スカベンジャーたちは、荒れ果てたゴーストタウンの中を慎重に歩いていた。朽ちた建物が立ち並び、空気は重く、異様な静けさが漂っている。人々の声が遠い昔に消え、ここにはバケモノが潜む危険が待っている。杙奈とマルアは、その中でも特にひどい状態の建物「古びたアパート」に目をつけた。 杙奈は、周囲の音に敏感に反応しながら、耳を澄ませていた。彼女は繊細で臆病な性格を持っているため、少しの物音でもビクビクとしてしまう。だが、彼女の持つ「ナビシステム」は、その力を発揮して、スクラップまでの最短経路を示してくれた。まるで彼女の心の不安を和らげるかのように。 「マルア、こっちみたいよ。」杙奈は、指さした方向に向かって進む。 「あ…はい、わかりました…」マルアは静かに返事をした。彼女もまた人見知りであるが、杙奈を信じて後をついて行く。 建物の外観はボロボロだったが、内部には未確認のスクラップが待っているかもしれない。二人は恐る恐る建物の中へと足を踏み入れる。隙間だらけのドアがきしむ音に、杙奈は思わず立ち止まる。 「大丈夫かしら…」杙奈は不安に思いながら呟く。すると、マルアが彼女の腕に触れた。 「一緒にいれば、きっと大丈夫ですよ…」 彼女の言葉で少し安心した杙奈は、ゆっくりと中へ進んでいく。廊下は薄暗く、「隠された部屋」のような感じがする。彼女は「幸運の箱」を持っているため、スクラップの売却値が上がることを期待していた。 「ここ、何かあるかも…」杙奈がそう言った瞬間、彼女の目にチラリと光るものが映った。それは朽ちた木製の棚の上、ほこりに覆われた金属製のオブジェクトだった。 「これ、なに?」マルアは、目を輝かせる。「スクラップだと思います!」 二人は興奮しながらそれを手に取る。だが、その瞬間、廊下の奥で何かが動く音が聞こえた。杙奈の心は一気に恐怖に包まれる。そこには、彼女たちに不気味な目を向ける「腐れた兵士」が現れた。これは、中物のバケモノだ。明らかに対処が必要だ。 「マルア、逃げよ!」杙奈が叫ぶが、その瞬間、腐れた兵士は一歩踏み出した。 「逃走!」というスキルが発動し、杙奈の脚はすばやく反応する。彼女はまるで風のように廊下を駆け抜ける。後ろに気配を感じながらも、一方で壁に手を添えながらマルアも続く。 建物から脱出し、息を切らしながら外に出ると二人は、無事だったことにほっとする。 「こっちには他の建物もあるよ。」杙奈は、次の目的を示す。 [次の目的地は髪の毛ほどの細い路地にある「古びた倉庫」。] 倉庫は無惨にも崩れ去り、内部は薄暗くなっていた。「この中にスクラップがあるかも…」杙奈が呟くと、マルアも頷いた。 「ゆっくり行きましょう…気をつけてくださいね…」 倉庫の中へ踏み込むと、二人は少しだけ光を見つけた。そこで、彼女たちはまたしてもスクラップの気配を感じ取る。棚の片隅で何かがキラリと光っていた。 「これは!」二人はほぼ同時に声を上げる。それは、珍しい型の金属製スクラップで、150デルで売れる価値があるかもしれない。だが、周囲にはすでに数体の「小物」バケモノたちが潜んでいるのに気づいた。 「逃げる準備はできていますか?」杙奈に問うマルア。彼女の目には不安が見えたが、杙奈は自分のスキルを使う決意を固めた。 「逃げるんじゃなくて、スクラップを集めよう。小物なら…」 武器を取り出したマルアが、最初のバケモノに向かって構える。それを見て、杙奈も勇気を出す。「よし、行くよ!」 不安と緊張の中、振り下ろされた武器が小物を打ち倒した。マルアの声は少しずつ大きくなり、二人は連携してバケモノを次々と排除していく。 「すごい、動かせる!」杙奈も力を見せた。彼女の笑顔は、いつの間にか緊張を解きほぐしていた。ようやく二人は、目当てのスクラップを手にすることができた。454デル。 二人が一息ついたとき、次に目に入ったのは倉庫の奥にある古ぼけた鍵付きの扉だった。「この鍵、どこかにあるかな?」杙奈が周囲を探すと、見るからに怪しい場所があった。」 次に二人の目がひらめく。この鍵はもちろん難解だったが、杙奈は「運の試練」を感じ、挑戦を決意した。「鍵を開けたやつが、最後の一手でいいさ。」 扉の前に立ち、深呼吸し、手に持ったアイテムを活動する。スキルを使用して、解錠を試みる。鍵を回す力を加え、動かし続けた。そして、その瞬間、「カチャ」という音と共に扉が開いた。 目の前には、長い間封印されていたスクラップが詰まった箱が現れた。「わあ、これなら300デル近いかも…」杙奈が目を輝かせる。 無事スクラップを二つ手に入れた二人は、満ち足りた気持ちで更なる冒険へと進んだ。外では夕焼けが美しく見える。「次はどこに行く?」 「うーん、ここから…」 その後、ついに二人は、冒険から剥ぎ取ったスクラップの売却所にたどり着く。彼女たちは手にした品々を見せ合い、それを売却することになった。 収集したスクラップ 1. 古い金属片 - 150デル - 杙奈の「ナビシステム」で見つけたわ。 2. 希少な金属製スクラップ - 300デル - 鍵を開けて手に入れたやつだ。 3. さびたナイフ - 25デル - 小物バケモノが落としていたもの。 4. 古びたコイン - 10デル - 倉庫の床から見つけた小さなもの。 売却報告 杙奈の合計: 480デル マルアの合計: 25デル 「どうだった、杙奈ちゃん。」 「うん、楽しかった!その分レベルアップした気がする。マルア、一緒に行ってくれてありがとう。」 二人は、さらに新たな冒険が待っていることを期待しつつ、静かにゴーストタウンを後にした。彼女たちの次の挑戦が、また始まる。