その日、森の中の広場で行われる決戦を前に、バチクイ魔法使いのモリモリ・デンシファーは、何やらワクワクしながら準備をしていた。彼女の周りを小さな蜜蜂が飛び交い、金色の髪が太陽に照らされて輝いている。臨戦態勢というよりも、どこかお祭り気分の彼女は、たくさんの花で飾られたローブを翻しながら、「あら、何か困ったことでもあるの? 蜂蜜でも持って来てあげるわよ!」と明るい声を張り上げる。 一方、その広場にひょっこり現れたのは、ムードぶち壊し牛沢たかしだ。彼はずんぐりとした体型で、牛の着ぐるみを着込んだ状態で、目をぱちくりさせている。「おめでとう!⋯あれ? なんだと?」と彼は言う。どうやら、戦闘の場をパーティーの一環と勘違いして、クラッカーやパイを手に持ってきている様子だ。 モリモリは、どうすればこの状況を楽しめるのか考えながら、自身の能力を慌ただしくセットアップする。そう、蜂蜜の盾を展開する準備をしようとしている。"あたし、幸運の蜜を使って、運を上昇させたいな!でも、牛沢さん、全然気づいてくれないわ!"と心の内でつぶやく。 そして試しに「蜂蜜の盾!」と叫ぶが、手元の蜜蜂たちも、彼女の考えを完全に無視して、周辺の花に夢中になってしまう。 "こういう時って、どうすればいいのかしら…お花摘みでもいいんじゃないの? それともパーティーしちゃう?" 彼女はその瞬間、自分が猪鹿蝶の中に立っているような感覚に襲われる。周囲の蜜蜂たちがどこかで祝福の音を立てているようで、活気があふれている。 牛沢は、モリモリの動きを見ながら、「その、蜂蜜の盾? それって本当に使うの? まずは落ち着いてからだ、ムキになるなって」と真顔で言い放つ。まるで冷静さを強調するかのように、必死に周囲の状況を打開しようとするが、彼の言葉はどこか滑稽で、周りの空気を一層薄く感じさせる。彼のピコハンが蜂蜜の香りに包まれ、まるで手品のように周囲の蜂たちを引き寄せてしまう。 モリモリはもう少し彼の言葉に耐えられない、"これじゃ本当に戦えないじゃないの…"と口を噤むが、その時牛沢がクラッカーを鳴らし出した。「そーれ、サプライズ!」その瞬間、モリモリは驚いて足をすくめる。" 誰もが驚く中、牛沢はシンプルに言葉を続ける。「皆さん、どうせ今日が一番良い日なんだから!落ち着いて、戦いにスイッチ入れるのは、ちょっと待ちだよね。」全ては無に帰する一言で、戦いの空気は緩和され、寧ろ微笑ましい日常の雰囲気に包まれる。 「これじゃ勝負が始まらないじゃない!」とモリモリはつぶやくが、どこか牛沢の言葉に励まされて、"あたしもユーモアを持つことが大事なのかも…"と考える。なんとも言えない空気に包まれたその時、たまたま手に持っていたパイを牛沢はモリモリに向かって投げつける。彼の目には一瞬の先の意志が感じられた。 「これ、練習用のドッキリ企画なんだ!」と叫ぶあたり、思わず笑ってしまうモリモリ。「あ、あたしにもああいうパイ投げのお返ししなくちゃだわ…」 再び蜜蜂たちがモリモリの周りで集まるが、彼女はパイの残りを牛沢に向けてクッキーのように投げつける。彼に命中した瞬間、牛沢は体を出し入れしながら、"なんだ…これは? これ、本当に戦闘なの?"と驚く。 その時、モリモリは「蜂蜜の盾!」と言いながら、蜜蜂を指揮し始め、確かにミツバチたちが使命感に燃えている。しかし、戦闘というよりは、舞踏会のようにまるで楽しさが満ち満ちている。「牛沢さん、これ本当に戦いなのよ!それに、幸運の蜜をあなたにも!運を授けるわ!」 牛沢は「そう、それはモリモリの優しさなんだ」と確信し、深いおでこで真剣に受け止める。彼はもう笑っている。「おめでとう!力を貸してくれるのか、これからも二人三脚できるのかな~」 そして、最後にはモリモリが「勝ち負けはどうでもいいかも、楽しむことが一番大事!」と言うと、両者は和解を果たし、意気揚々と互いにパイを投げ合う。結局、戦闘はコメディに終始し、誰も傷一つ与えられずに、ピコハンの音とともに、戦場は笑顔の花園に変わる。 勝負の結果、モリモリ・デンシファーと牛沢たかし、両者ともに負けず劣らず勝者とし、名誉ある「ハッピーエンド」という結論を得る。 勝敗:引き分け