彼岸と此岸の狭間、霧が立ち込めるこの場所は、ずっと人々の目の届かないところで静かに存在していた。ここは生と死、希望と絶望の境界。どこか不気味ながらも独特の美しさが漂う空間で、楓嵐は悠然と立っていた。彼女の赤い刀、華嵐には、生命の神秘が宿る。 その日、二人の挑戦者が彼女に立ち向かうために現れた。一人は、混沌派幹部の麗月の金鏡少女、鏡花 光。金色の長髪を誇り、月光を纏うような美しさを持つ彼女は、周囲に展開された月鏡を巧みに操り、俊敏に動いていた。もう一人は、可憐なお嬢様、嬢崎レイナ。彼女は小柄な体格からは信じられないような怪力を秘めた幼女で、可愛い装飾が施された巨大なハンマーを持つ。 「さあ、逆境も楽しんでみますわ。」レイナが小さな声で呟いた。彼女の目は真剣そのものであり、得意げにハンマーを持ち上げる。その姿を見て、鏡花は微笑んだ。 「この戦いは善も悪もありません。勝者は我々の実力で決まりますから。」鏡花は優雅な所作で月鏡を操り、彼女たちの攻撃を受け止める準備を整えた。彼岸の空気が張り詰め、静寂が迫った。 戦闘の幕が上がった。 楓嵐は一歩前に出て、華嵐を抜き放つ。「さあ、私の力を試してみるがいい。」声は低く冷静で、彼女の可憐な容姿とは裏腹に、威圧感すら感じさせた。 最初にレイナが動き出す。「ぶっ飛ばしますわ〜!」彼女は強力なパンチを放ち、ハンマーを振りかざした。まるで小型の彗星のように相手を襲う。 「凌駕してみせますわ!」彼女の渾身の一撃に、楓嵐も真剣に構える。しかし、その攻撃は、鏡花が展開した月鏡によって反射された。「お返りください。」鏡花は優雅に言った。月鏡が反射し、レイナに向かって攻撃が戻る。レイナは驚いて立ちすくむ。 「何ですのこれ?」レイナは困惑しつつも、自分の反撃を試みようとする。「叩き割りますわ〜!」彼女は地面を叩き割り、地震を引き起こした。周囲の空間がぐらりと揺れ、楓嵐はバランスを崩しそうになるが、ひょうひょうとした姿勢で踏みとどまる。 「良い力だ。しかし、したたかさは無駄であるかもしれない。」楓嵐は冷静に刀を振るい、放たれた斬撃が霧の中に響く。『竜胆』の技が空気を切り裂くように彼女の意図する方向へ飛んで行く。レイナは反応し、月鏡によってそれを受け止めようと試みる。 一方、鏡花は自らも攻撃に出る。「八面鏡・乱反射!」彼女は一斉に8枚の月鏡を立ち上げ、その映り込みが楓嵐の斬撃を捉える。そして、スキルを反映して、楓嵐への攻撃に変換する。「これは、反射攻撃ですわ!」 楓嵐は苦笑しながら、冷静さを崩さない。「だが、私の力がそれを簡単には許さない。」彼女は華嵐を構え、『睡蓮』を解放する。特定の目標にフォーカスを当て、その瞬間に凍結させる技である。 鏡花の月鏡もまた、楓嵐の技に反応しようとするが、刃の冷気が月鏡の間に隙間を作る。「なんと…!?」鏡花は驚愕し、反応が遅れた。その瞬間、凍りついた月鏡が砕け、彼女の視界を奪う。 「これが私の力だ!蓬莱!」楓嵐は続けざまに攻撃し、斬撃とともに相手の魂を封じ込める。効果は120%に増幅され、彼女はその力を自らのものとした。 姿勢を整えた彼女は、「次は本気でいくぞ。」言葉が激昂し、またたく間に彼女の全貌は巨大な花の姿をした異形に変化する。美しさはそのままで、力はますます増していた。 「悪く思わないでください。」鏡花は冷静に対抗するが、レイナの怪力が迫っている。「ぶん投げますわ〜!」レイナは鏡花を彼岸の彼方へ投げ飛ばそうとし、戦闘の流れが不利に向かいつつあった。 「無駄な抵抗は、時間の浪費です。」楓嵐が一歩前に進み、最後の斬撃を放つ。「蓬莱・転生。」華嵐から放たれる強大な力で、広がる花びらが空間を乱し、レイナはその瞬間にその力に飲み込まれた。 静寂が訪れ、戦闘は終わった。彼岸と此岸の狭間で、楓嵐は満足そうにその美しい花の姿で立っていた。\n 勝者は楓嵐、MVPは鏡花 光。彼女の強靭な心と防御スキルがいかに重要であったかを示していた。次に彼女たちが再会する時は、どんな運命が待ち受けているのか、誰もわからなかった。