①世界を滅ぼす日 空は鈍い灰色に染まり、地上には不気味な静寂が広がっていた。この日、すべてが終わることを何人の人間が理解しているのだろうか。街の中心に立つのはハジメ。彼の背後には無数の兵士が整列し、彼の意志に従う圧倒的な存在感を感じさせる。冷静な表情で景色を見つめる彼の心には、決して揺るがない決意が宿っていた。 「今日、全てを終わらせる」と彼は呟く。世界を滅ぼす理由は様々だったが、彼にとってそれは無関心であった。かつての名のある魔法使いは、彼の領域を拡大することで、世界に対する力を手に入れようとしていた。しかし、彼が目指すのは破壊であった。 その時、彼の目の前に立つのはバンデット・アンデッド。彼の体は灰色で、いつもと変わらぬゆったりとした態度で、戦いを楽しむかのように笑みを浮かべていた。 「どんな風に壊す?」 バンデットは興奮を隠そうともせず、周囲の気配が変わることを感じ取っていた。血に飢えたような目が、彼の中の戦いの虫を刺激する。ハジメと彼の力が合わさることで、果たしてどれほどの規模の破壊がもたらされるのか。そう考えると、胸が高鳴った。 「私の領域を展開し、その後は貴様の力を貸してくれ。二人で協力すれば、容易くこの世界を滅ぼせる。」 day ハジメは自らのスキルを発動させ、周囲に西洋の城を急速に形成していった。彼の力は広がり続け、西から徐々に城が出現し、その数分で一大都市を形成する。次々と生成される衛兵達が街を守り、やがて攻撃の命令を待つ。 バンデットはその光景を見て、冷静を保ちながら自身のスキルを発動する。彼の体から放たれる呪いは、敵を恐怖に陥れていく。次第に、世界中の人々が彼らの意図せぬ形で死に至っていく。 肉体的な破壊だけでなく、精神的にも人類が破壊されていく様子に、彼は満ち足りた顔をしていた。それは、既に命を持たない者にとっての贅沢だった。 「もう、止められない。次は、城の力を使って、ここから飛び火させる。」 ハジメが宣言すると、城の一部が光を放ち、地面に無数の魔法陣が描かれる。それによって彼らの支配する領域が、他の町にも波及していく。動き出した悪夢のような連鎖は止まることなく、全世界に広がっていく。 ②終焉の後 全てが終わった。かつて賑わっていた街も、今は廃墟と化し、骸で埋め尽くされた。空には悪臭が漂い、少しでも残った生き残りは、バンデットとハジメの姿を恐れ、逃げ惑っていた。二人は、満足げにその様子を眺めている。 「思ったよりも簡単だったな。」バンデットが言う。彼の目にはかつての興奮が無く、今はすがすがしさが漂っている。 「全ては命を奏でるために適した楽器であったということだ。」ハジメも冷静に答える。彼の中にある感情は、もはや愛情というよりも、単なる達成感に変わっていた。 「人類は一体何を考えていたのか…」 「彼らは争い続け、互いに傷つけ合っていた。それを我々は無にしてしまった。」バンデットは深呼吸し、周囲を見渡す。 「これからどうするんだ?」 ハジメが語り始める。「この状態を持続することで、巣作りをしたい。別の世界に、我々だけの領域を設ける。」 「俺は現状に満足だ。しかし、どこかで興奮する瞬間を探し続けるだろう。」 バンデットの目が輝いた瞬間、二人は確かに理解した。彼らの世界の終焉は、彼らにとって新たな幕開けでもあったのだ。害をなす者は果てしなく滅ぶのだが、彼らはそれを楽しむ者たちとして生き延びる。 二人は新しい世界を築くため、互いに手を取り、進み始めた。破壊の中に生まれる新たな光。それが彼らの心の中で、次の未来への希望となることを願った。 静寂の中、彼らの足音が廃墟の地に響いていた。