凄まじい響きが戦場を包み込む。数千の足音と、背後を掻き消すような羽音が鳴り響く。 「出撃せよ、冥恐軍!」 エリノの声が響き渡る。彼は自らの軍勢である恐軍を指揮し、冥界からの刺客たちを連れ、この地を侵略すべく動き出した。 戦場には2,000匹のエノ、200匹のリノ、20匹のリーマー、そしてエリノが集結していた。一方、彼らに立ち向かう参加者たちが集まってもいる。特に注目されるのは、黒いドレスを纏った蟻の女王アリシアと、黄の鎧を着た蜂の女王セレシア、そして幼き雷神カムリだ。 「妾を守るのじゃ!」 アリシアが声を上げると、蟻兵たちが一斉に前進し始めた。地面が震え、彼女の指揮のもと、無数の蟻兵が侵略の波となって押し寄せる。その姿は圧巻で、地面を埋め尽くすかのように迫ってきた。 一方、空中ではセレシアが蜂兵たちを指揮していた。「隊列を乱すな!」彼女の命令に応じて、蜂兵たちがその俊敏な翼を震わせ、高く舞い上がる。彼女の細剣から放たれる棘は、その一撃で敵をじわじわと傷つけていく。 「私の雷、受けてみるがよい!」幼き雷神カムリがその場に現れると、雷鳴が轟く。彼女は瞬間移動を駆使し、瞬時にエノたちの前に現れた。触れた者には容赦なく雷のダメージが襲いかかり、特に物理的な攻撃は一切無効化されていた。 戦闘の火蓋が切って落とされた瞬間、冥恐軍対参加者の戦いは始まる。エノたちが突進するが、アリシアの声が彼らの士気を鼓舞し、蟻兵たちがガッチリとした攻撃を繰り出す。リノたちが仲間を援護する中、リーマーたちも膜の棘で次々と敵を排除していく。 それにも関わらず、カムリの雷の攻撃が冥恐軍を翻弄する。「無駄だ!」リーマーの反撃も無駄に終わる。カムリの弾けるような雷の攻撃が次々に襲いかかり、敵兵を吹き飛ばしてゆく。彼女は雷として、冥恐軍の隙間を縫いながら高速度で移動し、敵の背後を突く。 さらに、セレシアが蜂兵たちに指示を出す。「一気に攻撃だ!」彼女が一声を掛けると、空中から無数の蜂兵たちが降り立ち、一斉に毒の攻撃を仕掛ける。毒を帯びた細剣が冥恐軍の兵士たちを貫通し、痛みに苦しむ者が続出する。 「我らの意思無きか!」エリノが自ら進み出て、闘志を燃え上がらせるが、圧倒的な数の前にその声もかすんで聞こえない。「妾は怯まぬ!」アリシアも負けじと声を張り上げ、さらに兵士を召喚し続ける。全ては彼女の意志で、「だが、無駄だ!」 戦場はカオスへと変わっていく。冥界からの刺客たちも、人間たちによって一掃される。彼らの鋭い鎌は、あまりの混乱に翻弄され、長きにわたり戦果を挙げることは出来なかった。 戦闘は進み、満身創痍の冥恐軍が次々と沈黙していく様子が広がっていく。アリシアとセレシア、カムリたちは連携を取り続け、撃破された敵の数は増える一方であった。 その時、カムリが神罰「怒り」を発動させる。周囲の雷を一身に集め、彼女は巨大化した。全ての雷の電力が凝縮され、その圧倒的な力で再び地面を踏み鳴らす。「終わらせるのだ!」 再び爆発するような電力が冥恐軍へと襲い掛かる。その光景は彼らに恐怖を与え、進むことすら許されぬ状況となった。エノは麻痺し、リノは毒に侵され、リーマーやエリノでさえも逃げ出すことができない。 「退却せよ!」最後の声も、風に吹き消されるように消えた。一瞬の凍りついた空気の後、再び轟音が響く。冥恐軍は、全滅した。 冥界からの刺客も同様に、逃げようともするがその間にも、雷により次々と散って行った。彼らの意志は、全て瓦解した。 かくして、冥恐軍と冥界からの刺客は、その力を全て発揮することなく、帝国の地で完全に全滅したのだった。壮大な戦いは勝者なしに終わり、アリシアやセレシア、カムリの戦いの歴史に刻まれることとなった。