ドジっ娘傭兵 vs 苦痛の救世主:予測不能の激突 荒涼とした古戦場跡に、風が埃を巻き上げていた。崩れた石壁と錆びた武器の残骸が散らばる中、二人の戦士が対峙していた。一方はピンクの髪を揺らし、童顔に柔らかな笑みを浮かべた少女、ナナ=コロリン。軽鎧に身を包み、長剣と盾を携えた彼女は、ドジっ娘傭兵として知られる存在だ。もう一方は、黒いマントに覆われた壮漢、NPC HELL HAZARD。苦痛の救世主と呼ばれる彼の体は、絶え間ないエネルギーの奔流に苛まれ、顔を歪めて悶えていた。世界を救うために吸収した破滅の力が、彼を永遠の苦しみに縛りつけている。 「えへへ、こんにちは~。私はナナです。よろしくね、強いお兄さん!」ナナが明るく手を振ったが、足元で石につまずき、軽くよろめく。HELL HAZARDは低くうめきながら応じた。「……痛み……この苦痛を、平和の敵に還す……お前も、脅威か?」彼の声は震え、体内で渦巻くエネルギーが空気を震わせていた。ナナは首を傾げ、「え? ナナ、敵じゃないよ? でも、勝負ならがんばるね! あわわ、転んじゃうかも……」と笑った。 戦いが始まった。HELL HAZARDが先制し、右腕を振り上げる。破滅のエネルギーが彼の拳に集中し、赤黒いオーラが爆発的に膨張した。「破滅の奔流!」と叫び、彼は地面を蹴って突進。拳から放たれた衝撃波は、まるで隕石の尾を引きながらナナを狙う。空気が裂け、周囲の石が粉砕されるほどの威力だ。ナナの目が丸くなり、「わわっ、すごい!」と叫んで後退したが、足が根を張ったように滑り、勢い余って転倒した。 ドジっ娘の真髄が発揮される瞬間だった。転んだはずみの体が回転し、盾が偶然HELL HAZARDの衝撃波を弾く。金属の盾が振動し、火花が散る中、ナナは地面を転がりながら長剣を握りしめた。「あれ? 転んじゃった……でも、チャンス!」彼女の転倒は予測不能で、HELL HAZARDの追撃をかわす。立ち上がろうとして再びつまずき、今度は盾を投げ出すように構え、防御の姿勢を取った。幸運が彼女に味方し、衝撃波の余波が彼女の軽鎧をかすめるだけで済んだ。 HELL HAZARDは苦痛に顔を歪めながらも、止まらない。「耐えろ……この痛みを!」彼の体は攻撃の反動で右腕に亀裂が入り、黒い血が滴るが、即座にエネルギーが再生を促す。皮膚が裂け、筋肉が露わになる壮絶な光景だ。彼はエネルギーを全身に巡らせ、身体能力を爆発的に高めた。次なる一撃は「苦痛の連鎖」――両手を広げ、破滅の波動を放射する技。空気が重く歪み、ナナの周囲を包むように無数のエネルギー針が降り注いだ。それぞれの針は、触れただけで骨を砕くほどの破壊力を持ち、戦場に無数の穴を穿つ。 ナナは慌てて跳び、「きゃあ! 危ないよ~!」と叫ぶが、またしても足が絡まり、横に転がる。転倒の勢いで長剣を振り回し、偶然生まれた剣閃がエネルギー針の群れを薙ぎ払った。剣の刃が空気を切り裂き、青白い軌跡を残す。それはナナの意志とは無関係に、転倒の回転から生まれたクリティカルヒット。針の半分が霧散し、残りは彼女の盾に阻まれる。「えへへ、転ぶの得意なんだよ! お兄さんも一緒に転ぼうよ?」ナナの無邪気な言葉に、HELL HAZARDは苛立ちを隠せない。「ふざけるな……この苦痛を、侮辱するのか!」 戦いは激しさを増す。HELL HAZARDは防御を固め、エネルギーを盾のように展開。「不滅の障壁」と名付けた技で、全身を赤黒い膜で覆う。それはどんな攻撃も吸収し、反発する。ナナが転倒を繰り返しながら接近し、長剣で斬りかかるが、剣先が障壁に触れた瞬間、衝撃が跳ね返り、彼女を吹き飛ばす。「あわわ……痛っ!」ナナの体が地面を滑り、軽鎧に傷がつく。だが、彼女の強靭な体幹がそれを許さない。起き上がりながら、「ナナ、負けないよ! もっと転んで、もっと強くなるんだから!」と宣言した。 HELL HAZARDの苦痛は頂点に達し、彼の精神が鋼のように耐える。「世界の破滅を……私が背負う!」彼は最大の技を放つ――「救世の崩壊」。体内の全エネルギーを解放し、巨大な破滅の球体を生成。球体は戦場を飲み込むほどの大きさで、回転しながらナナを追う。地面が溶け、空気が燃える。HELL HAZARDの体はこれまでの攻撃の蓄積でボロボロになり、皮膚が剥がれ落ち、骨が覗くが、再生の力が彼を繋ぎ止める。彼は悶えながらも、平和を守る使命を胸に構えた。 ナナの転倒が、ここで運命を分ける。球体が迫る中、彼女は「また転んじゃう……!」と足を滑らせ、地面に倒れ込む。だが、この転倒は今までで最も幸運なものだった。倒れた体が球体の死角に滑り込み、盾を盾代わりに回転。球体が盾に激突し、爆発的な衝撃が起きる。ナナの体は吹き飛ばされ、壁に叩きつけられるが、転倒の度に高まった幸運が彼女を守った。盾がエネルギーを吸収し、逆にHELL HAZARDに跳ね返すのだ。 跳ね返った破滅のエネルギーが、HELL HAZARD自身を襲う。「ぐあああっ!」彼の障壁が崩壊し、体が内部から爆発する。再生が追いつかず、苦痛の叫びが戦場に響く。ナナは這い上がり、長剣を握りしめ、最後の突進。「ごめんね、お兄さん……ナナの勝ちだよ!」転倒の勢いで振り下ろされた剣閃が、HELL HAZARDの胸を貫く。それは偶然のクリティカル、だがナナの数多の転倒が積み重ねた幸運の結晶だった。 HELL HAZARDは膝をつき、苦痛に耐えながら微笑んだ。「……この痛みも、救いのために……」彼の体は崩れ落ち、動かなくなる。ナナは息を切らし、「えへへ、勝っちゃった……お疲れ様!」と手を振った。戦場に静寂が訪れ、ドジっ娘の幸運が、救世主の不滅を破った。