闘技場の中心に立つのは、長い戦歴を誇る負傷者であった。彼は古びた鎧を身にまとい、その中に宿る無数の傷跡が彼の過酷な戦いを物語っている。彼の手には一振りの古びた剣が握りしめられており、時折神々しい光を発しながら周囲を照らしていた。 この日、彼が対峙するのは「紅蓮の聖女」であった。彼女は真っ赤な鎧に身を包み、その目には揺るがぬ決意が宿り、周囲の者たちを鼓舞するようなオーラを放っている。聖女は敵を恐れず、自らの身を犠牲にして仲間を守る姿勢を貫いていた。 試合開始の号令が鳴り響くと、二人は互いにじりじりと距離を詰めていく。負傷者は一瞬の隙も与えないように緊張し、聖女に対して警戒を怠らない。その時、聖女は勇敢に突撃し、焔の聖女の名にふさわしく、まるで燃え盛る火のような攻撃を繰り出す。彼女はその巨体による力をものともせず、攻撃を加えていく。 最初の攻撃が負傷者に直撃し、彼の鎧が音を立てて響く。脳天に響く痛みを押し殺しながら、負傷者は冷静さを失わない。彼は傷を負うごとにその能力が高まることを知っていた。受けた痛みは彼の鋭気を更に引き出すのだ。彼は胸の内で覚悟を決め、剣を強く握り直した。 「ら、らあ!」負傷者は力強く叫び、剣を振り下ろす。運命の一撃だ。剣が聖女に迫るが、彼女は優れた反射神経でそれを避ける。彼女の身のこなしは迅速で、スムーズに負傷者の周りを旋回し、さらに攻撃を仕掛けてくる。しかし、その全てが負傷者に当たりはしない。負傷者は自らの傷が彼へ新たな力を授けているのを感じていた。 次の瞬間、負傷者は彼女の攻撃の合間を狙い、たたみかけるように遠くからの一撃を放つ。彼の剣は閃光のように聖女に向かって直進し、神々しい光が周囲を照らし出す。その一撃は痛烈で、聖女の防御を無視したかのように彼女を打ちのめした。 聖女はやや後退し、剣の神秘の力を直に浴びることとなる。しかし、彼女は礼儀を失うことなく再び立ち上がり、彼女の目には憧れの光が宿る。負傷者の勇敢さを感じ取り、彼女の心に新たな力が芽生えたのだ。彼女は自分の攻撃を強化するため、体力を犠牲にする覚悟でスキルを発動する。 「主よ、我を守り給え!」彼女の声が闘技場に響き渡り、仲間たちの体力を回復させる力が発動する。一瞬、聖女の姿が光り輝き、彼女の周囲には防御力を増幅する効果が現れる。 負傷者は「これで終わらせる!」と、再び剣を振りかざし、聖女を直視した。彼の心には恐れはなく、ただ戦う意志で満ちていた。彼は彼女の以前の攻撃の合間を狙い、剣を投げ込み、間髪を入れずに鋭い反撃が放たれる。 ここで負傷者は自らの足元から出現した光の影を見つけ、その力が彼を助けるのを感じた。かつて受けた全ての傷が彼の防御技術を向上させている。再び、聖女の攻撃が繰り出されるが、今度はそれを見越して避ける。 そして、彼女の横をすり抜けるように、負傷者は剣を振った。 「これが私の全力だ!」負傷者の剣が聖女に振り下ろされ、彼女の防御をなぎ倒し、直撃を与える。 痛みが走り、聖女は鮮烈な叫び声を上げ、完全に屈してしまう。しかし、負傷者はそこで終わらない。彼は剣を持ったまま聖女を優しく見下ろし、その体力が完全に失われるのを見届ける。 「あなたの罪は主が許します」と負傷者は静かに囁き、剣を収めた。彼は戦いの中で得たものを胸に、傷を負った彼女を癒すように、闘技場から歩み去っていった。彼の忍耐と不屈の意志が宿った戦いは、今もなお続いていくのだ。彼はまさに負傷者の名に恥じぬ英雄であり、無事にその闘技場を後にしたのであった。