夕焼けが空を赤く染め上げる樹海。太陽が地平線に沈みかけ、木々の影が長く伸びる中、決戦が繰り広げられようとしていた。大地には血の匂いがします。聞こえるのは、鋏の音と、静寂を破るどこか不気味な鳴き声。 「さぁ、始めようか。」 この場を支配するのは、夜鳴き鴉、名を夜烏。彼の不気味な笑い声が木々の間に響き渡る。自らの力を誇示するかのように、彼は無気力な姿勢を崩さなかった。だが、その目には確かな鋭さが宿っている。彼の体からは、赤い炎を放つ八咫烏の力が感じられた。 対するは、吸血会のルシア。彼女は幼く魅惑的な姿をしているが、その手には自らの血で作られた鋏が。紅く鮮やかで動きやすいドレスを纏い、先の尖った鋏を持つ彼女の姿は、まるで血の女神のように美しかった。 「命を貪るのはお前だ。」ルシアは流れるように舞い、夜烏を見据えた。 「その長い言葉がどうかしたのか?さぁ、来い。」夜烏はこれっぽちも怯むことはない。 戦いは瞬時に始まった。 ルシアがその巨大な鋏を自らの腕で振り上げる。出血裂傷。一閃の斬撃が夜烏の側面をかすり、その瞬間、彼女は彼の動きを観察し、次なる行動へと移る。だが、夜烏は優雅に身をかわし、鋏の一撃を受け流した。彼は力なく見えながら、その動きは洗練されている。 「その程度か?」 彼は反撃に転じる。「夜鳴!」 彼の声と共に、周囲に響く烏の鳴き声が放たれる。ルシアはその声に耐えきれず、感覚が鈍る。さっきまで感じていた力強さが、うなだれた。だが、吸血会の一員であるルシアは、出血状態を保っている。自らを傷つけ、逃げることはない。 「晩餐!」 彼女は攻撃が命中した瞬間、自らの体力を回復させ、再び戦地に踏み込む。夜烏は彼女の必死の姿を見て心動く。 「やるな、いい意気だ。だが、これで終わりじゃないぞ。」 夜烏は再びその背中から巨大な翼を広げ、音速で彼女の渾身の攻撃を躱した。空中へと舞い上がると同時に彼は八千℃の赤い炎を生み出す。「八咫烏、行け!」 高々と舞い上がり、空の炎の波が襲いかかる。だが、ルシアは恐れずにその巨槍攻撃を受けて立った。彼女の攻撃は、恐れを知らない。対抗するため、舞踏会の技を繰り出す。 「舞踏会!」 鋏が双剣に変化し、ルシアの舞は華麗に夜烏の周囲を旋回する。彼女が斬り裂いていく瞬間、火傷が彼女の敵を蝕んでいく。彼女の動きは次第に速くなり、夜烏は焰の激しさに圧倒される。 「知識と技を持つ者は、戦闘では強い…だが情けは要らない。」 一瞬の隙を突いて夜烏は、彼女の背後から近づき、再び鳴き声を放った。 「夜鳴!」 その瞬間、ルシアは立ち尽くす。 「出血裂傷、豪快さで何をする。」彼女の動きが止まり、体力が削られていく。だが彼女は反撃に転じる。 「血欠片刃!」 高く鋏が振り下ろされ、夜烏を刺貫く。連続攻撃が続き、その度に鋭い短剣が生まれる。夜烏に連続的に出血の影響を付与していく。 「ぐっ!」 体力を一気に奪われ、夜烏はぎりぎりのところで耐え続ける。 「意地でも、この場を乗り越える!」 だがその声は正気を失うほど痛々しかった。彼は反撃し、八咫烏の技を繰り出した。「八咫烏・宵連!」 上空全面を覆い尽くす青白い炎が次々とルシアに迫る。だが、ルシアも負けじと「血の味!」と叫び、自身の体力を犠牲にする。血の斬撃が夜烏の熱波を切り裂き、夜烏は力なくそのまま地面に崩れ落ちた。 「な…何故お前は。」 「生きるため、何を失っても戦う。」彼女は鋏を構え、立ち尽くす夜烏の残った体力を奪おうとする。 だが、強き意志で立ち上がった夜烏は、無力ながらも最後の力を振り絞り、「待ちながら、まだ終わらない。」 彼は喉を鳴らし、再び挑みかかる。 だが、いずれの力も尽き、木々は彼らを見守る中、静寂が訪れた。どちらも消耗したが、最後に立っていたのはルシアだった。 アスファルトの地面には夜烏の姿が横たわり、ルシアはその横で唇を噛み締める。 勝者はルシア。MVPはルシア。彼女は最後まで戦い抜き、自らの技を駆使し、力を発揮した。両者はそれぞれの道を歩む運命を選んだのだった。