深夜の戦場 月も星も雲に隠れ、只でさえ静寂な夜に、領域が与えられた。そこは【深キ静寂ノ夜神】ヨルが支配する世界であり、夜の帳が降り立っていた。ここに挑むため、二人の勇者が揃って立ち向かってくる。彼らは【縫界の守護者】フィリスと、【破滅を破壊する勇者】ヴァスティアである。 フィリスは心なき魔法人形。彼女は黒銀の糸で戦場を編み込み、仲間の勝利のためだけに存在していた。この冷静な戦略家は、相手の出方を見ながらその指先で糸を操り、仲間の攻撃を超強化する準備を整えていた。 一方、ヴァスティアは不撓不屈の勇者である。冷静沈着な少女だが、その手に握られているのは壊滅的な威力を誇る超大型ハンマー「救済」。その大胆不敵な心が敵を殲滅するまで、自らの犠牲を厭わない。 二人は互いの存在を理解し、力を合わせる。だが、ヨルの影が彼らの前に立ちはだかる時、その穏やかな思いは一瞬にして打ち破られる。彼女は冷たく、威厳に満ちた声であった。 「来い。矮小なるもの達よ」 戦闘開始 やがて、戦闘は始まった。【深・夜ノ帳】が広がると、瞬時にしてフィリスもヴァスティアもその威圧感に圧倒される。しかし、フィリスはすぐに冷静さを取り戻し、縫合陣を作り上げる。それにより、ヴァスティアの攻撃力が増幅し、彼女のハンマーはより一層輝きを増した。 「行くぞ、ヴァスティア!」 ヴァスティアは一気に飛び出し、ハンマーを振り上げた。「大地砕き!」一瞬の静寂の後、ハンマーは夕闇を切り裂くように振り下ろされ、ヨルへと向かっていった。彼女は全力を振り絞り、力強く地面に叩きつけた。 しかし、ヨルは冷静にその攻撃をかわし、逆に夜の力を集結させる。「夜襲!」刃のような黒い波が二人を襲った。 「くっ!」 フィリスの反撃 フィリスは驚きながらも、すぐに糸を紡いだ。「縫糸断切!」彼女の黒銀の糸は高速で敵に向かい、かすかな音も立てずにヨルの身辺を切裂いていく。ヨルは軽やかに避けようとするが、フィリスのスキルによって真の一撃が彼女を捉える。 「狙いを定めた!」 フィリスは縫合陣の効果を体感し、ヴァスティアにさらなる力を付与した。「今だ、ヴァスティア!フルブレイク-EXを使って!」 ヴァスティアの猛攻 振り下ろされたハンマーはまるで雷の如く、ヨルの方向へと襲いかかった。「この一撃で、全てを壊す!」 轟音が響き渡り、地面が揺れる。恐るべき一撃がアルカナの夜を貫く。 しかし、ヨルはその真価を見せつける。「夢ウツツ。」その瞬間、フィリスとヴァスティアは一瞬のうちに無意識の眠りに包まれてしまった。 勇者達の反撃 だが、フィリスは無意識の中でも糸を操り続けていた。ヨルの姿が見えなくなると、その心の奥から、彼女は目覚めた。「このままではいけない…!」 彼女は真の力で奥義【黒銀縫界】を発動させた。心に芽生えた感情が、仲間のために最後の陣を編み上げる。 その瞬間、夜の静寂が乱れ、フィリスの糸が空中で美しい形を描いた。暗闇がほころび、彼女の意志が生まれることで、暗い夜が震え始める。彼女はその糸で、ヴァスティアを起こした。「私たちの力を結束させるわ!」 二人の意志が一つになり、遂にヨルに立ち向かう。その時、彼女の心にも変化が訪れた。力強い勇者たちの姿に触発され、ヨルは目を覚ました。 「夜の猛獣よ、立ち上がれ。」 ヨルの真の力 圧倒的な力を持つヨルが自らの存在の意義を求めて目を覚ます。彼女は強大すぎるが、二人の絆に思わず力を振るう。大きな夜の帳が彼らの全てを飲み込み、まるで夢の世界の如くろうそくが消えていく。潮のように押し寄せるその力が、彼らを包み込もうとしていた。 「全ては夜に溶けていく…」 ヨルの最終奥義『静寂ノ世界ヨル』が発動された。宙に浮かぶ夜の星々が、呼応するかのように美を取り戻し、夜の帳が広がる。「全てを忘れ、静寂に浸れ。」 結末 二人の全力をもってしても、ヨルの力に逆らうことはできなかった。全てが夜に吸い込まれ、完全なる静寂が満ちた。 無に帰した全て。フィリスとヴァスティアは、力を失いながらも彼女の存在を感じた。その姿は宇宙の一部であり、静けさの中に溶け込んでいった。 そして世界は、新たな深き静寂を取り戻した。 勝者 ヨル