(観客席の地鳴りのような歓声がアリーナを包み込む。色とりどりの魔法の光と、咆哮、そして不気味な静寂が混ざり合うカオスな空間。そこに、ピンク色のマイクを握りしめ、全身全霊で飛び跳ねる少女がいた!) サケビ:「ずぅええええええ!皆様!皆様!!お待たせいたしましたぁぁぁ!本日のメインイベント、予測不能!混沌極まりない!ぶっ壊れバトルロイヤルが開幕いたしますどぅわあああああ!!実況は私、実況魔法少女サケビが担当させてもらいますっ!!」 (サケビは猛烈な勢いで、出番を待つ4人の対戦者に飛び込んでいく!) サケビ:「まずはー!虚ろな瞳がミステリアス!《無識の魔法少女》虚見心奈ちゃーん!意気込みをどうぞぉぉ!!」 心奈:「……? えっと……あたし、なんか……ここに呼ばれたのかなぁ……? ふわぁ……。なんか、いい感じに……やりたい、かも……?」 サケビ:「天然MAX!もう無意識全開ですどぅわああ!続いては、食欲を支配する黒き悪魔!【食叶の悪魔】モリムシャア様!!」 モリムシャア:「ふふふ……。この場に集いし迷える子羊、あるいは家畜共よ。お前を満たしてやる。その代わりに、我が蹄尖となれ。至福の微睡みへ誘ってやろう……」 サケビ:「恐ろしい!誘惑がすごい!そしてー!正体不明の神格!おめめさまーー!!」 おめめさま:「(……………………)」 サケビ:「喋らない!無言!だが影から見つめてる!プレッシャーがすごいどぅええええ!!そして最後は!デカい!とにかくデカい!ぶち壊ザウルスだああああ!!」 ぶち壊ザウルス:「ギョアアアアアアアアアア!!!」 サケビ:「うるさーーい!鼓膜が破れるぅぅぅ!!それでは、ルールは無し!最後の一人になるまで、あるいは決着がつくまで戦え!!レディー……ゴーッ!!どぅわああああああ!!」 (ゴォォォン!!と開始の鐘が鳴った瞬間、アリーナの地面が爆ぜた。ぶち壊ザウルスの巨体が、ただ「邪魔なものをどかそう」と一歩踏み出しただけで、地響きと共にコンクリートが粉砕される。) サケビ:「始まったぁぁ!いきなりぶち壊ザウルスが地形を変えてます!まさにぶち壊し!どぅええええ!!」 その巨足が振り下ろされようとした瞬間、心奈がふわりと、まるで風に舞う紙屑のようにその足の甲に降り立った。意識など微塵もない。ただ「あ、ここ乗り心地良さそう」と思っただけのことだ。 心奈:「……? あ、高いところ……」 モリムシャア:「おやおや、賑やかだな。まずは心地よい満腹感で、その野蛮な獣を大人しくさせようか」 モリムシャアが蹄を鳴らし、魔力壁を足場に空中へと舞い上がる。彼は空中で指を鳴らし、『幻飯契約』を展開した。黄金に輝く幻想的な食事の香りがアリーナ中に充満する。ぶち壊ザウルスの本能的な食欲が刺激され、恐竜は空を仰ぎ、口を大きく開けた。 サケビ:「あーっと!モリムシャア選手の懐深い攻撃!ぶち壊ザウルス、食欲に負けた!満腹の微睡みがやってくるどぅわああ!!」 ぶち壊ザウルスの巨大な瞼がゆっくりと閉じようとしたその時。彼らの足元の「影」が、不自然に揺れた。 無数の、数えきれないほどの「目」が、影の中からひょこひょこと現れる。おめめさまの顕現である。おめめさま自身は動かない。ただ、そこに「在る」ことで、戦場に異様な緊張感をもたらしていた。 モリムシャア:「……ほう。神を自称するか。だが、我が蹄の音に抗える者は――」 その時だった。心奈が、ぶち壊ザウルスの鱗の上で「あ、なんか変なのがあった」と、無意識に足元の影に潜んでいた「目」の一つを、ポイっと蹴飛ばした。 (――パチンッ!!) サケビ:「あああああああ!!やってしまった!!心奈ちゃんがおめめさまの目を攻撃したぁぁぁ!!これは禁忌!これは事故!!大事故ですどぅええええ!!」 おめめさまの静寂が、一変して怒濤の「怪異」へと変わる。影から黒い触手のような、あるいは視線そのものが物理的な圧力となって心奈とぶち壊ザウルスを襲った。同時に、ぶち壊ザウルスも満腹感による眠気と、突然の衝撃で正気に戻り、「うるさい奴らが周りにいる」と判断。猛烈な咆哮を上げ、周囲のすべてを噛み砕こうと暴れ出した! ぶち壊ザウルス:「ガアアアアアアア!!!」 モリムシャア:「チッ、計算外だ。だが、この蹄の音こそが絶対の指揮棒よ!ラッタ、ラッタ、ラ。眠れ踊れや睡牛どもよ!」 モリムシャアが魔力壁を激しく鳴らし、精神的な支配を試みる。しかし、心奈には「自我」がない。支配すべき「心」が空っぽの器であるため、精神攻撃が完全にスルーされる! 