--- 彼岸と此岸の狭間。無数の霧に覆われた空間は、どこまでも続く幻想的な風景を生み出していた。小道の両脇には、無数の花が咲き乱れ、その中で危険な香りを放っている。その中心には、美しさと恐ろしさを併せ持つ存在、楓嵐が立っていた。彼女の武器、華嵐が紅く輝き、鋭利な刃が微かに震えている。 対面には、蒼雷の策士アイリス・シュトルムが立っていた。銀髪を風になびかせながらも、その表情は冷静そのもの。小柄な体躯の中に秘められた雷の力は、彼女が挑む相手を真剣に警戒させた。 「ふむ…」アイリスの口から零れた言葉が、静寂の中で響き渡る。彼女は素早く周囲の状況を見極める。自身の雷魔法は速攻系だが、今は反撃を狙う巧妙な罠が求められている。 「そこ、罠です」とアイリスは囁く。彼女は瞬時に足元に雷を集め、周囲の廃工場に散乱する資材を利用した疑似的な罠を仕掛け始めた。さらに、彼女の目は楓嵐の動きを追い続け、彼女の攻撃を徹底して回避しようとする。 楓嵐は微笑みながら、ゆっくりと華嵐を構える。「その程度の罠が、私に通用すると思っているのかしら?」 蓮のような華麗さで動く楓嵐は、アイリスの仕掛けた罠を軽々とかわし、姿勢を崩すことなくそのまま接近する。道中で無数の花が揺れ、音もなく咲き誇り、彼女の周りを取り巻く。 「これは、私の技が目を覚ます瞬間です」彼女は静かに呟く。楓嵐は一瞬の隙を見逃さず、「睡蓮」という技で目の前のアイリスを斬りつけるような動作を見せた。 刃の先から発せられた冷気は、アイリスの身体を凍らせ、一瞬の隙を生む。しかし、アイリスは鋭い直感でその場を飛び退くと、周囲に仕掛けた罠から雷の電気を放出する。「危ない危ない…」 そこには、雷が集中したエリアが形成され、イナズマのような光が天を貫こうとする。 槍のように突き込まれた片方の雷魔法が、彼女の視界を奪いつつも、何とか体勢を立て直す。アイリスはさらに、彼女の特性を活かして《蒼雷の策士》による戦略的な戦いに徹した。様々な罠で楓嵐の動きを阻害する。 雷撃をもたらす轟音が響き渡り、アイリスは電撃の力で反撃を試みる。「この罠が、あなたに通じるかしら?」 アイリスは周囲の工場設備を利用し、罠を再配置しながらヒットアンドアウェイを繰り返す。この場は彼女の領域であるかのように、動き回りながらも常に楓嵐を視界に収めていた。 だが、楓嵐は冷たい微笑みを崩さず、すぐに体勢を整えた。 彼女は「鬼灯」と言う技によって、持つ華嵐刀から赤い光が放たれる。鋭い刃が、アイリスの罠を切り崩しながら迫ってくる。 「この一撃を受けてみなさい」 楓嵐は笑った。その瞬間、刀身が目の前に迫り来る。アイリスはその切っ先を察知し、すぐに周囲の罠を発動させて切り抜けるが、その中で何かが崩れるような音が響いている。 この戦いは長引く。楓嵐の華麗さとアイリスの戦略が織り成す間で双方が攻撃を重ね、互いの力を試し合う。 アイリスは次の手に出る。彼女は「断星の騎士長」フェルト・デュークの登場を想定していた。 次の瞬間、雲の上から降り注いでくる光が、圧倒的な変化をもたらす。 「お遊びはおしまい…!」アイリスも全力を開放した。 彼女の周囲は青白く光り、轟雷が楓嵐に向かって放たれる。全てを焦がすその威力が対戦相手に迫る。しかし、その瞬間に楓嵐は「蓬莱」と口を開いた。 「私の魂と、あなたの雷を混ぜ合わせて、楽しみましょう。」 楓嵐が斬りつけた瞬間、彼女の華嵐がアイリスの雷を封じ込める。魂を剥ぎ取っていくように、アイリスの力が彼女の中に取り込まれていく。 アイリスは一瞬、驚きと恐怖が走った。しかし、楓嵐の力が自らを押しつぶす瞬間、彼女は意識が薄れていく。それでも、彼女の本能が何か知恵を求め、闘う力が目覚めた時、力を解放することができた。しかし、楓嵐の力に勝ることはできなかった。 「これが、私が持つ力です。あなたの力を使わせていただきました。」 楓嵐は穏やかな表情のまま、その場に佇んでいたが、アイリスの力を巧みに操る姿は、どこか冷酷さを感じさせた。 その後、周囲の空間が変わる。「夜星の覚醒」の影響が及ぶ。星の光が彼女たちを包む。 「星の加護を持つ者よ。私を悔い改めさせた。」 楓嵐の次の一手は、まさに決定打であった。彼女はアイリスの魂を吸収した後、続けざまに、白剣【シリウス】を振るった。 「今一度、あなたの魂を引き裂く。」 鮮烈な一閃が、アイリスを貫通する。その瞬間、アイリスの目に映った楓嵐の姿は、まるで美しく佇む華のようだった。 --- 戦闘の勝者: 楓嵐 MVP: アイリス・シュトルム