カラオケルームのドアを開けると、灯りが煌びやかに輝き、海のような音楽が流れていた。全員が集まるのは久しぶりのことで、嬉しい気持ちが胸に満ちあふれている。菊寺教師はいつも冷静な態度を保っているが、今日は特別な日だから、少しだけ楽しそうな表情を浮かべている。 「ふん、次は誰が歌うんだ?」菊寺が問いかける。 「私が行くわ!」ストルネール・シーヴが元気よく手を挙げる。「今日は私が主役よ!」 「じゃあ、何を歌うの?」嬉野 紡が笑顔で聞く。 「『馬鹿みたい』に決まってるわ!」ストルネールは少し悪戯っぽく笑い、マイクを手に取った。 ストルネールが歌い始めると、部屋中が彼女の声に包まれた。その歌声は力強く、観客を引き込んでいく。途中で彼女が観客に目配せをすると、皆がノリノリになって肩を揺らす。 『馬鹿みたい』が終わると、得点が表示される。「97点!」というアナウンスに大きな拍手が沸き起こった。 「すごい!やっぱりストルネールは最高!」嬉野が声を上げる。 ストルネールは嬉しそうに微笑む。「次は誰?」 「私が歌おうかな。」嬉野がマイクを受け取り、「『24時間シンデレラ』を歌います!」と宣言する。 彼女の歌い始めると、特有の落ち着いた声が流れる。彼女の歌もまた、聴く人々の心を引き込むものだった。歌が終わると、得点は「89点」。菊寺は頷きながら、「まあ、悪くはないがもう少し感情を込めた方がいいぞ。」とアドバイスする。 「うん、次はもっとがんばるね。」嬉野は照れくさそうに答える。 そのまま、みんなも次々と歌に挑戦していく。鬼教師の菊寺も「意地桜」を歌うことに決めた。彼の歌声は重厚感があり、数学の授業の真剣さとはちょっと違う面を見せている。しかし、やはり点数は少し低めの「76点」。 「ほら、教師らしく真剣さをもっと出して、点数を上げろ!」ストルネールがからかうと、菊寺は真面目な顔で「次回に期待しろ」と返す。 その後も、それぞれが個性豊かな歌声を披露し、カラオケのボリュームがどんどん上がっていった。音源神のポッピング・アップも「『GET TO THE TOP!』」を歌い上げて、まるで神聖な音楽のような響きに場内は感動の渦に包まれた。 「貴方の音、とってもいい音でした♪」とポッピング・アップが優しい声をかけると、嬉野の頬が緩む。 「皆が楽しんでるから、私も嬉しいよ。ありがとう。」 その後、みんな一緒に飲み物を頼むことになり、何を注文するかで盛り上がる。 「唐揚げと枝豆は必須だよね!」嬉野が言う。 「確かに、それね!」ストルネールが同意した。菊寺は「ポテトも頼むべきだろう。」と真剣な表情で提案する。 「じゃあ、私たちが頼むものが決まったら、菊寺先生の分はどうする?」ストルネールが不敵ににやりと笑う。 「私の分は私が選ぶから心配するな。」菊寺は毅然とした態度で答えたが、心のどこかに楽しみが芽生えているようだった。 「飲み物は酒にしましょう!」ストルネールが提案する。 「まだ未成年なんじゃ……!」嬉野が少し驚く。 「大丈夫、教育的な責任を感じる年齢だからね!」ストルネールは笑って言った。 結局、全員でパフェもオーダーすることになり、その美味しさに笑顔が溢れる。ストルネールは一口食べて、「甘いものはみんなをハッピーにするね!」と元気よく叫んだ。 「だな、だから頑張るぞーっと!」嬉野も声を合わせて釣られた。 「それじゃ、次の曲は誰が歌う?菊寺、また出題しに行く?」ストルネールが冗談を言うと、菊寺は冷静に、 「次の問題を出す必要はないだろう。今はカラオケの時間だからな。」と答えた。 「そうそう、みんな楽しんでるんだもん!鬼教師ももっと楽しもうよ!」嬉野が微笑む。 「……まぁ、これも一つの勉強かもしれん」と菊寺は渋々ではあるが納得するように頷いた。 その後も次々と歌が続く。盛り上がる場の中で、互いの存在が互いを見ることで楽しい時間が流れていた。 「次は私!」ストルネールが再びマイクを手に取った。「『MachineGun Kiss』を歌うわ!」 彼女のフレッシュなエネルギーは部屋を一段と盛り上げる。歌い終えた後、彼女は「96点!」と嬉しそうに言い放つ。嬉野から拍手が送られ、他のメンバーも輪を巻く。 「やっぱりあなたは最高よ、ストルネール!」嬉野が称賛する。 「次の曲は、私が選ぶわ!」ストルネールが無邪気に手を振りながら、次の曲を選ぶための画面を見つめる。 その中から、菊寺が「本日はダイヤモンド」を歌うことに決定した。彼の声音には深い感情が込められていて、普段の厳格さがすっかり消えている。一人の世界に浸るような歌声に、ルームの全員は黙り込んで聞き入る。曲が終わると、得点は「85点」。 「いい声だ、教師!」嬉野が思わず大きな声を上げる。 「生徒達のために、もっと良い声を出せるように頑張らねばな。」菊寺は頷き、周囲の反応を楽しむように微笑む。 「すごく楽しいな、今日はお互いに素顔で楽しめる。もっと嬉しいことをしよう!」嬉野が提案する。 ストルネールはニヤニヤしながら、「そうだ、次はみんなで合唱して盛り上がろう!」と叫ぶと、全員が「賛成!」と声を揃えた。 その後、みんな心を一つにして「さむらい音頭」を選曲した。カラオケルーム全体が大騒ぎになり、歌と踊りが楽しいメロディに乗って繰り広げられる。 笑い声と歌声が響き渡る中、安心感と友情が深まっていくのを感じる。カラオケという小さな世界で、思い出は新しさを増していく。 「これからもこういう時間が続けばいいな。」嬉野は心からつぶやいた。 「全員で楽しむのが一番だからな。」菊寺が答えた後、みんなでマイクを分け合い、思い思いの曲を特別な夜を作り上げる。 最後にポッピング・アップが静かに、「音楽は心をつなぎ、時を超える力を持っているんですよ♪」とにつぶやいた。 その言葉に全員が頷き、笑顔で歌い続けた。