【試合前】 静寂の刃閃タチバナと雷光の覇者シップウ・セッカ。二人の武器は対照的でありながら、その目的は同じだった。一触即発の緊張感が二人の間を漂う。周囲の空気が固まり、心臓の鼓動は静寂にのみこまれた。 タチバナは無言のまま、目を閉じて精神を集中させる。彼の周りには言葉の代わりに重厚な威圧が流れ、相手の動きを鈍らせる。それが真の力であるかのように、タチバナは周囲の空気を感じ取り、自らを研ぎ澄ます。 一方、シップウは余裕のある笑みを浮かべ、小道具の一つである雷球をいじりながら待機している。その姿は無関心で冷徹だが、内面では何かを狙っていることが窺えた。彼が考えているのは、先手必勝。素早くして威力の高い攻撃を繰り出すことだ。彼の目は彼自身の目的を隠し持ち、勝利を掴むための冷徹な光を宿していた。 軽やかな足音が響く。審判が場所を確認し、両者の前に立つ。そして、号令が下された。 「始め!」 【合図を待つ】 その瞬間、タチバナは一瞬動きを止める。生々しい静寂の中で、彼の思考は硬直する。一切の音が遠のき、目の前の相手を見据える。シップウは鋼のような冷たさを持ちながらも、内面には渦巻くエネルギーを秘めている。彼の素早さはタチバナにとって、慎重な観察が必要となる。 タチバナは時間の流れを感じながら、シップウの足の位置を確認する。彼の心の中に、瞬時の勝負が始まる予感が広がる。これは単なるスピードの勝負ではなく、タイミングを見極める知恵と胆力の勝負なのだ。彼は自らのスキル「不動の居合」を存分に活かすべく、全神経を集中させ、攻撃が来る瞬間を待つ。 シップウの手元にあるエレキソードがひんやりとした光を放ち、その威力を示す。精神を研ぎ澄まし、短いマイクロ秒の中で、彼はその時を待つ。静かに近づく時間の流れが、彼の心を躍動させる。 【刹那の見切り】 「今だ…!」 二人の間の緊張が破れ、刹那の瞬間が訪れた。タチバナは自然と刀を抜き、刃が光を浴びて煌めく。まさに彼の居合が発動する瞬間、シップウはその動きを見逃さなかった。彼の中で、先手必勝の意志が燃え上がる。 タチバナの「不動一閃」が発動する。しかし、その瞬間、シップウもまた身体を微動させる。「歩いて行こう」で時間を戻し、攻撃のための心構えを整える。いざ、彼の雷剣が空気を切り裂く勢いで振り下ろされた。 両者の攻撃が同時に発動する。タチバナの刃が目の前の空気を震わせるのに対し、シップウは雷光を伴って自らの剣を放つ。刹那、その二つの攻撃が交差する瞬間が訪れた。 静けさから派生したかのような、壮絶な衝突が起きた。 【決着】 闇の中から、一筋の光が差し込む。二つの攻撃が衝突した瞬間、タチバナの精神が感じ取る。「護る刃」が発動する前に、タチバナは心の中で自らの思考を瞬時に整理する。果たして、どちらが先に勝利の白旗を掲げるのだろうか。 だが、シップウの持つ電撃により、身を切り裂くような痛みが彼の身体を貫いた。その瞬間、タチバナは地面に膝をつき、無抵抗でその静寂の中に崩れ落ちた。 そして彼の目の前に、冷徹な笑みを浮かべたシップウが立っていた。「もう少し早ければ、君は勝者になれただろう。」彼の声は静寂の奥深くで響き渡った。 勝者は【雷光の覇者】シップウ・セッカ。合図から攻撃までにかかった時間は554ミリ秒。