春の穏やかな光が城の中庭を照らし、桜の花びらが舞い散る中、将軍の前に不運な剣士、安田麻子と街中の親方、テリカ・ゴレェブが対峙していた。ともに名を馳せる者たち、しかしその道筋は大きく異なる。 安田麻子は、隻眼の冷静な視線をテリカに向け、自身の剣を構える。黒髪の彼女は、剣術の一歩を踏み出す準備が整っていた。運命への反逆を胸に精練されたその剣技には、彼女の過去が宿っている。 「運命に縛られない!私は私の道を切り開く!」と、彼女は力強く叫んだ。 対するテリカは、トンビコートをなびかせながら、片眼鏡越しに安田を見つめ、「おっと、なんね、その意気込み、すごいねぇ。だけどあっしも負けねぇ文化があるんでよ。やるからには全力で行くぜ」と言いながら、仕込み刀を取り出した。 将軍の合図が鳴る。二人は静かに間合いを詰め、各々の剣を研ぎ澄ませた。 安田はまず『一ノ章 麻草鞋』を使い、一歩踏み込むと同時に、全てを見通すかのようにテリカに向かって突進した。彼女の一歩は桜の花びらを舞わせ、その刃は空気を裂く。 しかしテリカは、心眼切りでその攻撃を受け流し、素早く反撃。杖状の仕込み刀が麻子の左腕をかすめ、彼女の肌を裂いた。安田麻子の目に痛みが宿るが、彼女はそれを打ち消し、反撃の構えを取った。 「痛いじゃねぇか。でも、これで終わりじゃねぇ!」彼女は一瞬の隙を突いて、『二ノ章 麻姑掻痒』を発動。再び接近し、テリカの顔面に向かって一閃、刀を振り下ろした。 テリカはその刃を横に振り払うが、安田の『快刀乱麻』が待っていた。麻子の刀が彼の右肩を深く裂く。刃からは鮮血が流れ落ち、テリカの表情が引き締まる。 「いい腕してんじゃねぇか、隻眼の剣士!でもおあいにくさまだ、このあっしはまだまだ負けるわけにはいかねぇ!」テリカは微笑みながらも、剣を構え直す。 「気を抜いていると、命は失う!」更に麻子はその一歩を進め、『三ノ章 快刀乱麻』をまたも発動。彼女の一閃が、再度テリカの腹部に食い込む。 だが、テリカは冷静な判断力で二度目の突き攻撃を受け止め、再び反撃。彼女の押し寄せる剣勢に耐え、二突きでその攻撃をかわしながら右手で彼女の刀を弾く。ドン!という音とともに空気が震えた。 二人の剣士は静寂の中で互いの息遣いを感じ、傷を負った体で互いの存在を感じている。その瞬間、安田麻子はふと過去を思い出した。育ちの村が焼かれたあの日、彼女は運命を憎んだ。しかし今は、彼女は剣術を通じて自らの運命を切り開くために闘っている。 「私は、過去に縛られない!」麻子は叫ぶ。 「確かに、運命とは自ら勝ち取るもんだ。だけど自分一人じゃないだろう、仲間がいるから今まで来たんじゃねぇか」と、テリカの言葉が耳に残る。 その時、麻子の中で何かが弾けた。負けたくない、負けるわけにはいかない。彼女は再び『一ノ章 麻草鞋』で駆け出し、白刃をテリカに向けて振り下ろした。 テリカはその攻撃を受け止め、ついに必殺技「殺さずの必殺」を発動。麻子の刀は彼の盾に阻まれ、その瞬間、彼女の心の闇を断ち切るように剣先が停まった。 安田麻子の目が驚きに見開かれる。「何をした?」 「お前の運命を背負う背負った重さを背負い、全てを解放した」と、テリカは答える。 まさにその時、将軍が前に出て、大声で宣言する。「勝者、テリカ・ゴレェブ!」 観衆の歓声が轟く中、泣きながら麻子は膝をついた。彼女は敗北を受け入れ、得たものを思い知らされる。「私は…まだまだだ…」口にする。 将軍はテリカに向かい称賛の言葉を贈った。「お前の戦いは見事だった。故に、褒美を与えよう」 テリカは礼を示し、「あっしの技が助けたのは、ただお前の運命を切り解くために過ぎねぇ。皆、明日も生きるために闘ってんだから」と微笑んだ。 「これからは、自らの道を行きなさい」と、将軍は二人に目を向け、中庭の桜を見上げながら、「和歌を詠もう。このぴたりとした瞬間を」と詠み始めた。 「春の夜 運命の下に集いて 花の如く 強き者あり」 桜の花が舞い、剣士たちの声が響く中、二人の絆が新たなる物語を紡いでいくことだろう。