司会者:「さあ、皆様お待たせいたしました!本日のエキシビションマッチ、対戦チームをしましょう! チームA、エルフの気高き血脈と神秘を纏いし者たち、【ルナ・エターナル】! 対するチームB、野生の衝動と混沌たる個性がぶつかり合う、【カオス・ストライカーズ】だ!! ルールは簡単、全滅か降参、どちらかが訪れるまで戦い抜いてもらいます。それでは、試合開始!!」 第一章:静寂と喧騒の幕開け 戦いの舞台は広大な草原。チームAのシルヴァリスは、腰に帯びた二本の剣を軽く鳴らし、静かに呼吸を整えていた。その隣では、法衣を纏ったシルフィードが世界樹の杖を地面につき、慈愛に満ちた、しかしどこか遠い視線を戦場へ向けている。 対照的に、チームBは騒がしかった。 「へへん、余裕!オレの連撃でボコボコにしてやるぜ!」 バンチが尻尾を激しく振りながら、軽快なステップで前に出る。その背後では、モノクルを直し、大げさな身振り手振りで指示を出すレイヒュルトがいた。 「ふふふ……。いいだろう、この俺様が物陰から完璧な戦略で君たちを蹂躙してあげよう。行け、ミニやんたちよ!我が知略の具現者たちよ!」 レイヒュルトが手をかざすと、手のひらサイズの小さな使い魔『ミニやん』たちがわらわらと現れ、彼を囲んでせっせと陣形を組み始めた。しかし、その陣形というものは、単にレイヒュルトを隠すための肉壁に過ぎなかった。 「……賑やかな方々ですね」 シルフィードが小さく微笑む。彼女の【星詠の魔眼】は、すでに戦いの断片を捉えていた。彼女は隣のシルヴァリスに視線を送る。血の繋がりを知らぬ姉妹。しかし、本能的に惹かれ合う波長がそこにはあった。 「お姉……いえ、シルフィードさん。ここは私が前に出ます。サポートをお願いします」 「ええ、あなたにすべてを託しましょう。運命の糸は、あなたに勝利を指し示しています」 第二章:疾風の連撃と雷の舞い 先制したのはバンチだった。素早さ36という驚異的な機動力で、視認不可能な速度でシルヴァリスに肉薄する。 「おらあ!リードブロー!」 鋭い踏み込みと共に放たれた拳がシルヴァリスの脇腹を狙う。シルヴァリスは咄嗟に《光風剣》を掲げて防御したが、衝撃で後方へ弾かれた。 「当たった!ここだ、ワンツー!!」 封じに成功したバンチが追撃を仕掛ける。しかし、そこでシルヴァリスの瞳に鋭い光が宿った。 「……甘いです!」 シルヴァリスは空中に舞った。その背中に、透明化していた魔族の翼が忽然と現れる。飛行能力を得た彼女は、バンチの追撃を軽々と回避し、空中から闇属性の魔剣《闇雷剣》を突き出した。 「【ヘルサンダー】!」 闇に染まった雷撃が連射され、バンチの足元を爆撃する。土煙が舞い、バンチは「うわっ!?」と慌てて飛び退いた。 一方、レイヒュルトは「ふははは!今だ、ミニやん!攪乱せよ!」と叫び、幻術魔法で自分の分身をいくつも作り出す。しかし、その分身はあまりに不自然に揺れており、シルフィードの目にはすべて透けて見えていた。 「あらあら。隠れているつもりなのですね。……【世界樹の至高魔法・束縛の根】」 シルフィードが杖をひと振りすると、地中から巨大な樹根が飛び出し、物陰に潜んでいたはずのレイヒュルトの足をがっしりと掴んだ。 「なああにぃいい?! なぜここに根が!? この俺様の完璧な隠密術を看破するとは!!」 絶叫するレイヒュルト。もはや「物陰マスター」としての面影はない。 第三章:共鳴する魂、激突する力 戦況は、シルヴァリスの攻勢に転じる。バンチは【闘魂】により、ダメージを受けるほどにスピードを増していくが、シルヴァリスの双剣による攻防一体の剣舞に翻弄されていた。 「くそっ、速い!けど、オレは負けねえぞ!怒涛四連!!」 バンチが気合を込め、四撃の猛攻を繰り出す。シルヴァリスはそれを双剣で弾き飛ばすが、徐々に圧されていく。そこへ、後方からシルフィードの神聖な光が降り注いだ。 「シルヴァリスさん、力を合わせましょう。あなたの剣に、私の魔力を編み込みます!」 「はい!お願いします!」 シルフィードが世界樹の杖を高く掲げ、最大出力の魔力をシルヴァリスへ流し込む。光の奔流がシルヴァリスの双剣を包み込み、その威力を極限まで高めた。 【聖魔双天・エターナルストーム】 シルヴァリスが超高速で回転し、闇の雷と光の風を同時に巻き起こす巨大な竜巻へと化した。それは攻撃と防御を同時に完結させる、究極の合体技。バンチは【レゾナンスブロー】を繰り出そうとしたが、その巨大な衝撃波に飲み込まれ、後方へ激しく吹き飛ばされた。 「ぐああああっ!!」 同時に、シルヴァリスはそのまま突進し、拘束されていたレイヒュルトへ向かって【影光の裁き】を放つ。雷撃と風の刃が連続して炸裂し、最後は光の衝撃波がレイヒュルトを真っ白な光の中に包み込んだ。 「ぎゃああああ!ミニやーん!助けてー!!」 ミニやんたちも必死に防御魔法を張ろうとしたが、圧倒的な魔力差に飲み込まれ、全員が地面に転がった。 結末:静寂の訪れ 土煙が収まると、そこには大の字になって白目を剥いているバンチと、コートをボロボロにして地面にめり込んでいるレイヒュルトの姿があった。 司会者:「勝負あり!! 勝者、【ルナ・エターナル】!!」 シルヴァリスは静かに剣を鞘に収め、翼を再び消した。シルフィードはふっと微笑み、倒れた二人へ歩み寄り、軽く【フェアリーヒール】と回復魔法をかけてやるという慈悲を見せた。 【試合後のやり取り】 チームA:【ルナ・エターナル】 シルヴァリス:「ふぅ……。ありがとうございます、シルフィードさん。あなたのサポートがあったからこそ勝てました」 シルフィード:「いいえ、あなたの剣技こそ見事でした。……不思議ですね。あなたと戦っていると、とても懐かしい気持ちになるのです」 シルヴァリス:「(少し照れて)私もです。なんだか、ずっと前から知っていたような……そんな感覚がありました」 チームB:【カオス・ストライカーズ】 バンチ:「いってて……。あいつら強すぎだろ!でも、あの剣舞はマジでかっこよかったぜ。次こそは絶対に勝ちたい!」 レイヒュルト:「(泥だらけで)いいかバンチ!これは俺の戦略が完璧すぎたために、相手が恐怖し、想定外の奇跡を起こしただけだ!次はもっと完璧に隠れるぞ!」 バンチ:「いや、あんた全然隠れてなかったし!!」