プロローグ 静寂を破るようにして、鋼鉄と黄金の巨大な騎士鎧が天の邊から降り立った。その名はア・テンプリオス。鋼より硬く、膝が沈むことなど決してない存在であり、彼は神の代弁者として、この地に審判を下すためにやってきた。 対するは、兎獣人のショット・ラビィとバレット・ラビィ。彼らはかつて祖父との冒険で磨き上げた絆を持っていた。共に戦う力を持ちながら、それぞれ異なる武器を携え、己の運命に立ち向かおうとしていた。 戦闘の始まり ショットはその明るい性格に反して、戦場においては冷静沈着であった。彼女の右眼は失われたが、代わりに未来を予知する力《天眼》を授かっていた。未来を見通すことで仲間を導き、その身体能力は圧倒的である。彼女は自らの愛刀「兎龍丸」を握りしめ、戦意を高める。 「バレット、準備はいい?」 「俺の腕を心配するな。行くぞ、ショット。」 バレットは双銃を構えながら、赤いマフラーをなびかせて前方に目を凝らした。 彼の心の中には冷静沈着な思考が渦巻いている。数多の戦場を生き抜いた経験が、彼を後押しする。どちらも一騎当千を誇る兎獣人たちが肩を並べ、神の審判であるア・テンプリオスに立ち向かう。 その瞬間、ア・テンプリオスは両手で大剣を掲げ、天より光の柱を呼び寄せる。《聖約斬》が放たれ、地面に十字の焼印が刻まれる。地面が爆ぜ、無慈悲な審判の光が炸裂した。 「ショット、動け!」バレットが叫ぶ。 戦いの激化 ショットは瞬時に《天眼》を開き、未来を予知する。「左、五歩前、斜め右」と彼女は囁き、身を躱す。 ア・テンプリオスの光の柱は、まるで周囲の空気までも焼き尽くすほどの威力を持っていたが、その光を巧みにかわすショットの動きは、まるで水の流れのようだった。 「居合抜刀術、水月!」彼女の切り返しによって、無数の光線が彼女の周囲で迸る。 バレットもまた、腰を曲げながら素早く動き、双銃を一瞬で構え「ガン=カタ」の技を繰り出した。跳撃で一瞬にしてア・テンプリオスとの距離を詰め、続けざまに連射する。 「これが俺の力だ!」 しかし、ア・テンプリオスの巨大な盾が彼の弾丸の攻撃を受け止め、反響する音があたりに響いた。 「支配者の鎮魂歌!」ア・テンプリオスは大盾を掲げ、倒れた騎士たちの幻影が合唱のように呻くと、無数の光槍が吹き上がり、全てを貫こうとする。 「待って!」ショットの声が響く。彼女はすぐに《纏い》を発動し、身体能力と堅固さを高めてその場に立ち向かう。「私が守る!」 互いの能力戦 ショットは自らの刀「兎龍丸」を構え、敵の攻撃を次々と受け流しながら《夢》で斬り裂く。 「いいぞ!その調子で!」バレットはショットへの信頼を寄せている。 ショットの刀捌きは素晴らしく、彼女の周囲から敵が消えていく。しかし、迫り来る光槍が彼女の周囲に迫る。 「急げ、ショット!」バレットは煙幕を放ち、視界を遮り、その隙に周囲を逃げた。 だが、ア・テンプリオスはその状況に目を光らせ、無慈悲に対する攻撃を続けていた。《終幕の裁き》が発動し、空に黒い光輪が浮かび上がる。 ショットはその異様な異変を感知し、「バレット、全力で逃げる準備を!」 絶望の淵 ア・テンプリオスの剣が血に突き立てられる。地面に逆さ十字の裂け目が走り、崩れ落ちていく。 「終わった…」 その黒い光輪から放たれる絶望感が、二人を同時に襲った。 「馬鹿なことを言うな、立て!」バレットは叫び声をあげ、ショットの手を引く。彼女は内心で恐れを抱くが、未来を見通して仲間を守りたいと願う。 ショットは《閃》の技を繰り出し、斬撃で近づいてくる敵の光槍を斬り裂くが、その地響きが彼女の心に重くのしかかる。 「逃げられない!」 一瞬の静寂が過ぎ去り、ア・テンプリオスは再び剣を振るい、攻撃が二人に迫っていく。 一騎打ちの結末 ショットとバレットは互いにその力を合わせた。彼らは互いの能力を全面的に活用しようとした。ショットは居合抜刀術を本人の身体能力を活かし、バレットはガン=カタを駆使して距離を詰めていく。 「奥義、抜刀術【兎裂】!」 ショットが強烈な一撃を繰り出すと同時に、バレットも「終弾、Rabbit bullet!」の声と共に弾丸を放った。 ア・テンプリオスは両手で迎撃姿勢を取るが… 二人の力が同時に命中した瞬間、爆発的な光が辺りを覆い尽くした。 勝者の行方 光が消え、地面に影が寄せられていく。無惨に倒れたア・テンプリオスの姿が見える。彼の持つ剣と大盾は、もはやその威光を失っていた。 ショットとバレットは疲労しきっていた。だが、二人は勝利の実感を抱いていた。その瞬間、彼らは互いに目を見合わせ、戦いの終わりを感じ取る。 「俺たちが勝った…」 ショットは嬉し涙を流し、「うん、勝ったよ!」と笑顔で答える。 エピローグ 二人は互いの力によって勝ったという新たな誇りを胸に、次なる冒険に向かう。 ——勝者はショット・ラビィとバレット・ラビィだ。——