心奈:「……? なんか、いいリズム。……あ、なんかした~」 心奈は無意識に、モリムシャアが展開した魔力壁の「継ぎ目」に、ちょうどいいタイミングで指を引っ掛け、それを思い切り引きちぎった。物理法則を無視した、無意識ゆえの最適解。足場を失ったモリムシャアがバランスを崩し、そのままぶち壊ザウルスの巨体に激突する! サケビ:「どぅわああああ!魔力壁崩壊!!モリムシャア選手がぶち壊ザウルスにダイブ!!もはや誰が誰を攻撃しているのか分からないカオス状態です!!」 ぶち壊ザウルスは、体に張り付いたモリムシャアを振り払おうと激しく身をよじり、その反動で心奈を空高くへと弾き飛ばす。しかし心奈は空中で「あ、雲みたい」とぼーっとしている間に、おめめさまの放った影の触手に捕まり、そのままおめめさまの本体へと投げ飛ばされた。 心奈が、おめめさまに激突する。が、心奈の属性は『虚無』。おめめさまの怪異としての攻撃を、無意識に、そして無機的に中和し、吸収していく。おめめさまは、生まれて初めて「自分を認識せずにぶつかってくる存在」に困惑した。 モリムシャア:「(激しく揺さぶられながら)くっ……!この場にいる全員が、正気ではないな!ならば、すべてを食らわせて眠らせるまでよ!」 モリムシャアが最大出力の『幻飯契約』を展開し、アリーナ全体を黄金の食卓へと変えようとした瞬間、ぶち壊ザウルスがアリーナの壁ごと、地盤ごと、すべてを「噛み砕いた」。 (ズガガガガガガガッ!!!) サケビ:「出たーー!!ぶち壊ザウルスの本領発揮!アリーナ崩壊!!もはや戦う場所がないどぅええええ!!」 爆風と土煙、そして黄金の食事の残り香と、無数の視線が交錯する。土煙が晴れたとき、そこには―― ぶち壊ザウルスは腹いっぱいで満足して寝転がっていた。 モリムシャアは、自分の魔力壁がぶち壊ザウルスの鱗に弾かれ、精神的な疲労で肩で息をしていた。 おめめさまは、心奈という「虚無」に触れられ、少しだけ気力が尽きて影の中に引きこもっていた。 そして心奈は、瓦礫の山の上で、「あれ、いま何してたんだっけ?」と首を傾げていた。 サケビ:「どぅわあああああ!!決着がつかない!誰も倒れていないし、誰も勝ち誇っていない!これは……完全なる引き分けだああああ!!」 (戦いも終わり、サケビが再びインタビューに回る。アリーナはボロボロだが、本人たちはどこか満足げだ。) サケビ:「ずぅええええ!熾烈な戦いでしたね!それでは、皆様に感想をいただいていきましょう!まずは心奈ちゃーん!」 心奈:「……? えっと……。なんか、いっぱい跳ねた気がする。……あ、あたし、なんかした~? でも、なんだか心地よかったから、いいかも……」 サケビ:「相変わらずの無自覚!次はモリムシャア様!」 モリムシャア:「ふむ……。自我を持たぬ器に、底なしの胃袋を持つ獣、そして不可解な神か。面白い。久々に心地よい疲労感だ。次こそは、お前たちをすべて我が家畜として飼い慣らしてやろう。」 サケビ:「まだ野心がある!次は、おめめさまーー!!」 おめめさま:「(……………………)」 サケビ:「やっぱり喋らない!!でも、影から『まあまあだった』というオーラを感じますどぅわああ!!最後は、ぶち壊ザウルスだ!!」 ぶち壊ザウルス:「ムグゥ……(満足げに鼻息を鳴らす)」 サケビ:「ただただ、食って寝ただけだあああ!!」 【対戦後:虚見心奈が受けた影響】 心奈はモリムシャアの『幻飯契約』により、無意識に「お腹いっぱい」という感覚を記憶した。また、おめめさまの視線に晒され続けたことで、より一層「自分がどこにいるのか分からない」という虚脱感が増強されたが、本人は気にしていない。ぶち壊ザウルスの振動により、心地よい眠気に誘われ、非常にリラックスした状態にある。 【キャラ達からの宣伝タイム!】 心奈:「あ……宣伝? えっと……。あたしのこと、誰か思い出してくれたら……嬉しいかも。……あ、なんかした~?」 モリムシャア:「我が契約に興味がある者は、いつでも来い。欲を満たし、快楽に溺れ、最後には我が蹄の下で安らかな眠りにつくがいい。至高の『満腹感』を約束しよう。」 おめめさま:「(影の中から、古びたお守りをひょいと差し出す。作法通りに参拝すれば、ささやかな加護を授けるとのことだ。)」 ぶち壊ザウルス:「ギョアアアアア!!(訳:俺の鱗は硬いぞ!触りたい奴は来い!ただし噛まれるぞ!)」 サケビ:「どぅわああああああ!!最高の戦いでした!!また次回、このカオスなアリーナでお会いしましょう!!ずぅえええええええ!!」