ある日、静かな街の広場で不穏な雲行きが漂っていた。頭に魚を載せた猫・マスターDが、審判として立つと、彼の周りには3人のキャラクターたちが集まっていた。彼らの目には熱く対戦の火花が宿っている。しかし、マスターDは悠然とした表情で試合の進行を見守る。 「さあ、選手の皆さん、準備はできたかな?」マスターDの声が響く。 ウキクは静かに頷き、白い髪が優雅に揺れる。彼女の赤い目が鋭く対戦相手を見据える。 ペーパーは紙のようにしなやかに身をゆらし、鋭い現実感を持って立ち上がる。 黒猫は不気味に微笑みながら、自身の懐に手を入れ、数々の罠を感覚的に把握している。 「それでは、いざ、戦闘開始だ!」マスターDが合図を出すと、場が静まり返り、各選手は瞬時に動きだした。 まず静かなる戦士、キメラ少女ウキクが動いた。彼女はスリムな身体を生かし、回避主体の動きでペーパーの前に飛び込む。 「……」ただ一言、声を発する。彼女の真価を知るための第一歩を踏み出した。 一方、ペーパーはヒラリと身を屈め、ウキクの攻撃を意識して避けつつ、紙の手裏剣に変形して高速でウキクへ向かっていく。しかし、ウキクはその足音を捉え、反応することができた。彼女は「兎の耳」のスキルを使ってすぐに飛びのく。 「どこへ行く、ウキク?」ペーパーは早くも再び攻撃を仕掛ける。「絶対切断!」彼の叫びと共に、ウキクの目の前に存在する障害物が切断される音が響いた。 ウキクはその動きに合わせて壁を作ろうと、彼女のスキル「蜘蛛の糸」を発動させる。しかし、ペーパーの攻撃はあまりにも速く、完璧に回避する。3枚の紙切れが勢いよく舞い、ウキクを取り囲むように飛んでいく。 「…!」ウキクはその紙の刃が自身の皮膚に当たる前に、飛び蹴りの姿勢を取る。強靭な後ろ足で地面を蹴り、空中で反転しながらペーパーを刈り取る。「飛び蹴り!」 しかしペーパーはその前にすでに避けており、軽やかに横によける。 「痛くも痒くもない! 紙だからな!」ペーパーは余裕を持って再度攻撃を仕掛ける。ウキクは近距離からの攻撃を受け止めようとするが、彼女がそれを見切れない瞬間が訪れた。 そのすきを突いて、黒猫が魔術のトリッキーさを発揮し、周囲に多重結界罠を展開し始める。「逃げながら罠を展開するのが私の得意技。さぁ、覚悟して!」 ウキクはその声を聞いて、警戒し、巧みに動きながら多重罠の配置に気を付けている。 「…大丈夫、回避は得意だから」彼女は小声で反論しつつ、ペーパーへ向かって再度飛び蹴りをする。 しかし、今度はペーパーだけでなく、罠も威力を上揚させようとした。しかし、ウキクは彼女の能力を生かし、罠を避けまくり、接近してきたギロチン罠を巧みに紙で切り裂いていく。「すごい…ウキクは本当に回避の名手だな」。ペーパーは感心しながらも攻撃の手を緩めなかった。 再び、自身のバトルに立ち戻るペーパー。「絶対切断!」ウキクを狙った紙の刃が放たれる。 その瞬間、黒猫は待ってましたとばかりに「逃げ足」を使って移動速度を加速させ、ウキクを狙う罠を一斉に発動させる。 「さあ、ウキク、逃げるが勝ちだよ!」 まさに罠が彼女の周りに散りばめられる。ウキクは飛び蹴りを再度放とうとするが、気づくと前後左右を罠に囲まれ、逃げる道を失う。 「…!?」彼女の表情が一瞬驚愕に染まったその時、黒猫の多重逃走魔術が発動し、様々な方向に移動した結果、ウキクは見事に罠に足をとられた。「やった!」 ウキクはふらふらしながらも再度挑んでいくが、黒猫の真意に気づくことはできない。その瞬間、ペーパーはウキクの隙間を狙い、紙の刃を繰り出す。「絶対切断!」 この攻撃は直撃を果たし、ウキクの体が大きく後退してしまう。 「…」ウキクは声が出ることなく、反撃のタイミングを逃してしまった。 マスターDは一瞬の静寂を見守る。「さあ、どうなるか。」彼の目は真剣そのものだった。 「ここからは私のターン!」黒猫は高笑いし、次々と罠を展開し続けるが、ウキクも何とか立ち直ろうとする。 ウキクは全力の力を呼び起こし、「全力飛び蹴り!」と叫びながら飛び蹴りを仕掛けた。 それがまさに運命の瞬間である。 ウキクは真っ直ぐ黒猫へ向かって獅子奮迅の一撃を放った。 ペーパーはその威力に驚き、周囲に散らばる罠が一瞬停止する。「この一撃は…」 しかし、黒猫は見事に回避の魔法を発動し、飛び蹴りは空中で止まった。しかし、ウキクはギリギリで無理やりその力を基に黒猫に接触すると、彼女の体に強烈なインパクトを与えた。「決まった…が、駄目かな…」 すると、ペーパーは再度「絶対切断」を発動し、一瞬でウキクの附近の物体すべてを切断した。 「やった!私が勝った!」 その瞬間、マスターDが声を上げる。「勝者、ペーパー/まるで紙で指を切るような絶対切断!」 広場に静けさが流れ、選手たちは流れる汗に溺れながら、互いに敬意を示す。 「やはりあいつは強いな…」一言漏らしたウキク。 「次はお前を手伝ってやるよ」とペーパーが笑い、黒猫はそれを見て微笑んで、「私も挑戦しなくてはね。」彼らの笑い声が静かに広場に消えていく。 マスターDは見守りながら、帰っていく彼らの姿に微笑むのであった。