月明かりが照らす薄暗い森の中、アビスは低い音を立てて迫り来る。禍々しい鎧をまとい、その存在自体が周囲の空気を変質させていた。彼の肌の下に潜む淵力が渦巻き、周囲の自然が彼の意志に逆らえず、徐々に蝕まれていく。手には深淵剣ブラッドと深淵盾ガルド。これらが彼の力の象徴であり、彼の手には常に血のように黒い力が宿っている。 対峙するは、サンジェ=ウナトール。彼の黒髪の下に隠れた紫の目は、冷静沈着としているが、戦う意志が炎のように燃えていた。聖別済特異黒衣が彼の身体を包み、異能存在を拒絶するその装備は、まるで彼自身の存在を物語っているかのようだった。 「君がアビスか。俺の刃は異能を持つ存在を狩るためにある。お前を斬り捨てることは簡単だから、抵抗することは避けた方が良いぞ」 サンジェはすでに数多の血族を狩ってきた。それはただの戦闘経験ではなく、数多の戦術を編み出してきた彼の技量に裏打ちされた武器の数々。彼はまず、ショットガンを構え、変則射撃を放つ。まるでリズムのない音楽のように、無造作に発射される弾丸は、アビスに向かって突き進む。だが、アビスは冷静にパリィを決め、盾で全ての弾を弾き返した。 「ふん、さすがは狩人らしいが、そんなもので我を止められると思ってはいないだろうな」 アビスは深淵剣ブラッドを振り上げ、深淵斬りを繰り出す。闇の斬撃が広がり、サンジェを囲むように放たれる。だがサンジェは、多彩な手練手管でその斬撃を躱し、瞬時にジャンプしてその場を離れる。 「動きは悪くない。でも、まだまだ甘いな。」 彼は空中で冷静に体勢を整えると、すぐに杭打ちを用意した。地面に着地し、驚くべきスピードで杭をアビスへと投擲する。しかし、アビスはダークランスを生成し、追尾する槍を放つ。サンジェの杭とアビスの槍は空中で交差し、相打ちになるが、サンジェの方が一歩優位に立っていた。 「肉砕きだ!」 巨大なハンマーを振りかぶり、アビスの背中を狙うサンジェ。間一髪のところでアビスは身を翻し、盾で受け流す。衝撃が彼を少しよろけさせ、すぐさまサンジェはその隙を見逃さず、血断の刀で斬りかかる。しかし、再生の力を持つアビスは、斬られた傷口から流れ出る血を吸収し、瞬時に再生する。 「その攻撃は通用しない」 アビスが低く唸るように言うと、彼は次に深淵送りを発動させる。目の前のサンジェを深淵に飲み込み、存在を消し去る試み。しかし、サンジェは持ち前の直感でその場から離れ、煙幕の中から裏をかいて投刺をする。ナイフがアビスの体に飛び込んでいく。 「良い技だが、甘い。」 アビスはナイフの一つ一つをカウンター技で無効化しながら、渾身の力で深淵剣ブラッドをサンジェに突き立てる。痛みが走るが、サンジェは笑みを浮かべて言った。「まだまだお前と俺の間には、運命を定める決定的な差がある。」 サンジェは新たに念じて、聖別済特異黒衣の力を最大限に引き出し、異能の存在を追い払う。その瞬間、アビスの精神汚染の影響が薄れ、冷静さが戻ってくる。再び攻撃を仕掛けるが、アビスの瞳が赤く光り、再生の力が十分に溜まっていた。 この激闘の中で、二人の能力が重なり合い、未だ決着はつかない。互いの技を理解し、攻略し合う一進一退の攻防が続く。果たしてどちらが勝利するのか、運命は月明かりの中でその行く末を見守っている。