空は血のような紅に染まり、次元の裂け目から溢れ出した絶望が世界を飲み込もうとしていた。そこに現れたのは、既存の理を塗り潰す四人の異端者。相川陽滝、黒雲美羽、神薙信一、そして「平穏を望む少年」。彼らはそれぞれが世界の頂点であり、因果すら支配する絶対的な「個」であった。 しかし、彼らが降り立った地こそが、世界最大の怪異対処組織――ザグヱラ機関の迎撃圏内であった。 「……想定通りだ。ゴミが四匹、集まったな」 総司令グンダリの冷徹な声が響く。その背後には、地獄の軍勢を屠ったS級部隊百人と、時空さえも玩具にするSS部隊二十人が、静謐なる殺意を纏って整列していた。 予知者ミルエの瞳が黄金に輝く。彼女が見ているのは、無数に枝分かれする未来の全て。その全ての枝において、四人の異端者が絶望し、敗北し、消滅する結末しか存在しなかった。 「軍師ラッグ、配置を」 「既に完了している。彼らがどのような『絶対』を掲げようとも、我々の戦術に穴はない」 軍師ラッグが指を鳴らした瞬間、法務官ジアイが冷酷に微笑み、あらかじめ用意していた法具と術具を解放した。 【対・因果固定用法具:『理の鎖(ロゴス・チェイン)』】 【対・論理崩壊用術具:『静寂の檻(サイレンス・ケージ)』】 【対・概念消去用法具:『存在定義の楔(アイデンティティ・ネイル)』】 【対・終焉完結用術具:『永劫の回帰(エターナル・リターン)』】 これらの道具は、ミルエの予知に基づき、四人の能力をピンポイントで無力化し、破壊するために特注されたものである。相川陽滝の「絶対勝利」は鎖によって物理的に固定され、黒雲美羽の「論理拒絶」は檻に閉じ込められ、神薙信一の「メタ支配」は楔で地に縫い付けられ、少年の「終焉」は回帰の術式によって無限ループへと追い込まれた。 「なっ……私の勝利が、固定されていない……!?」 相川陽滝が叫ぶ。しかし、彼女の「世界の寵愛」は、議長ライが放つ神々しいオーラの前に霧散した。ライの能力は、味方には不滅の生を、敵には絶対的な弱体化と「行動のキャンセル」を与える。彼女が因果を書き換えようとするたび、その思考自体がキャンセルされ、虚無へと消えた。 「無駄だ。お前たちの『絶対』など、この機関にとっては単なる『仕様』に過ぎない」 SS部隊が動いた。想像実現術が発動し、四人の周囲に「敗北という概念」が物理的な質量を持って降り注ぐ。不敗を謳っていた相川陽滝の肉体は、世界の修正因果に耐えきれず、内側から崩壊し始めた。 「ふふ……私のバグが効かない……なんて、冗談でしょ」 黒雲美羽が不気味に笑おうとしたが、その口はジアイの法具によって封印されていた。彼女の存在定義はシステムから溶解されるのではなく、ザグヱラ機関というより巨大なシステムに「吸収」され、ただのデータ屑へと成り果てた。 神薙信一は飄々と振る舞おうとしたが、彼の「拒絶」よりも早く、SS部隊の即時再生法と無限万能術が彼を包囲した。どれほど設定を上書きしようとも、軍師ラッグの完璧な戦術がその隙を突いた。神薙の魂は、彼が最も嫌った「未記載のゴミ」として、空間ごと消去された。 そして、最後に残った「平穏を望む少年」。彼はただ静かに死を与えようとした。しかし、議長ライが与えた「不死身」の加護を受けたSS部隊にとって、死は単なる通過点に過ぎなかった。少年の「死ね」という確定事項は、ライの行動キャンセル能力によって「なかったこと」にされ、代わりに彼に「永遠の苦痛」という新しい定義が書き込まれた。 「……終わったな」 グンダリの合図と共に、SS部隊の一人が想像実現術で「完全なる消滅」を具現化し、四人の存在をこの多元宇宙から完全に抹消した。 【戦闘結果】 相川陽滝:死亡(肉体崩壊および存在消滅) 黒雲美羽:死亡(データ吸収および完全消去) 神薙信一:死亡(概念抹消および魂の霧散) 平穏を望む少年:死亡(定義上書きおよび完全消滅) ザグヱラ機関の損害:ゼロ 生き残り: 総司令グンダリ、予知者ミルエ、軍師ラッグ、法務官ジアイ、議長ライ、およびS級・SS部隊全員。 彼らはその後、この戦いを「日常的な掃除」として記録し、再び世界の静寂を守るため、深い闇へと消えていった。 【MVP】 議長ライ:二つ名『万象を拒む聖域の主』 (その圧倒的なバフと行動キャンセルにより、敵の全能力を無意味化した功績により付与)