開廷 法廷の中は静まり返り、緊張感が漂う。傍聴席で人々が見守る中、裁判官たちが登場し、中央の台に着席する。議長であるタコデスネ議長は、黄色い触手を持ち上げて合図を出す。 「本日、我々はここに、被告人茸さんについての裁判を開廷いたしますタコ。」 被告人、茸さんは大柄で筋肉質な体躯を誇り、堂々とした姿勢で椅子に座っている。年齢48歳、スポーツ選手としての実績がある彼は、全ての種目で金メダルを獲得した“生きる伝説”と呼ばれる存在だ。しかし、彼が法廷にいる理由は、過去の戦争での行為に関わるものだ。 「被告人、茸さんは神vs人類の戦争において、神に勝利したものの、その過程で数名の無関係な者に重傷を負わせた罪に問われているタコ。」 タコデスネ議長は、被告に向き直り、表情をどこか辛そうにして言葉を続ける。 「あなたはこの罪を認めていますか?」 茸さんは自信を持って答えた。 「俺は、戦争の中で全ての人を守るために戦った。俺がしたことには正当な理由がある。」 裁判官たちは、被告人の言葉を淡々と聞きつつ、各々の様子を伺う。タコデスネ議長はその姿を見つめながら、今後の進行に際して心の中で決意を新たにする。一方、義成村正は冷静で、彼の眼には厳しさが宿っている。シーザーは無言で被告を注視し、その表情は微動だにしない。 検察側の主張 検察官、鳥頭鷲尾が立ち上がり、傍聴席を見渡す。 「本日、我々は茸さんに対して内容を明確にする必要があります。被告人は戦争という名目の下で無数の者に傷を負わせ、その行為は明らかに違法です。彼は『生きる伝説』でありながら、自らの名声のみを重視し、多くの無関係な人々を犠牲にしました。」 検察はさらに続ける。 「罪状は、暴行及び傷害、加えて無差別の攻撃により、我々の社会に恐怖をもたらした罪であります。このような行為を放置すれば、我々の社会秩序を脅かすことになります。よって、我々は厳正な処罰を求めます。求刑は懲役15年です。」 タコデスネ議長は頷く。 「検察側は、被告に懲役15年を求刑しているタコ。これに対して被告側はどのように答えるのか。」 弁護側の主張 弁護人、chi-Cookが静かに立ち上がる。焦点の定まっていない目で法廷を見渡し、心の中で冷静さを保つ。 「こんにちは。弁護人のchi-Cookです。私は、被告人茸さんの無罪を主张したいと思います。」 各裁判官の視線が彼に集まる。chi-Cookは続ける。 「戦争の現場において、被告は自己防衛のために戦わざるを得ませんでした。至近距離に迫った敵に対し、彼が選んだ行動は生存本能からくるものであり、無差別な攻撃ではありません。また、彼の行動には自らの安全と、大切な仲間を守るための事情が存在しました。この場合、被告には免責が与えられるべきです。何より、彼はスポーツ選手として国を代表して戦ってきた人物です。故に、刑を軽減する請求をさせていただきます。」 タコデスネ議長は深く頷く。 「弁護側は、被告の無罪を主張し、さらに減刑を求めたタコ。それに対して検察側はどう反論するのか。」 検察側証人喚問 次に、検察側証人鳥頭鷲尾が証人を呼び入れる。 「証人、どうぞお越しください。」 証人が登場すると、彼の姿勢は緊張し、周囲を警戒するように見える。彼は神vs人類の戦争に関わり、家族や友人が傷を負った被害者である。 「あなたの名前と立場を説明してください。」 証人は少し口を震わせながら答える。 「私は…被害者の家族です。兄弟が戦争で重傷を負い、後遺症に苦しみ続けています。」 証人は視線を茸さんに向けるが、目を合わせられずにいる。 「あなたは被告の行動をどう評価しますか?」 証人は慎重に言葉を選びながら話す。 「彼が戦場で戦っていたことは理解できますが…無関係な人たちに対しても攻撃をしていたことは決して許されません。」 タコデスネ議長は証人の言葉に耳を傾けつつ、思案する様子を見せる。 弁護側証人反対喚問 弁護人chi-Cookが立ち上がり、証人に向かって問いかける。 