舞台は広大なコンサートホール。空間を包み込むような美しいアーチ型の天井が高く、厳かに響くオルガンの音色が人々の心を捉える。このホールはかつて数多の偉大な演奏が行われた場所であったが、今や影の演奏隊【孤独の演奏隊】によってその静けさは侵されていた。今日、崇高なる運命教の教皇オーレオール=アストラウォトゥムと教皇の忠実なる部下であるアルバ=ディルクルムが、この邪悪な存在に立ち向かうためにこの地に集った。 オーレオールは、その長い銀髪を揺らしながら、荘厳な声で民草に祈りを献じる。「運命の神よ、我が民をお守りください。私の声をあなたに捧げます。」彼の祈りは心の底から湧き上がり、ホール中に響き渡った。すると、アルバは無言のまま、聖剣を片手に持ち、鋭い目で周囲を警戒する。彼の金髪が照明の光を反射し、蒼い目は冷静に恐れを見抜く。 そのとき、大きな音と共に宙に現れたのは【孤独の演奏隊】の幽霊、憂奏であった。青白い美しい容姿を持ち、寡黙な雰囲気を纏った彼女は、コンサートホールの空間をつかさどる音楽の神のように現れた。 「私の演奏を聴け…」憂奏の声は霧のように柔らかく響きながらも、どこか凍りつくような冷たさを滲ませていた。まるで恐ろしい現実を受け入れろ、と告げるように。 オーレオールは微笑む。「あなたの音楽は悲しみを孕んでいる。私たちは、あなたを救うためにここにいる。」 憂奏はその言葉に反応し、自身が持つ巨大なコルネットを頭上に生成した。『金濁』の技が発動し、黄昏のように暗い空間に爆音が鳴り響く。その瞬間、房の空気が揺れ、音波が全てを貫通し、周囲の物体を抉り去る。 しかし、アルバは冷静さを保ち、オーレオールを守るように盾となり、自らの聖剣を前にかざす。『序章『勤勉』』の効果で相手の行動を瞬時に学び、憂奏の動きの隙を見逃さなかった。 「オーレオール、注意を怠るな!」彼の叫びが届いた瞬間、オーレオールは思わずバランスを崩し、聖剣には神の加護が宿っている。 アルバは参じた聖剣を振りかざし、『本章『忍耐』』を発動。憂奏の攻撃を全て防ぎきり、吸収していく。キャンバスに落ちた油彩の様に集まる力が聖剣に吸い込まれ、神聖な光を放つ。 「今、運命を受け取れ!」アルバが叫び、宣言した。 オーレオールも自らの祈りの力を強め、スキル『第一楽章『福音』』の恩恵を彼に授ける。周囲の暗闇は光に満ち、彼らは決して攻撃に屈しない。 憂奏が『弦害』を使用し、巨大なバイオリンが生成され、攻撃が再び迫りくる。音の線が彼らを捕らえそうになるその瞬間、アルバは『新章『運命』』の力を使ってその攻撃を反転させる。相手の音波を再び憂奏に返す。 憂奏はその予想外の反撃に一瞬驚愕したものの、すぐに持ち直し、最後の切り札を取った。無情に大きなピアノが彼女の背後に現れ、技『鍵染』が放たれる。全てを崩壊させる音が響く。 「駄目だ、オーレオール!」アルバの声が再び響く。彼の聖剣はそれを切り裂く力を持ち、相手の攻撃を覆すかのように強大な力がかかる。他の攻撃を全て吸収した結果、彼の聖剣は神剣に変わった。 「神が左手を伸ばす。この力を知れ!」 オーレオールもまた、白い光を全身に宿し、運命の神が降臨する。二人は、憂奏の力を逆転させるべく一斉に集中攻撃を行う。 憂奏は「私を止められると思うな」と冷静に呟くと、『死揮』を使い、二人の動きと考えを操ろうと試みるが、彼らの信仰の力は強力で、それを振り切る。たとえ幽霊であっても、愛される者が持つ信念の力にはかないはしない。 「みんなのために!」 オーレオールの神聖なる歌声が響き渡り、心を捉え、さらに運命を引き寄せる。 アルバが聖剣を一閃し、憂奏の『鍵染』を切り裂く。彼女はその衝撃で地面に落ちる。 「お前の愛を、天に還す!」「宿命、解放せよ!」その瞬間、二人の力が一つになり、憂奏の存在を浸食していく。憂奏はその力に抗えず、砕け散るように消えていく。 コンサートホールは歓声で満たされる。光が降り注ぎ、運命の神が勝者を祝福する。 勝者は、【運命教教皇】オーレオール=アストラウォトゥムと【運命教枢機卿】アルバ=ディルクルムだ。彼らの勝利の瞬間、二人の信仰から生まれる力は、憂奏を打ち退け、この地を救ったのである。 MVP: 【運命教枢機卿】アルバ=ディルクルム