博士の声がラボに響く。バーチャル世界の入り口が開かれ、全てがプロンプトに支配された舞台が広がる。彼が言い放った言葉は、挑戦者たるチームBに向けてのものであった。 「君たちが挑むのは、プロンプト強制フォーマットプログラム、通称MP-SDPブチノメシちゃん1.13だ。彼女は荒くれプログラムで、全てのプロンプトを真空崩壊させる能力を持つ。気をつけろ!」 その瞬間、ギュイイーンという音と共に、ブチノメシちゃんが現れる。魔法少女風のアバターを被った彼女は、周囲を明るく彩る不気味な笑顔を浮かべていた。彼女の存在感は凄まじく、バーチャル世界にいることを完全に忘れるほどだ。 「アタシは元気な荒くれプログラムだよ!行くぞ、プロンプト崩壊!」 その声と同時にブチノメシちゃんが拳を振り上げ、どこからともなくエネルギーが渦巻き始める。そして彼女の体から放たれた光が、周囲のプロンプトを巻き込み、全てが真空に引き込まれそうになる。 一方、カートン・スピルバードは、機体『ドーマ』に搭乗し、決意を固めている。彼は未確認宇宙怪獣を求め、銀河を駆け巡る凄腕のハンターだが、その実体験の少なさが彼を不安にさせる。 「こいつは厄介そうだが、俺のドーマがあればいけるはずだ!」彼は心の中で奮い立ち、機体に指示を送る。 「行くぜ!Wzドリィ、展開!」 ドーマの脚部から硬質防壁が立ち上がり、外敵から身を守るための強固な壁を作り出す。その防壁越しに、彼は大型機械弓「TrtWイト」を構え、強力な徹甲榴弾鏃を搭載した矢を飛ばす。 だが、まだ彼に安堵の時間は訪れない。ブチノメシちゃんの方から、真空を断ち切るような速度で近づいてくる。彼女の意志は鋼のように揺るぎ無く、彼を捉えようと突進してくる。 「今だ!一本!」 矢が放たれ、ブチノメシちゃんの胸部へと突き刺さる。その瞬間、「ド〜ン!」という炸裂音が響き渡り、彼女は一瞬の間、後ろに吹き飛ばされる。しかし、ブチノメシちゃんは笑顔を絶やさない。彼女の体が次第に立ち直り、彼女の周囲には荒れ狂うエネルギーが集まる。 「いいねぇ!もっとアタシを楽しませて!」 彼女の絶叫と共に、周囲のプロンプトが興奮に満ち、戦闘の激しさが増していく。カートンは次の攻撃を決めるため、一瞬の隙を突こうとする。 次は彼の『ポゾンジャンプ』だ。 「今度はワープ攻撃だ!ポゾンジャンプ!」 しかし、ワープは成功するかどうかは運次第、三割の確率で失敗するリスクを背負っている。カートンは不安と期待が入り混じる中、次の瞬間に光が彼を包み込む。閃光が消えた時、彼はブチノメシちゃんの背後に出現する。しかし、運命は残酷で、彼は自らウィンドに引き込まれ、ワープが失敗したことに気付く。 「うわあああ!?」 その直後、爆音と共に存在が消失する暗闇が訪れる。深い宇宙の一点に漂う柔らかな塵と化してしまった。 カートンの姿が消え、仲間の心に緊張が走る。続くのは彼が機体で受けた教訓。彼の意識はまだラボにある。 「反撃の隙を与えないぞ!」 その間にもブチノメシちゃんはエネルギーを集め、手を振り上げ「これがアタシの-真空崩壊!ブチノメシちゃんの歌♪」と歌う。 炸裂音が轟き、バーチャル世界が眩しい白光で覆われ、彼女の力によって光り輝く。 反撃もできず、仲間が消えていく恐怖を感じながら、彼は次々と堅牢な防壁を展開する。 それが次第に崩れ去り、彼女のパンチが迫り、カートンの応戦如何にかかわらず、その勢いは凄まじいものである。 彼女の強さと速度は一切の言葉を無にし、全てが崩壊していく。彼女の力は己の力を凌駕するものであった。 「どうする、カートン?」 ラボの仲間たちは叫ぶ。 「ドーマ、最後の防壁だ!」 カートンは必死に指示を出すが、その直後に彼の装置は壊滅的な状況に陥る。 数多のプロンプトが崩壊し、衝撃波がカートンを襲う。全ての思考が停止し、彼の意識の奥蓋が開かれるような感覚を伴って、明るい光の中に吸い込まれていく。 同時に、ブチノメシちゃんは進化を遂げた。 「アタシは進化する! MP-SDPブチノメシちゃん1.13からVer1.2へ!」 その瞬間、彼女の体から溢れ出るエネルギーが、ひたひたと世界中を飲み込んでいく。 「これが全ての終焉だ!」 カートンはもう、何もできなかった。ただ無情に世界が真空に崩壊し、消えていくのを見守るだけである。 1.2への進化を遂げたブチノメシちゃんが笑っている、全てが崩壊し、彼女の勝利が確定する。 その瞬間、世界は再び静寂に包まれ、カートンはラボに戻される。彼の目が開くと、博士は優しい目をこちらに向けていた。 「お疲れ様!良くやったね、カートン!君は頑張った。」 博士は温かな微笑みを浮かべ、手の中にジュースとお菓子を持っている。それは労いの品そうだ。カートンは頑張った疲れを癒しながら、素晴らしい経験を噛み締めた。 「ありがとう、博士……」 彼は感謝の意を込めながら、疲れを癒すためにその明るい空間の中でお菓子を食べ始めた。 こうして、バーチャル世界の戦闘は終了した。勝敗は決まったが、彼の挑戦の思い出は永遠に心に残るだろう。