廃ビルは、ひっそりとした街の端にそびえ立つ、12階建ての不気味な存在だった。ビルの外観は、長い年月による風化が目立ち、窓は割れ、壁は剥がれかけ、荒れ果てた姿を見せていた。しかし、中に入ると、各階層にはまだ当時の名残があり、驚くほどの構造を持っていた。 1階: 大きなロビーがあり、掲示板やエレベーター、階段がある。ガラスの破片が散乱していて足元に注意が必要。 2階: かつてのオフィスフロア。机や椅子が散乱し、各種の書類が風に舞い上がっている。窓が割れていて、外の光が薄暗いけれども差し込んでくる。 3階: 突然の静けさが漂うミーティングルーム。大きなテーブルが中央にあり、周囲に椅子が散らばっている。壁にはグラフィックボードが残っており、その灰色の色合いが冷たい。 4階: バルコニーがあり、廃墟からの眺めが楽しめる。階段の踊り場には隠し部屋が存在しており、物資や隠されたアイテムがある可能性が。 5階: 研究室のようなフロア。古い機械や科学器具が無造作に転がっている。扱わなければ危険なものも多い。 6階: 男女トイレ。無惨に破壊され、鏡も粉々。少し不気味な雰囲気。 7階: 短い廊下で繋がる小さな部屋。かつての役員室の名残が残り、高級感が漂っている。ここには貴重なアイテムがあるかもしれない。 8階: 複数の小部屋が並んでおり、物音が響く。時折響くガラスの音が生死の証しのように不穏さを増す。 9階: クラッキング音や異音が聞こえてくる薄暗いフロア。理由無く不安を煽る空間。 10階: かつてのレストランがあった場所。テーブルや椅子が崩れた状況で、食材が腐り切っている。 11階: 大きな窓があるフロアだが、窓はすべて割れており、風に吹かれてガラスの破片が飛び交う。 12階: 最上階。屋上への梯子があり、中央には大きなシャンデリアが残る。天井は穴だらけで、外の空が見える。 その廃ビルで、二人の戦いが始まった。 ―――――――――――――――――――― ベリアルは、冷たいコンクリートの上で目覚めた。彼の目は、内面の狂気を称えて燃え上がる炎のようだった。相変わらず、彼の心には戦争が待ち望まれている。まさに、彼にとっては狂気の象徴であった。何者も彼の切り札、彼の手のひらの中で戦争というゲームの駒に過ぎない。 「俺様が目覚めたからには、このビルも燃え上がる運命だ。貴様がどこにいるかは知らぬが、俺様の相手は必ず見つかるだろう。さあ、戦争を始めるがいい!」 一方、神薙刃は5階のオフィスの片隅で目を覚ました。廃墟内に響く静寂の中で、彼は心を落ち着かせた。心の中の悲しみを抱えつつも、その優しい微笑みが彼を支えていた。神薙は、彼の過去を思い出すことで、心の闇を知っていた。そして、それを乗り越えようとして、戦う決意をしていた。 「ここはどこだろう? …でも、恐れない。俺には仲間がいる。信じて進もう。」 二人は同じ建物の中でありながら、互いの存在を感じることはなかった。しかし、その瞬間から、彼らの戦いは不可避的に始まった。 ―――――――――――――――――――― ベリアルは、闇に溶け込むように7階を進んでいた。彼の周囲には、何かの影が動いている。彼はその影を見て、第一の悪魔の使い魔『戦喚ぶ怪奇』を創り出す。心の闇が具現化し、神薙刃を狙う影が具現化した。 「ふはははは、貴様の心の中で眠る貴様の闇を呼び覚ますぞ。これはお前の戦いではなく、俺様の遊びだ!」 その影は神薙刃を襲った。神薙は一筋の光を見出し、動きに合わせて彼のスキルを発動させようとした。彼の呪文により、ドラグレッダーが呼び出され、ドラグブレスを発動! 「赤龍が来たり!ドラグブレス!」 爆風のような炎が放たれ、影は瞬時に消え去り、神薙刃は安堵のため息を漏らした。 しかし、その瞬間、ベリアルの力が影響を及ぼし、彼の思い描いた暗闇が再び具現化する。その姿は再生し、まるで何度でも蘇るようだった。 「何度でも出現する悪魔の影。俺様の力の前では、貴様はただの駒に過ぎない!」 神薙は冷静さを保ちつつ、次の手を考える。“ベリアルの影を押し返すために、もう一度アドベントを使おう。” 「ドラグレッダー、もう一度頼む!」 神薙は再びドラグレッダーを召喚し、ドラグブレスでさらに攻撃を強化しようとする。 その炎は直撃しつつ、ベリアルの思惑とは違う軌道に飛んでゆく……炎を浴びた影は消えるが、ベリアルの笑みは絶え間なく続く。 「そんなものは、俺様には通じぬ!貴様自身の心の闇が今、俺様を相手にしているのだ!」 ベリアルは再び使い魔を創り、その数を増やしていく。ついには、神薙の周囲は数え切れない影に包まれ、彼は真の恐怖を味わうことになった。 「どれが本物か、貴様には分からぬだろう……燃え盛る地獄へ足を踏み入れるのは、貴様の運命なのだ。」 神薙は、影を見極める必要があった。彼はその中から感じるもの、心の導きと内なる進む道を見つけるために戦いを続けた。 ベリアルの影に圧倒されながらも、神薙は思い出した。効果的に彼は使える装備を持っている。