時は寛永10年、桜が舞い散る中、徳川将軍の御前にて一大試合が繰り広げられようとしていた。白い小石が敷き詰められた中庭には、多くの剣士たちが集まり、その目は試合の行方に注がれていた。 東の門から入場したのは、冷酷無比な剣士「黒夜叉」。黒い髪をなびかせ、妖刀「暁斬」を腰に差したその姿は、まるで闇そのもののようであった。 一方、西の門からは、「月華夢幻」ティセルが現れた。艶やかな黒髪を持つ女性剣士は、穏やかな表情を浮かべながらも、眼差しは鋭さをもってそこにあった。 「お前が黒夜叉か。噂に違わぬ怖ろしい剣士のようだな。」ティセルは微笑みながら言った。その口調からは、戦うことへの余裕が感じられた。 「噂は噂だ。ただの噛みごたえのない奴は、オレの前で輝けると思うな。」黒夜叉は冷淡に応じ、その目は相手を捉え強い意志が感じられた。 将軍の一声で試合が始まると、二人は互いに睨み合い、静寂に満ちた中庭は緊張感に包まれた。 黒夜叉が、一瞬の隙を見逃さずに影打ちを仕掛ける。闇に紛れ込み、ティセルの背後へと回り込む。しかし、彼女の直感がそれを察知した。 「今、あなたの背後にいるのですね!」ティセルは冷静に回避し、居合のポーズを取った。 次の瞬間、彼女は一瞬の隙を突き、黒夜叉の腕に向けて一閃を放つ。月光のように滑らかな動作で、刀の刃が黒夜叉の腕をかすめる。黒夜叉は痛みをこらえ、瞬時に受け流しで反撃に転じる。 「なかなかやるな。」彼は冷酷な笑みを浮かべながら、黒衝を繰り出す。刀から放たれた黒い斬撃は、まるで闇を引き裂くかのように突進する。 「それには負けませんよ!」ティセルは残月を発動し、黒衝を打ち払う。彼女の刀は、黒夜叉の斬撃をまるで不可侵の領域であるかのようにいなした。 「素晴らしい。だが、これからが本番だ。」黒夜叉は心の中で策を巡らせ、霧を生み出す技「居合闇霧」を発動した。霧に包まれた中庭では、周囲の視界が悪化していく。 「霧の中での戦いですか…それは興味深いですね。」ティセルは柔軟に身を構え、冷静に霧の中を観察する。 突如、黒夜叉が霧の向こうから奇襲をかけようとした瞬間、ティセルは清風明月を発動し、彼の動きを読み取る。彼女は瞬時に反応し、黒夜叉の攻撃をかわしつつ、自らの刀で反撃に転じる。 彼女の刃が黒夜叉の肩をかすめ、鮮血が夜の空に舞い上がる。黒夜叉は傷を抱えながらも攻撃を続け、「これが…戦士の力だ!」と叫んだ。 試合は激しい攻撃と防御が交錯し、二人は次第に互いのスタミナを消耗させていった。黒夜叉は肩の傷に痛みを感じつつも、奥義「虚黒」への移行を決意する。 「私もあなたを試す番です!」ティセルは力を集中させ、受け流し技を学び、黒夜叉の最終攻撃を受け止める準備をした。 黒夜叉は刀に全ての力を集中させ、彼女に向けて放つ。「虚黒!」と叫び、その一撃は光をも断つとされる絶技が彼女を襲う。 ティセルは月華泡影を放ち、刀の力を解放する。「月華、泡影の如く…!」その一閃が光り輝き、二人は泥沼の中に倒れこんだ。 息を切らし、全てを出し尽くした二人は、一瞬の静寂の後、試合の結果を待つ将軍の視線を感じていた。 将軍は黒夜叉が倒れたティセルを見つめながら満面の笑みを浮かべた。「武士とは、力だけではない。美しさと粋も必要だ。月華夢幻、ティセル、勝者だ!」 将軍の言葉を聞いたティセルは微笑み、「ありがとうございます、将軍。'月華のように、常に柔らかさを持ちながら強くなりたく」と詠む。 黒夜叉は悔しげに唇を噛みながら、「オレも次は必ずや…」懸命に誓った。 その試合は、将軍への感謝と共に、剣士たちの斗いを記憶に刻むこととなるだろう。桜が舞う中、彼らの戦いは永遠に語り継がれる。