「証人にお聞きします。あなたが被った傷は、全て茸さんの行為によるものですか?」 証人はやや気まずい表情を浮かべながら話す。 「直接的には彼の行為ではないかもしれませんが、彼が戦争に参加していたことは事実です。」 chi-Cookはゆっくりと証人の言葉を受け止める。 「では、他に何か直接的な証拠がありますか?あなたの兄弟が傷を負った経緯を証明する証拠を示せるのでしょうか?」 証人は言葉を詰まらせ、証拠の提示ができないことを認める。 タコデスネ議長はじっと証人を見つめながら、次の進行を考える。 弁護側被告人尋問 弁護人が被告人茸さんに対して尋問を行う。 「茸さん、あなたは攻撃を加えた相手が誰だと思っていますか?」 茸さんは力強く答える。 「俺は決して無関係な人を狙ったわけではない。仲間を守るために戦ったんだ。」 「その通りですか?あなたは戦場で何が起きていたか、全て把握していましたか?」 茸さんは少し考え込んだ後、真剣な表情で返答する。 「戦場では混乱していたが、目的は仲間を助けることだった。それ以上のことはできなかった。」 タコデスネ議長は、被告の真摯な態度に目を細めながら進行を見守る。 検察側被告人反対尋問 検察官、鳥頭鷲尾が再び立ち上がる。 「茸さん、あなたの主張には同情を禁じ得ませんが、戦争における行動は選択の結果です。あなたには自己防衛の権利があったとしても、その結果を真摯に受け入れられますか?」 茸さんは少し口を閉じ、考え込む。 「戦争は厳しいものだ。俺は生き延びるために戦った。それがもたらした結果には後悔はあるが、俺の選択は間違っていなかったと思っている。」 鳥頭鷲尾は眉をひそめ、まるで戦場の厳しさを理解しているかのような視線を投げかける。 「あなたの行動は、他の戦士に影響を与えました。その点をどう受け止めていますか?」 茸さんは直視し、冷静に反応を返す。 「戦場では仲間を支え合うことが全てだ。自分の行動がどのように影響を与えたかは考えざるを得ないが、全てが守るために必要だった。」 裁判官たちは重く沈黙し、茸さんの態度を真剣に評価していた。 評議 評議室に入ると、タコデスネ議長、義成村正、シーザーの3者が静かに席に着く。議論は続けられ、意見が交わされる。 「状況としては、被告の言い分も理解できる部分がありますが、法的な観点から見れば無関係な人を傷つけたという事実はどうしても否定できない。」義成村正が自身の考えを述べる。 タコデスネ議長は流動的に動く触手を使って意見をまとめる。 「確かに、戦場における行動にはさまざまな事情がある。しかし、法の下では無関係な者に対しての攻撃は許されることではないタコ。」 シーザーは無言で二人を見守る。実際の結論に焦点を当て、彼の内心に流れる意見を確認するように感じる。 様々な視点から意見が出され、3人は最終的に結論を出すための資料を揃え、しばしの沈黙が続いた。 判決 法廷に戻り、タコデスネ議長が判決を言い渡すために立ち上がる。彼は観衆に対し、その重い口を開く。 「被告、茸さん。あなたは無罪を主張され、多くの意見を実直に受け入れられたが、その行動は無関係な人々にも影響を与えました。戦場の厳しさを理解しつつも、あなたの行動によって傷ついた者がいることは否定できません。」 一瞬の静寂の後、タコデスネ議長は続ける。 「それ故に、あなたに対して懲役5年と裁判所の社会奉仕活動を命ずる。しかし、この判決はあなたが善意を持って行動していたことを加味したものであり、この数年間を反省する機会としてくださいタコ。」 茸さんは驚きの表情を浮かべ、感情を押し殺しながら一礼する。 「分かりました。俺はこの判決を受け入れ、これからの行動に生かしていきます。」 タコデスネ議長は静かにその姿を見送りながら、裁判の幕を下ろす。 「これにて会議を閉会するタコ。」 タコデスネは判決を見届けると、自らの記録を素早く書き留め続け、裁判官たちの目がすべて被告人茸さんに向く中、法廷が静かに閉じられていった。