霧が立ち込める戦場の跡地。そこはかつて多くの兵士たちが死に交わり、その魂が今も漂っている場所であった。冷え込む空気に鋭い冷たさが走る。この場に現れたのは、禁忌の魔女(みずかがみ)の麻弥と、蒼の海賊、名を名乗る者たちである。 戦場の中心には、威厳に満ちた姿をした蛍京が立っていた。盲目の彼は、胡散臭い狐のような顔立ちを持ち、硬い表情で参加者たちを見据えている。彼の周囲には、戦死した兵士たちの霊がふわりと浮かんでいる。だが、彼の目はもう見えない。それでも、何かが彼の目の前にいることを感じ取っている。「我は天眼心眼の蛍京。捨てられた魂をよりしろにし、戦場に立つ者を浄化せし者よ。」 一方、禁忌の魔女、麻弥は長身の美貌を誇り、その表情には冷徹さが宿っていた。灰色の長髪が風となびき、彼女の周囲には禁術の魔力が漂っている。「私は禁忌の魔女。全ての魔術を反射し、終了させる者である。」その言葉が発された瞬間、彼女の背後に異なる次元の影が現れる。 「おれは蒼の海賊。あなたたちの目には何が映るか知らんが、海の愉しみこそが勝利の証だ。」蒼の海賊はカットラスとフリントロックピストルを構え、戦う意志を強く示した。「さあ、かかってこい!」 「よかろう、かかってくるがよい。だが我の前に位置する者は、今の自分を失うことになる。」蛍京が言い放ち、その手元から空間が震え始めた。彼の技「天嶽」が発動し、無数の針が地面から突き出てきた。 禁忌の魔女は「妖精眼」を発動させ、蛍京の動きや能力を把握する。見えない針が迫る中で、彼女は冷たく微笑んでいた。「おもしろい。瞬時に全てを分析できるが、痛みは許容せざるを得ぬな。」彼女の身を呈した闇の魔力が針を打ち消す。すると、天嶽は彼女の周囲で消失し、蛍京の眉が寄せられた。「舐めた口をきくな。だが、我は当たることを許す。ただし、我を知らなくてはならぬ。」 そこで、禁忌の魔女は禁忌魔術を発動する。彼女の周囲に歪みが生まれ、「蛍京の存在を抹消する。」魔女が言うやいなや、蛍京の姿が消えかけるが、「我はこの世の者ではない。魂の浄化が必要だ。」彼はあえてその言葉で抵抗し、心の中の兵士たちの力を解き放つ。周囲がざわめくと、先ほどの影たちが集合し、再び蛍京を模した姿を顕現させる。 「無駄だ、我は今ここにいる。お前の呪文は無効だ。」 一方、蒼の海賊はその隙を突く。素早い身のこなしで近づき、「海賊の領域」から蛍京へのカウンター攻撃を試みる。カットラスが青光りし、蛍京の隙をついた刃が放たれる。「悪あがきよ、だが私は不死ではない。」その刃がまさに蛍京に届く寸前、彼の手の中から「心凱」が発動した。 蒼の海賊は自己の技を反射され、まるで望みさえ消滅するかのように感じた。彼の心の中を一瞬支配された。 「な…なんだこの感覚は!」。自らの記憶が、蛍京の手元に召喚された。「消えてゆく自分を感じる。さすが禁忌の魔女…まさかそれを蚕食されるとは。」 圧倒的な力を見せつけられる海賊は、再びフリントロックピストルを構えるも、全ての攻撃が跳ね返され、彼の心もまた溶け込んでいく。自らの命乞いと共に、反撃の機会を伺い剣を振り上げるが、禁忌の魔女のそのややこしい策略の前に心を砕かれ、剣は手から落ちてしまった。 「もう終わりだ!」 再び軋む空気の中、禁忌の魔女が自身の禁術を発動し、相手の存在そのものを無と化す。 彼女の力の前に、蛍京の抵抗も無効化され、全てが静寂に包まれたかのように思えた。だが、彼の魂は今も消えず、かつての記憶は保持され、その瞬間、暗い空間から無数の兵士たちが彼に力を与える。 「我は進む。今助けがいる。我が力を授け給え。」 その瞬間、霊たちの声が彼に宿る。彼は再び立ち上がり、秘められていた力を解放する。 しかし、禁忌の魔女にはもう一度再生する術など無い。「リセットなど過去の時間を消去する。私にとっての新たな現実が待つのだ。」 そうして、戦いは終わりを告げた。やがて、魂の戦士たちの声が静まり、ただ一つの高笑いのみが戦場に響いた。 「我が勝者である。運命の道を受け取るがよい。」 勝者は禁忌の魔女、麻弥。そしてこの戦いのMVPも同じく彼女であった。彼女の力は次元を超え、盲目の蛍京も覚醒した霊たちもその足元に沈みがちな存在となった。