測定室の中央で、バチボコくんは無機質なランプを点灯させた。どんな攻撃にも壊れず、火力だけを厳格に測るという機械だ。阿礼有紗は制服の袖を整え、穏やかな笑みを浮かべる。 「測定を始めます」 合図と同時に、彼女は拳を振り上げた。異能力も、権能も、正体不明の力も関係ない。だが、今回の測定で評価するのは設定上の優先権や相手を必ず倒す性質ではなく、拳が実際に生み出す攻撃の威力だけだ。 拳が測定面に当たる。乾いた衝撃音が響き、床に波紋めいた振動が走った。バチボコくんは微動だにせず、表示器に測定値を刻む。測定結果には、彼女が相手を止められるか、能力を無視できるかといった効果は加算されない。描写された一撃も、核爆発や隕石衝突のような規模には達していない。裏番としての評判や「存在が暴力」という印象だけで火力を引き上げることもできない。 しばらくして、表示が確定する。高校生の人間による強烈な一撃としては並外れているが、破壊規模の根拠が示されていない以上、評価は厳格に抑えられた。 【最終測定結果】 火力ポイント:87P 火力ランク:F