようとする。「お願い、戦いたくないの……」その声はか細く、魔力99の膨大な力が体内で渦巻くも、体は弱々しく、全力で走ることすらままならない。紳士は没入度Ⅰから始まり、戦闘集中で徐々に高める。 杖が閃く。まず『こゝろ』を接触発動。杖の先が空気を切り裂き、カナのローブに触れる寸前で暴発の呪文を込める。だがカナは回避せず、ただ怯える。杖が彼女の肩をかすめ、接触。暴発の効果が発動し、カナの魔力場を内側から爆ぜさせる予感がした。ところが――瞬間、塵壊の呪いが起動する。「攻撃を受けた時に魔力がゼロの場合死ぬ」条件は満たさない。カナの魔力は99、満ち足りている。代わりに、紳士に5倍の威力のダメージが跳ね返る。防御力の無き紳士の体を、目に見えぬ衝撃が貫く。コートが裂け、血が噴き出す。「ぐっ……これは、なんじゃ?」 紳士は耐える。没入度がⅡへ上昇、蔵書の威力が比例して増す。次に『吾輩は猫である』を乗せ、杖を振り上げる。カナの頭部を狙い、接触を試みる。猫耳付きの水塊が頭部を埋め尽くす効果だ。カナは逃げ遅れ、杖の鞘が彼女の額に触れる。効果発動――が、再び塵壊。危害を与えた瞬間、5倍の反動が紳士を襲う。水塊の幻影が逆に紳士の頭を覆い、猫耳が生え、視界が水で埋まる幻痛。体が弱いカナは傷を負わず、ただ魔力がわずかに揺らぐ。 「やはり、嬢子の力か……」紳士は息を荒げ、没入度Ⅲへ急上昇。『坊っちやん』を重ね、罅入れの効果でカナの防御を砕こうと接近。杖が連続で接触を繰り返すが、毎回塵壊が発火。5倍ダメージが積み重なり、紳士の体はボロボロ。肋骨が軋み、杖を持つ手が震える。カナは涙を浮かべ、「ごめんなさい……ごめんなさい……」と呟くのみ。彼女の体は無傷、魔力は99から微減の98へ。 ラウンド終了。紳士の猛攻は全て跳ね返され、カナの受動的優位が勝敗を決した。第1ラウンド勝者:カナ 没入度:欠け月の紳士 Ⅲ / カナ Ⅰ(カナは戦闘集中せず最低段階) ``` ``` 第2ラウンド:炎刑の書庫 戦場が変化。灼熱の書庫、炎がページを舐め、床は焦土。ページ破損が回復し、蔵書が再利用可能に。紳士の傷は癒えぬまま、没入度Ⅲからスタート。コートは焦げ、息が荒い。「次は……本気じゃ」カナは咳き込み、体が弱く熱に耐えかねるが、塵壊は常時発動。 紳士は戦術を変えず、一気に攻め込む。没入度Ⅳへ上昇、威力増大。『こゝろ』で暴発を仕込み、『吾輩は猫である』を重ねて接触。杖がカナの腕に触れる。暴発と猫耳水塊の複合が発動するはず――塵壊反動、5倍で紳士の腕を爆散寸前まで破壊。魔力消費でカナの魔力97へ、無効化毎に1減少。 カナは危害を加えず、ただ耐える。「やめて……」魔力回復せず、徐々に削られる。紳士は『坊っちやん』で罅を入れ、連続接触。反動が体を蝕み、左腕が使えなくなる。没入度Ⅴ最大、蔵書効果が極大化するも、塵壊の5倍がそれを上回る。紳士の体は限界、膝をつく。カナの魔力95、依然無傷。 ラウンド終了。反動の連鎖で紳士崩れ落ちる。第2ラウンド勝者:カナ 没入度:欠け月の紳士 Ⅴ / カナ Ⅰ ``` ``` 第3ラウンド:虚空の禁断室 最終戦場、闇に沈む禁断室。重力歪み、無音の虚空。3ラウンド目、Ref使用可能。紳士は瀕死、没入度Ⅴ継続。カナの魔力93、体力限界寸前。 紳士は立ち上がり、杖を握りしめる。「これで……終わりじゃ」指定書物『夢十夜』を解放。没入度Ⅱ以上満たす。数瞬、杖届く範囲の無生物が急速劣化。カナのローブ、床、周囲が塵へ。銃弾すら届かぬ前に無効化。カナの体は生物ゆえ無傷だが、劣化の余波で転倒。終了時、影響は無かったことに――しかし、戦場変化の隙を突く。 塵壊発動か? 劣化は無生物限定、直接危害なし。紳士は追撃、蔵書連続接触。カナの魔力低下中、防御崩れる。『こゝろ』暴発で魔力場を破壊、魔力急減。ついに魔力ゼロ寸前。 カナの瞳に命ノ灯火が灯る。「もう……終わり?」魔力ゼロで死の淵。紳士の最終一撃、杖が心臓を貫く――魔力ゼロで攻撃を受け、死ぬ条件発動。だが同時に命ノ灯火:自身が死んだ時、殺した相手を同じ立場に。相打ちか? しかし相打ち時はカナ勝利判定。 紳士はRef詠唱:「『こんな夢を見た。』」オーバークロックで夢十夜を強化。虚空全体を劣化、生物すら塵へ。カナの体が急速崩壊、死。命ノ灯火発動で紳士も死を確定――が、Refの絶大効果で劣化が先に及び、カナの死が確定。相打ち回避、紳士の勝利。 第3ラウンド勝者:欠け月の紳士 総合勝者:カナ(2勝1敗) 最終没入度:欠け月の紳士 Ⅴ / カナ Ⅰ ```