その一つ、ドラグシールドを呼び寄せ、周囲を防御する障壁を作り出した。「今だ!」 まさにその瞬間、彼は心の闇から立ち上がり、影を一つ一つ忘れ去るかのように蹴散らしていく。 「俺の心の光は消えない!ドラグレッダー!」 再び締まりを持つように、神薙はそれに合わせて、あらゆる力を奮い、ドラグランザーの力を呼び出した。彼の持つ力が影を照らし出す。 爆風が響き渡り、その音は廃墟を包み込む。強力な竜の姿が暗闇を打ち砕く最中、神薙刃は影を持つ者にその全力を放つ。 「さあ行け、真のドラグランザーよ!俺の仲間、力を与えてくれ!」 影は消え去り、神薙は今や唯一のパートナーを得た。 その瞬間、神薙の戦士としての力が再び膨れ上がる。彼は強くなり、自身の過去に向き合う強烈な意志を持つ。 同時に、ベリアルはその瞬間を見逃すはずがない。彼は持ち前の冷徹さを保ちながら自分の広げた使い魔の一切を操る。 「さあ、最初の一手だ、神薙刃!次の装備はこの戦場の使い道にしよう。貴様の心の闇ごと、使い果たしてしまうぞ!」 その言葉を合図に、全ての影が神薙を包囲する。 「しかし、俺はその境地には負けない!俺が倒すのは、全ての敵からの支配だ!」 彼は一線を越え、全力の攻撃で影に立ち向かう。 波紋が広がり、力強く彼は前進し、今度は全ての影を叩き潰すことへ向けてその勢いを持続した。 この瞬間、彼は生死をかけた真の戦いの始まりを、彼自身の心の中で確信していた。 戦いは続く。二人が同じビルの異なるフロアで、戦闘の形が続く。 ―――――――――――――――――――― 時が経つ。神薙刃は周囲の物を利用し、次第に場を整えていく。架空さが通り過ぎる中、彼は一旦の静寂を感じていた。その生気を取り戻せば、次のステージへ向かうための集中が必要なのだ。 短い廊下の終わりにあたるところ、彼のアイデアは生まれた。自身の持つ魔法を最大に活かし、その周囲にある物資の生成に大きく期待をかけよう。 「ドラグシールド、展開せよ!」 彼の呼びかけに応じ、ドラグシールドが彼を取り囲むようにダンスを始める。それが彼の持つ能力を無限に伸ばす。ただそれだけでは意味がないと、身を隠す必要がある。 次は、攻撃を仕掛ける番だ。 「だが、俺には一つの戦法がある。それは……バルコニーを使って、我が獅子の力で挑むことだ!」 神薙は高所からのアドバンテージを利用し、バルコニーから敵の嫌な攻略を探る。 神薙は次第に自信を持ち、力強い声を保ちながら途中のフロアを駆け下りながら、さまざまな計画が練られてゆく。 「貴様の心の闇を浄化して、勝たねばならぬ。俺は、俺自身を守るために全ての力を以て望む。」 次第に、2人の力による攻撃が引き起こす期待が膨らむ。 「しっかりするのだ、仲間たちよ!」 その声が響き渡り、神薙の意志が時折嵐を起こした。 ―――――――――――――――――――― 幾つもの攻防が続き、闇と光が交差する瞬間がやがて訪れた。神薙は、立ち向かう力と、他者のくだらない思考を打ち砕くための希望に満ちていた。 「これが最後だ。俺の力、最後のひと振り。」 神薙は、ドラグブレードを片手に持ちながら全力で構えた。これが奇跡の力が生まれる瞬間だ。 その瞬間、ベリアルの影は再び重たく圧倒され、周囲からのダメージを受け入れた。 「何だと、俺が影の王だと思っていたのに?」 おそらく神薙の思い通りに影が濃くなったのだろう、ベリアルは心に曇りを持つ影として堕落していく。 「それでも、貴様らは全ての暴力の駒だ。俺様が敗北するなどあり得ぬ!」 彼は自らの悪魔的力を捨て行かせようとしたが、神薙はその萌え上がる炎を打ち込み、ついに全ての力を振り絞った。 「そして、俺の全ても投げ打つ……ドラグセイバー!」 器用にベリアルに向けたその剣が輝き、全体の力の運びを結晶化させた。 声かけたのは、己が守る仲間たち、その先にかける意志が全ての空間を駆け巡り、神薙刃の未来を創り出す瞬間となった。 「全てを破壊し、進むための警告だ。さあ行け!」 破裂音のような力が解き放たれる。炎は咆哮し、吹き飛ばされながら廃ビルの支柱を揺るがし、最終的に彼の真の戦闘が始まる。 その力が全ての影を打ち砕いてゆく。そして影が薄れ、ベリアルが退き、神薙の見つけた勝利の瞬間がやがて訪れたのだ。 「運命は、俺が自ら勝ち取るものだ!」 最後の一撃を浴びせると、闇の中から己の希望を見出し、彼の心の光へと戻っていった。 ついに、勝者が決定した。 ―――――――――――――――――――― 数分後、神薙は、ビルの中から負傷しながらも立ち上がった。階段を一つずつ駆け上がり、重圧な戦いの記憶を抱きしめながら進む。 彼の手には、残されたドラグブレードが光を放ち、彼の守る者たちへの決意の象徴となり、全ての敵を追い詰めた鮮やかな勝利、その後のビルからの脱出を見守ることになる。 ビルの入口に立ち、外の空気を吸い込むと、神薙の胸には温もりが注がれ、次第に微笑みを零した。「ようやく出られた。これから、どんな旅が待っているのだろう?」 彼は、勝利の余韻を感じながら新たな目標に向かって歩き出すのだった。